PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4段階で構成されている経営マネジメント手法である。
PDCAの順でサイクルを回転させることで継続的業績改善が推進され、会社の成長が一段と加速するので、会社経営に必須の経営マネジメント手法といっても過言ではない。
会社経営の成功に欠かせないPDCAサイクルだが、じつは、正しく運用できている中小企業は決して多くない。
計画はあっても実行が伴っていない、実行しても評価や改善を行っていない、計画が誤っている、そもそも計画すらない、という中小企業も珍しくない。
PDCAサイクルは、会社経営の安定と拡大を支える優れたツールだ。
例えば、Plan(計画)がなければ、行き当たりバッタリの会社経営に陥り、業績悪化のリスクが高まる。
Do(実行)がなければ、業績改善はおろか、良くて現状維持、普通は、衰退する一方になる。
Check(評価)がなければ、計画と実行の正否を判定する機会が失われ、誤った会社経営を修正することが出来なくなる。
Act(改善)がなければ、評価の意味がなくなり、安定経営に向けたPDCAサイクルの効果が得られなくなる。
つまり、PDCAサイクルなくして、会社経営の安定も拡大も不可能といって過言ではなく、むしろ、業績悪化リスクが高まる一方になるのだ。
また、PDCAサイクルは、どこかひとつの要素の精度が落ちると、全体の精度が一緒に落ちるので、常に全体の精度を最適化する努力が欠かせない。
繰り返すが、会社経営の出発点になるPDCAサイクルの本質を理解し、正しく運用できている中小企業は決して多くない。
現状のPDCAサイクルの精度と運用方法が正しいか否か、一度、点検してみてほしい。
会社経営を安定させ、持続的に拡大させるにはPDCAサイクルの本質を理解し、高い精度で、正しく運用することが欠かせない。
そして、正しい運用のもとで、高い精度のPDCAサイクルが高回転で回り始めると、事業の拡大スピードが一段と加速する。
PDCAサイクルを正しく運用するには、各要素の基本を抑える必要がある。
例えば、Plan(計画)は、経営計画、販売計画、製造計画、投資計画、育成計画、など等、会社経営の運営に関わるすべての計画が対象になる。
Do(実行)は、計画に基づいて実行すること、Check(評価)は、実行の結果を評価・検証すること、最後のAct(改善)は、結果の良し悪しを分析し、より良い計画に改善することが基本になる。
この基本サイクルを回していれば、自ずと効果的かつ効率的な事業展開が実現でき、会社経営の安定と拡大の道筋が見えてくる。
PDCAサイクルの正しい運用方法と共に各要素の重要ポイントを詳細解説する。
計画の対象は事業に関わる全ての活動が対象になる。効果的な計画を作るには、数字(売上だけではなく営業利益に至るまで)、期日や目標のほか、担当者や責任者、など等、なるべく内容を具体的に仕上げなければならない。また、計画の期間は、一年、ひと月、一日というように短縮するほど、計画達成のスピードが加速する。
計画を作って終わりでは会社は成長しない。計画を作ったらスピーディーに実行に移すことが欠かせない。中小企業の場合は、経営者が先頭に立って実行を指揮しないと、期待する結果が出ないことが往々にしてある。
結果検証はPDCAサイクルの中でも重要なプロセスだ。なぜなら、検証精度が低下すると、計画と実行の誤りを正すことが出来なくなるからだ。当然ながら、誤った計画と実行を推し進めていては、成長するどころか、衰退まっしぐらということもあり得る。検証の精度を高めるには、数字や経験だけでなく、時には客観的な視点を利用することも大切だ。
改善も結果検証と同様、PDCAサイクルの中でも重要なプロセスだ。なぜなら、改善なくして、成功はあり得ないからだ。計画には不確定要素が沢山入り込んでいるので、失敗リスクがついて回る。失敗リスクを小さな段階で捉えて、正しく改善することが、計画と実行の精度を上げる確かな方法になる。