堅実経営の見分け方と作り方|堅実こそが経営の基本である

堅実経営の見分け方と作り方

 

堅実経営とは、安定成長を遂げている企業の経営スタイルのことである。

 

堅実経営と聞くと、積極性のない保守的な企業イメージを持つかもしれないが、決して、そうではない。

 

どんな景気、どんな世の中であっても生き残れるように日頃から弛まぬ経営努力を行っている企業こそが、堅実経営を実現している企業である。

 

例えば、どんなに景気が悪くても、すべての企業の経営が悪化するわけではない。悪い景気のなかでも堅実経営を推進し、然るべき利益を生み出し、安定成長を遂げている企業は必ずある。

 

堅実経営には、経営者が目指すべき経営スタイルのヒントや経営の基本がギッシリ詰まっている。

 

特に、これから起業する方や中小企業経営者は、堅実経営から学ぶべきところが多い。

 

堅実経営の見分け方から作り方に至るまで、さらに詳しく解説する。

 

 

堅実経営の見分け方

 

これから取引を開始する相手が堅実経営か否か、はたまた、これから経営に参画する企業が堅実経営か否かは、その後の未来を大きく左右する要因といってよい。

 

なぜなら、堅実経営の実現度が低いと、取引が破綻するリスクや経営悪化の代償を被るリスクが生じてしまうからだ。

 

中手企業の堅実経営を見分ける方法は様々あるが、この記事では「会社の数字」、「人材育成」、「経営戦略」の3つの観点から、堅実経営を見分ける方法を詳しく解説する。

 

会社の数字から堅実経営を見分ける方法

 

会社の数字は、経営成績を如実に表すので、堅実経営か否かを客観的に判断するうえで最も効果的な方法である。

 

堅実経営か否かは、財務諸表等の数字を加工することで分かるが、例えば、下表の経営指標は堅実経営を見分けるのに有効な指標である。

 

経営指標 計算式 堅実経営の基準
売上成長率 〔(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高〕×100 5~20%
売上総利益高営業利益率 (営業利益÷売上総利益)×100 10~20%
1人1時間当たりの付加価値 (付加価値:総人件費+営業利益高)÷総労働時間 増加傾向維持
現金残高 現預金の月末残高 〔月商-(減価償却費+営業利益高)×1.5〕以上
純資産残高 純資産の月末残高 増加傾向維持
社長の持株比率 (保有株式数÷総株式数)×100 2/3以上

 

以上の経営指標を用いて分析した数値が堅実経営の基準内であれば、堅実経営の実現度が高いといえる。

 

逆に、ひとつでも基準から外れている経営指標があれば、そこが弱点となり、経営が傾くリスクがある、といえる。

 

但し、本業への成長投資や人材への先行投資の過程で、一時的に基準値を下回っている場合は、その限りではない。

 

人材育成から堅実経営を見分ける方法

 

企業は人なりと云われるように、人材育成への取り組みから堅実経営か否かを判断する方法も有効である。

 

例えば、顧客や取引先に対する挨拶や礼儀作法がすべての社員に身についているだけで、その企業が如何に日頃から人材育成に力を入れているかが伝わってくる。

 

また、社員の自主性や責任感、モラルなど、人材育成を行わないと身につかないスキルを持っている社員が多いほど、その企業の人材育成レベルが高いといえる。

 

経営成績は数字で表されるが、その数字を作っているのは、生身の人間である。

 

人材育成は堅実経営の基本といって過言ではなく、その企業の社員を見れば堅実経営の実現度が大よそ分かる。

 

経営戦略から堅実経営を見分ける方法

 

経営戦略は、事業活動の方向性を決定付けるので、企業の業績に大きな影響を及ぼす。

 

例えば、明確な経営戦略のもとで経営されている企業と、毎日が行き当たりバッタリの経営に陥っている企業を比べた場合、堅実経営の実現度が高いのは前者の企業である。

 

下記のチェックリストは、わたしの経験から堅実経営の実現に不可欠な主な項目を挙げている。該当項目が多いほど、堅実経営の実現度が高いといえるので、是非、自己診断してみてほしい。

 

堅実経営の戦略チェックリスト

☑新しい顧客を常に創造している

 

☑会社の本業が明快で、競合と差別化されている

 

☑会社の強みを自覚し、その強みを活かしきっている

 

☑会社の強みを磨くために、新技術やノウハウを積極的に導入している

 

☑利益の一部を毎期成長投資に充てている

 

☑経営者に私欲がなく、向上欲が旺盛である

 

☑経営者が常に次世代の経営を見据えて動いている

 

☑顧客満足度だけでなく、社員満足度も追求している

 

 

堅実経営の作り方

 

堅実経営の作り方は、前章の「堅実経営の見分け方」で解説した内容を深く理解し、実行することに尽きる。

 

例えば、然るべき数値目標を掲げて改善努力を継続する、人材育成を怠らない、堅実経営を実現するための経営戦略を展開する、といった条件は、堅実経営を作るうえで欠かせない。

 

それぞれの条件をクリアするために必要なことは、第一に、社長自身が数字に強くなることである。

 

なぜなら、数字に強くなければ、堅実経営に不可欠な目標設定や結果検証の精度を高めることができないからだ。

 

数字が苦手な経営者であっても堅実経営の本質を理解している社長は、参謀を付けるなどして、会社の数字の理解に努めている。

 

人材育成に関しては、十分な予算が確保できない中小企業も多いと思うが、その場合は、会社の数字や経営理念、或いは、顧客や現場の声をテーマに掲げた勉強会を開催するだけでも十分な人材育成効果が得られる。

 

経営戦略を展開する場合の必須ツールは計画である。

 

計画は、成長に向けた事業活動を円滑に推進するだけでなく、リスクを最小限に食い止める効果もある。

 

計画なき実行は博打と変わらない。堅実経営を実現する経営戦略の展開には、計画が欠かせないのだ。

 

 

堅実経営のまとめ

 

堅実経営とは、どんな時代であっても、安定成長を遂げている企業の経営スタイルのことである。

 

堅実経営を実現するには、周囲の環境に関わらず、どんな景気、どんな世の中であっても生き残れるように日頃から弛まぬ経営努力を行うことが大切だ。

 

そして、中手企業の堅実経営を見分ける方法は、「会社の数字」、「人材育成」、「経営戦略」の3つの観点から、堅実経営の実現度を判定することができる。

 

堅実経営の作り方は、堅実経営を見分けるための「会社の数字」、「人材育成」、「経営戦略」の3つのポイントを深く理解し、実行すること。

 

そして、そのために必要なことは、「社長が数字に強くなること」、「可能な限りの人材育成に取り組むこと」、「計画を運用すること」の3つのポイントが重要になる。

 

伊藤のワンポイント

堅実経営は最もお薦めの経営スタイルです。地に足がついた経営が定着し、安定成長の経営基盤が整うからです。拡大一辺倒の経営は危ういですし、一時の勢いで拡大に成功したとしても、堅実経営が定着していない会社は少しのきっかけで衰退します。衰退を予見し先手を打つ経営を絶えず実践することも堅実経営を確立する秘訣です。

 

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