常識とは大勢の人が当たり前と認識している一般社会通念のことだ。
一方、非常識とは、大勢の人が現時点で当たり前と思っていない事、或いは、これから当たり前になる事に気がついていない事である。
ビジネスは常識が非常識に変わることで終焉を迎え、非常識が常識に変わることで繫栄が始まることが往々にある。
この記事では、非常識な成功の法則について、事例を交えて分かり易く解説する。
世界最大のファストフードチェーンを創ったマクドナルド創業者のレイ・クロック氏は「成功のヒントはゴミ箱の中にある」と言った。
常識で考えれば、ゴミ箱は不要なものを捨てる場所であり、成功のヒントなどありもしないと思うだろうが、同氏はゴミ箱の中から成功のヒントを見つけて大成功を収めた。
この非常識な成功の法則について、同氏は自身の著書“成功はゴミ箱の中に”の中で次のように語っている。
「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。私が深夜二時に競争相手のごみ箱を漁って前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したかを調べたことは一度や二度ではない。強みを鍛え、付加価値に力を入れれば我々についてくることができずに競争相手は消滅していくだろう。」
常識的なライバル分析は、立地調査、覆面調査、顧客分析等のマーケティングが正攻法になるが、同氏のマーケティング手法は、ゴミ箱という非常識な切り口から成功の法則を見出だしている。
常識はその時代に影響力を持った一部の人間や企業が作りだすものなので、いつかは廃れる。
つまり、常識にしがみついたビジネスや常識の範囲内で展開しているビジネスに永続性はない、ということだ。
特に、昔からやっているから、周りもやっているから、これをやるのが常識だから等の合理的根拠に欠けた常識ほど危険な衰退リスクを抱えている。
この手の常識は、非常識に変わった瞬間に衰退リスクが表面化する。具体的には、顧客の離反、社員の離職、ビジネスモデルの破綻などである。
創業の歴史が古い会社が社長の代替わりと共に衰退するケースなどは、こうした常識から抜け出せずに衰退する典型といえる。
元気な会社はこうした常識を徹底的に嫌い、成功のチャンスは非常識の中にあると考え、次々と新しい常識を生み出している。
当然ながら、新しい常識は最初の段階は多少の反発を受ける非常識かも知れないが、非常識が常識に変わった瞬間に、大きな収益を生み出すエネルギー源となり、一気に繁栄が加速する。
成功のチャンス、挑戦のタネ、繁栄の基礎等の成長や飛躍の原動力は、いつの時代も非常識の中にあるのだ。
最後に、繁栄を招く非常識な成功の法則をいくつか紹介する。
非常識な成功の法則はこの他にも沢山あるが、こうした非常識を常識に変えるには、モラルを持ってビジネスを推進することが大切になる。
モラルも気品もないビジネスは、必ず世間、業界、社員等から足を引っぱられるからだ。
モラルを持ってビジネスを展開することは、非常識な成功の法則を確かなものにする絶対条件と言って過言ではない。