多くの成功者がピンチはチャンスだ!と言っている。
その根拠は様々考えられるが、ピンチがやってくると、強制的に今までのやり方を変えざる得ない状況に置かれることが、最大の理由だと思う。
例えば、ピンチをきっかけに、大胆な変化・挑戦・チャレンジを実行すると、会社が一段と進化し、大きな利益やビジネスチャンスが生まれることがある。
私のサポート先においても、余命一年の絶体絶命のピンチまで追い込まれた会社が、ピンチをきっかけに大胆な経営改革を断行し、僅か1年で黒字化、キャッシュフローも1億円改善した実例がある。
会社の規模が大きくなったり、創業からの歴史が長くなったりすると大きな変化が生まれ難い環境になりがちだが、ピンチはそうした保守的で硬直(マンネリ化)した状況を打破する起爆剤にもなる。
また、何か新しいことを始める時は、社員の反発や反対勢力の抵抗があったりするものだが、会社がピンチになると、ピンチを乗り越えるための変化を受け入れざる得ない空気感が出るため、改革やチャレンジの推進力がキープし易くなる。
当然、ピンチをきっかけに改革やチャレンジを実践するほど、チャンスの数は飛躍的に増える。ピンチはチャンスという意識をもって、前向きに変化を受け入れる姿勢がチャンスを招き寄せるのだ。
ビジネスを長くやっていると、一度や二度は絶体絶命のピンチに遭遇することがある。
例えば、100年に1度レベルの経済ショックと言われているリーマンショック(2008年)・東日本大震災(2011年)・コロナショック(2020-2022)は典型だ。
こうしたコントロール不能な絶体絶命のピンチをチャンスに変える秘訣は、目の前の今ココに全集中することに尽きる。
現実を受け入れ、どんなに小さなことでも良いので出来ることをコツコツ積み上げる。資金的なゆとりがないのであれば資金調達してでも体力を温存し、今までのやり方をコツコツ変える。
絶体絶命のピンチを前に思考を停止したり、周囲の状況が変わるのを待ったりするのではなく、素早く、前向きに、能動的にやれることをコツコツ積み上げる。この繰り返しが、経営基盤をさらに盤石にし、大きなチャンスを引き寄せる源泉になる。
小さな変化の積み重ねは、大きなチャンスをものにするうえで、最も効率的で、最も抵抗や犠牲が少なく済む。それでいて、経営基盤が一段と盤石になるので、周囲の環境が平常に戻った途端に、前にも増して収益が大きく拡大する。
優れた経営革新、技術革新、新商品、新発明等、会社を飛躍的に成長させる原動力はピンチから生まれる。絶体絶命のピンチほど会社に大きな負荷がかかるが、こうしたピンチの反動で生み出されるチャンスは、会社の成長スピードを加速するケースがとても多い。