経営者目線(視点)で考える社員・幹部・社長の本来の目線

経営者目線(視点)で考える社員・幹部・社長の本来の目線


経営者目線を持って行動しろ、或いは、経営者の視点で仕事を考えろ、など等、経営者目線(視点)を社員や幹部に求める社長は少なくない。


社員や幹部が経営者目線(視点)で行動すると自然と経営感覚が養われるので、決して悪い事ではないが、果たして、本当にそうだろうか?


この記事では、経営者目線(視点)で考える社員・幹部・社長の本来の目線について、詳しく解説する。



経営者目線(視点)とは?


経営者目線(視点)とは、会社経営者の立場になって物事を考えること、或いは、そうした立場に立った言動のことだ。


経営者目線の具体的基準は、企業の永続性を確立するために「顧客・社員・取引先の幸せを追求し、安定経営を実現する」ということに尽きる。


これが経営者の本来の仕事であり、この仕事を全うするための目線なり視点が「経営者目線(視点)」になる。


社員・幹部・経営者、すべてのスタッフが経営者目線を持って仕事をすることは大切なことであり、それが企業の安定経営を実現する重要な条件になる。



社員・幹部・経営者の経営者目線(視点)


社員・幹部・経営者のすべてのスタッフが経営者目線(視点)を持って会社経営にあたることは大切なことだが、目線なり視点の時間軸は、立場によって変わる


下の図は、社員・幹部・経営者、それぞれの立場の目線の時間軸を表したものだ。



社員は1ヶ月先、幹部は1年先、経営者は3~10年先を見て仕事をするのが普通で、階層や立場によって目線や視点の時間軸に違いが生じる。


具体的には、社員は1ヶ月先の顧客等の幸せを、幹部は1年先の顧客等の幸せを、経営者は3~10年先の顧客・社員・取引先等の幸せを考え、それぞれの立場で仕事すると、組織全体のパフォーマンスが上がり、会社の経営が安定しやすくなる。


この時間軸を見落としたまま経営者目線や視点を社員や幹部に押し付けると、社員達が戸惑い、場合によっては組織のパフォーマンスが落ちることもあり得る。


(新入社員が10年先を見据えてゆったり仕事をしている風景を想像すれば、経営者目線の時間軸を見落とすことが如何にトンチンカンなことかお分かりだろう)



経営者はどういう目線(視点)を持つべきか


経営者は3~10年先に目線を合わせた経営采配を求められるが、大切なことは現場の情報と柔軟な視点を忘れないことだ。


例えば、現場の情報を自らが取りに行くことと、柔軟な視点を持ってビジネスモデルを再構築(再検証)する作業は、他人任せにできない重要な社長の仕事になる。


現場の情報は、目線(視点)の時間軸が違えば活かし方が変わってくる。社員にとっては何気ない情報が、経営者目線で見ると会社の成長を加速する優れた情報ということは珍しいことではない。


ビジネスモデルは、時間の経過と共に必ず陳腐化するので、絶えず再構築・再検証することが欠かせず、この作業には長期的な経営者目線(視点)が欠かせない。


こうした経営者目線なり視点を体得するには、周囲に耳を傾ける謙虚さ、並びに、現状に執着しない柔軟性が求められる。


経営者の現場無視、或いは、現状への執着は衰退の元になる。謙虚で柔軟な経営者目線を持つことが成功の秘訣なのだ。