経営改善を成功させる3つの視点と戦略|会社の業績改善の計画作りの基本

経営改善を成功させる3つの視点と戦略|会社の業績改善の計画作りの基本

 

経営改善に終わりはなく、万が一、経営改善の手を緩めると途端に業績が悪化し始める。

 

経営改善の範囲は、喫緊の問題や課題を解消する戦術的経営改善だけに止まらず、継続性のある戦略的経営改善、並びに、大型投資を見越した中長期的経営改善など等、多岐にわたる。

 

この記事では、経営改善を成功させる3つの視点と戦略、並びに、それぞれの視点に応じた会社の業績改善の計画作りの基本について、詳しく解説する。

 

 

戦術的経営改善

 

戦術的経営改善とは、経営環境の変化や悪化に伴い発生する喫緊の経営課題に対して、迅速、かつ、臨機応変に対応すべき短期的な経営改善のことである。

 

具体的には、顧客離脱や売上減少等の内部環境の変化だけでなく、2019年の消費税増税に伴う景気悪化、或いは、2020年コロナ渦に伴う事業活動の大きな転換など等、外部環境の変化を適宜察知し、臨機応変に対応すべき経営改善になる。

 

戦術的経営改善の計画作りの基本は、客観的な現状分析と変化への機敏な対応が重要になる。

 

客観的な現状分析は、会社の数字や業績、現場や顧客の声等をベースに現状分析するミーティングを定着させることが肝になり、変化への機敏な対応は、素早い決断と行動、並びに、トライ&エラーを継続することが肝になる。

 

客観的な現状分析力と変化への機敏な対応力が向上すると、自ずと、経営改善の計画精度が高まると共に、業績改善効果が一段と上がる。

 

 

戦略的経営改善

 

戦略的経営改善とは、長期に亘り継続すべき経営改善のことである。

 

具体的には、顧客創造、付加価値研鑽、数字の拡大(売上・利益・現金の拡大に繋がる種々の改善活動)など、事業の永続性を高めるための継続的な経営改善になる。

 

戦略的経営改善の計画作りの基本は、現状に満足せずに、さらに上を目指す向上心である。

 

顧客やライバルは、こちらの状況にお構いなく進化(変化)していくので、弛まぬ自己研鑽と変化への順応をおざなりにすると、いとも簡単に競争優位性を失い、業績が悪化する。

 

しかも、一度、競争優位性を失うと再浮上するのが困難になり、大概の会社は危機的な経営状況に追い込まれる。

 

戦略的経営改善は、最も重要な経営改善であり、充実した計画の策定と運用が安定経営確立の唯一の方法といっても過言ではない。

 

 

中長期的経営改善

 

中長期的経営改善とは、大規模修繕、大型設備投資、大型リース等を見越した経営改善のことである。

 

中長期的な経営改善は、多額の成長投資費用がセットになるので、資金需要に応じた財務計画、並びに、数年先の事業環境を見越した先見性が肝になる。

 

また、戦術的経営改善と戦略的経営改善は現場社員や経営幹部の仕事になるが、中長期的経営改善だけは、社長の重要な仕事になる。

 

なぜなら、現場の社員は1ヶ月先、経営幹部でも1年先くらいの視点(視野)が普通だからだ。

 

社長が自分の仕事として3~10年先を見据えた視点で中長期的経営改善の計画を策定することが重要であり、しかも、多額の投資費用を無駄にしないリスク管理も他人任せにしてはならない。

 

 

経営改善を成功させる視点と戦略のまとめ

 

経営改善に終わりはない。

 

なぜなら、世の中の進歩、顧客や市場の変化、ライバルの台頭など等、事業活動を取り巻く環境が変化すれば、競争の優位性が低下するからだ。

 

事業の永続性を高めるには経営改善が不可欠であり、しかも、戦術的経営改善、戦略的経営改善、中長期的経営改善の3つの視点をバランスよくブレンドすることが、業績を一段と押し上げる経営改善のコツになる。

 

効果的な経営改善が定着すれば、業績は自然と上がる。事実、業績好調な中小零細企業ほど、効果的な経営改善が定着している。