5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)を習慣化する活動のことだ。
5S活動の効果は、会社が儲かる、作業能率が上がる、生産性が高まる、利益が増える、現金が増える、など等、さまざまな業績改善効果がある。
儲かっている会社ほど5S活動が徹底されていて、儲かっていない会社ほど5S活動が定着していない。この記事では、5S活動のスゴイ効果について、詳しく解説する。
5Sの実践は、整理・整頓・清掃の3つの活動が肝になる。
整理は、必要なものと不要なものを分別する活動で、整理が行き届くと、人員・在庫・作業・管理・スペース・キャッシュフローのムダがなくなる、などの効果が生まれる。
必要なものの基準は、すぐに使うものである。つまり、すぐに使うもの以外は買わない、置かない、作らない、行わないというのが整理の効果を上げる秘訣だ。
整頓は、必要なものを誰でも分かるように配置・明示する活動で、整頓が行き届くと、整理の精度が上がる、作業能率が上がる、在庫管理のムダがなくなる、などの効果が生まれる。
整頓の秘訣は、徹底した表示の工夫だ。置き場の表示、通路の表示など導線やストック場所が明確になれば整頓が効率的になる。例えば、駐車場に車止めや車両枠の表示がなければ、車の動作も駐車場スペースも非効率なものになってしまう。
清掃は、不要なものやゴミをなくす活動で、清掃が行き届くと、整理・整頓の効率が上がる、職場が美しくなる、印象が良くなる、建物や機械等の劣化や故障の早期発見ができる、などの効果が生まれる。
5Sの定着は、清潔・躾(しつけ)の2つの活動が肝になる。
清潔は、整理・整頓・清掃の精度を上げるためのルールの共有・見える化を推進する活動で、清潔さが行き届くと、整理・整頓・清掃の一連のプラス効果が一段と高まる。
躾(しつけ)は、整理・整頓・清掃・清潔をトップが率先して現場に定着させる活動で、躾が行き届くと、整理・整頓・清掃・清潔の一連のプラス効果が一段と高まる。
躾の基本は、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)にあるが、このサイクルを正しく回している中小企業は決して多くない。
例えば、計画はあっても実行が伴っていない、或いは、実行しても評価や改善を行っていない会社は珍しくなく、なかには、計画そのものを誤っている、或いは、そもそも計画すらない、という会社もある。
その理由は、継続する根気より、目先の仕事が大事になるからだ。立てた計画の三割でも四割でも上手くいけば成功だと思って、躾を継続することが5S活動の効果を最大化する秘訣だ。
5S活動は、清潔を好む日本人の精神性と相性の良い取り組みで、製造業に限らず、幅広い業種の経営活動に定着している。
5S活動最大の効果は、ムダなコストやムラのある働き方が減って、儲かる会社に変貌することだ。
5S活動を推進し、5Sの精度を高めるほど、仕事の能率と生産性が上がり、利益と現金が増える。
また、綺麗な職場や美しい外観は、近隣住民や取引先等へ良い心証を与え、会社の評判や信頼性を高める効果を生み出す。儲かる会社経営は、5S活動から始まるのだ。