経営改善手法1|ハードランディングな経営改善アプローチ

経営改善手法1|ハードランディングな経営改善アプローチ

 

経営改善の手法は、会社の経営状態に応じてアプローチが変わる。

 

例えば、赤字経営の黒字化、事業再生、企業再建などの場合は、経営改善のアプローチがハードランディングになる。

 

この記事では、ハードランディングな経営改善の具体的手法について、詳しく解説する。

 

 

ハードランディングな経営改善

 

ハードランディングとは、航空機などが急降下して地面に叩き付けられる形で着陸することを表す航空用語だが、経営の現場においてもドラスティックな経営改善が強いられる場面などで使われる。

 

例えば、赤字経営の黒字化、事業再生、企業再建などは、経営改善のアプローチがよりドラスティック(過激・抜本的・徹底的)なものになり、経営健全化までの道のりがハードランディングに偏る。

 

なぜ、ハードランディング(急激な変化・変動)な経営改善に偏ってしまうのかというと、マイナス状態からの経営健全化は時間が勝負になるからだ。

 

資金調達に限りのある中小企業ほど、経営改善の成果を上げるまでの時間が限られていて、マイナス状態が深刻なほど短期間での成果が求められる。

 

経営改善が追い付かずに会社が倒産してしまっては元も子もないので、マイナス状態からの経営健全化は、自然とハードランディングな道のりになり、私の場合は1年以内に成果がでるように経営改善を推進する。

 

 

ドラスティックな経営改善

 

ドラスティックな経営改善の具体例を紹介する。

 

ドラスティックな経営改善は、経営者と組織(社員)にかなりの負荷(ストレス)を与えることになるが、このプロセスを経て経営が健全化されると、過去から溜まりにたまったマイナスの膿が全て解消され、更に、経営者と組織(社員)の経営能力や変化への耐性が格段に高まる

 

事業収支の経営改善

マイナス状態から経営を健全化するには事業収支を短期間でプラス化するためにドラスティックな経営改善を断行しなければならない。例えば、不採算事業や不採算商品の健全化、給与や賞与カットによるコストの大幅カットなど等を矢継ぎ早に断行し、事業収支の黒字化を速やかに実現することが正攻法になる。

 

人事組織の経営改善

経営が悪化する会社には、必ず、問題社員がいる。問題社員は経営者が放置するほどモンスター化し、会社の業績の足を引っぱる存在になる。こうした問題社員を解消するために、対象社員を再教育し、必要に応じて降格・減給処分や配置転換を速やかに実行し、組織力を回復させなければならない。組織の回復が遅れると、業績改善が一向に進まなくなるので、人事組織の経営改善は極めて重要になる。また、問題社員の改善と同時に、現役経営幹部の再教育(見直し)や社員の適材適所、並びに、有能な社員の幹部登用等を進めて、組織全体にチャレンジと成長の機会を与えることも不可欠になる。

 

ファイナンスの経営改善

事業収支と同様に重要なのがキャッシュフロー(CF)のプラス化で、CFをマイナスからプラスに改善するにはファイナンスの経営改善が欠かせない。具体的には返済計画のリスケジュールになるが、丁寧かつ根気強く、金融機関等と交渉し、返済条件の軽減を実現しなければならない。会社はお金が無くなった瞬間に倒産するので、ファイナンスの経営改善は極めて重要になる。また、極端な節税スキームを組むことも不可欠になる。

 

 

安定経営の基礎を作る経営改善

 

安定経営の基礎を作る経営改善の具体例を紹介する。

 

事業収支、ファイナンス、人事組織、何れの領域も健全化の見通しがついた段階で、ハードランディング、かつ、ドラスティックな経営改善に一区切りをつけて、より健全な、より安定した経営基盤の基礎を作る経営改善に移行する。

 

事業収支の経営改善

マイナス収支がプラス化した後は、利益拡大のための施策を実行に移す。具体的には、経営改善計画に基づいた経営課題の解消、新商品の投入、新規顧客の獲得、利益改善、業務効率改善、生産性改善などの推進が基本戦略になるが、ハードランディングな経営改善の直後は組織が疲弊しているので、数字の改善よりも組織力を高めるための意識改善、或いは、社員フォローを優先することが大切になる。なぜなら、組織力と業績は比例関係にあるからだ。従って、給与等をカットした場合は速やかに給与を改善する、或いは、カット前の水準よりも引き上げる等の配慮が必要になる。

 

人事組織の経営改善

問題社員が一掃されて、組織全体が顧客に尽くす真っ当な仕事ができる風土が整った後は、社員の不平不満を無くすための人事評価制度の運用を目指す。具体的には、明快な人事評価基準を社員に示して、評価結果の満足度と共に教育効果を高めることが基本戦略になる。明快な人事評価基準があれば、社員は自主的に能力開発に努め、会社側も効率よく社員の能力開発を手助けすることができる。

 

ファイナンスの経営改善

返済計画のリスケジュールが金融機関等と概ね合意に至った後は、金融機関等に対する経営改善計画の進捗報告を定着させて信頼関係を深めることが基本戦略になる。財務データも正直に開示し、計画と実績の差異分析も丁寧に説明する。お互いの信頼関係が深まると、他社よりも有利な融資条件や返済条件を引き出すことができる。

 

➡NEXT「経営改善手法2|ソフトランディングな改善アプローチ」へ

 

 

 

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