会社の安定経営を実現するには、徹底したリスクマネジメントが不可欠だ。
なぜなら、資本力に乏しい中小企業の安定経営の秘訣は、徹底したリスクマネジメント(リスクヘッジ・リスク回避)にあるからだ。
この記事では、経営者が身につけるべき経営のリスクマネジメント手法について、詳しく解説する。
リスクマネジメントには様々な手法があるが、リスクマネジメントの要点は「小さなリスクを放置しないこと」に尽きる。
例えば、上場企業の大型倒産、航空機の墜落事故、ホテルの大規模火災など等、日常では起こり得ない大事故は、“小さなリスクを放置した結果”、起こるべくして起こったと云われる。
小さなリスクといえども、時間が経過すればするほど、リスクの深刻度は大きくなる。
日頃からリスクマネジメントが徹底されている限りは大きな事故は起こり得ないが、ひとたび、リスクマネジメントが甘くなると、小さなリスクの深刻度が大きくなり、前記のように大事故に繋がってしまう。
小さなリスクを放置しないことが、リスクマネジメントの基本になるのだ。
わたしが経営診断の仕事を引き受けて依頼先企業のリスクを分析してみると、どんな会社にも小さなリスクの芽が点在している。
指摘されたリスクに対する反応は人それぞれだが、リスクマネジメントを会社に導入し、リスクヘッジ(リスク回避)した後に、改めてリスクの深刻度を説明すると、大概の経営者が大きく安堵する。
資本力に乏しい中小企業は、リスクマネジメントを怠ると、ほんの少しのきっかけで会社が傾くことがある。
そもそも、決断の先を予測することはできても、予測を100%当てることなど誰にもできない。つまり、どんな決断にも失敗のリスクがつきまとう。
経営で失敗しないためには、日頃からリスクマネジメントを徹底して、小さなリスクであっても回避し続けなければならないのだ。
リスクマネジメントを徹底しようにも、どんな経営リスクを対象にリスクマネジメントをすればよいのか分からないという経営者もいると思う。
そこで、トップダウン構造の中小企業にありがちな経営リスクの二大原因を紹介する。
企業衰退の根本原因になる経営リスクは「経営判断の誤り」と「経営課題の見落とし」の二つのリスクに集約される。
この二つのリスクマネジメントを怠ると、会社は簡単に衰退する。
言い換えると、この二つのリスクマネジメントを徹底している限りは、会社が衰退することはなく、むしろ成長するということだ。
企業衰退の根本原因になる経営リスクである「経営判断の誤り」と「経営課題の見落とし」、この二大原因のリスクヘッジ手法を解説する。
経営判断の誤りは、結果が表面化しやすいので、割かし発見しやすい。
例えば、経営判断の結果、会社の数字が悪化した、或いは、顧客の不評を買った、など等、ある程度、事業活動の結果を注視していれば誰でも誤りに気付くことができる。
経営判断の誤りに気が付いた時点で即座に誤りを正せばリスクヘッジが完了するので、経営判断の結果を注視することが、リスクマネジメント(リスクヘッジ)の要点になる。
一方の「経営課題の見落とし」は、基本的に経営者の主観でしか発見することができないので、リスクヘッジが難しい。
どいう事かというと、経営課題の見落としは、経営者の能力が低いと簡単にスルーされるので、経営者のレベルが問われる非常にシビアなリスクということだ。
業績の良い会社には経営の客観性を高める参謀(ブレーン)の存在があるが、これは経営課題を見落とさない対策として非常に賢い選択だ。
小さな経営課題も見落とさない為には、外部の力を借りてでも経営の客観性を高めることが不可欠で、それほど、経営課題の見落としに対するリスクマネジメント(リスクヘッジ)は難易度が高い。
リスクマネジメントが定着すると、経営判断の精度が高まり、尚且つ、成長を阻害する経営課題も次々と解消される。
経営判断の精度が高まることは経営者の能力向上を意味し、経営課題が解消されることは会社の競争力向上を意味する。
つまり、リスクマネジメントは会社の安定経営を支えるだけでなく、経営者の能力開発にも効果があるのだ。
リスクマネジメントが安定経営に不可欠と云われる所以はココにあり、好調企業ほど、リスクマネジメントが定着している。
小さな会社ほどリスクマネジメントに敏感でなければなりません。特に、経営課題の見落とし・見過ごし・見誤りは、企業衰退に繋がる危険なリスクなので、絶対におざなりにしないでください。また、リスクは小さい内に取り除くことが大切で、放置するほど大きなリスクに育つことも忘れないでください。