企業が成長する手段として、拡大投資や設備投資がある。
新しい商品やサービスを投入する拡大投資、あるいは、新しい設備を投入して生産高を引き上げる設備投資は典型だ。
投資の世界では、少ない資金で大きな利益を獲得することをレバレッジが効いていると言うが、企業の拡大投資や設備投資も同じで、レバレッジを効かせることが重要になる。
事業活動における拡大投資や設備投資のレバレッジの成否の判定に役立つ指標としてお薦めなのは「営業利益」だ。
営業利益は、率と金額の両面でみることが必須になるが、投資前後と比較して、上昇・増加は成功、横ばいは成否保留、下降・減少は失敗と判断することができる。
少ないコストで大きな利益を獲得することが投資の成功条件になるが、新規事業に限って言えば十中八九は失敗(計画未達)になるので、合格のラインは横ばい以上でも問題ない。
上昇・増加以外はすべて失敗と判断してしまうと、組織のチャレンジ精神が失われ、新しい商品・常識・サービス・イノベーション等が生まれにくい組織風土が定着してしまうからだ。
繁栄の基礎は、古いものを新しいものに上書きする過程で鍛えられる。
期待した成果が上がらなくても、業績をキープした状態で、新しいモノや仕組みを増やすこと事態に価値があると思うことも投資を成功に導く上で大切なマインドになる。
設備過多・投資過多・過大投資の防止策について、解説する。
設備過多・投資過多・過大投資を防ぐうえで、みるべきポイントは「赤字か否か」と「返済余力の大きさ」だ。
拡大投資や設備投資をした後に、赤字に転落、あるいは、赤字が拡大してしまっては元も子もない。
事業拡大に伴うイニシャルコスト(初期投資経費)が膨らもうが、減価償却費の負担が大きくなろうが、黒字確保は健全投資の絶対条件になる。
計画段階の黒字確定は必須(赤字計画の場合は練り直し必須)だ。万が一、実績段階で赤字に転落した場合は、1~2年以内に黒字化しないと、経営破綻のリスクが高まるのでくれぐれも気を付けてほしい。
もう一つの「返済余力の大きさ」を見ることも大切だ。
投資資金を外部からの借入で賄う場合は、返済と金利の負担に耐えうるフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金=当期純利益+減価償却費)を生み出す必要がある。
当然、返済余力が小さい、あるいは、返済苦で収支がマイナスに陥ると、フリーキャッシュフローが減り、お金が尽きた瞬間に会社が倒産する。
返済計画は余力を大きくすることが必須(余力がない場合は練り直し必須)だ。万が一、実績段階でマイナスに陥った場合は、速攻でプラス収支に持っていかないと、倒産リスクが高まるのでくれぐれも気を付けてほしい。
なお、赤字計画や返済余力が乏しい場合は、最初からすべてを自前で用意せずに、外注等で拡大投資や設備投資を行い、段階的にステップアップさせる方法もある。
投資の成功は、綿密な計画と背伸びをしない堅実性に加えて、大胆な決断や時流を見るセンスも必要だ。
本記事で紹介した営業利益、赤字か否か、返済の余力大きさに日頃から着目し、経営采配していれば、自分なりの決断の基準やタイミングをみるセンスが磨かれるので、ぜひ意識してほしい。
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