目標を掲げると、目標と現実の間のギャップが明らかになるので、やるべきことが明快になる。
さらに、目標を数値化すると、結果測定や結果評価が容易になり、目標達成のプロセスを最適化し易くなる。
この記事では、目標を数値化するアイデアと方法、並びに、数字目標のメリット・デメリットについて、詳しく解説する。
数値目標の代表的なメリットは3つある。
一つは目標がより明快になること。もう一つは目標達成の過程や結果の測定ができること。最後は目標達成のプロセスを最適化できることだ。
目標が明快になることは数値目標の最たるメリットと言える。
例えば、売上を増やすという目標と、売上を100万円増やすという目標があった場合、やるべき事がより明快になるのは後者の数字が入った目標である。
さらに、売上100万円増加という目標を達成する過程において、途中経過(成果結果)を随時測定できる点も数値目標の大きなメリットになる。
結果測定ができると、目標達成のための方法論の良し悪しを評価することができるので、数値目標が多岐にわたるほど、目標達成のプロセスを最適化し易くなる。
数値目標は単一的ではなく、複合的に設定すると、目標達成のための動きが洗練される。
例えば、売上100万円アップという単一的な数値目標ではなく、売上100万円アップ+利益と現金を20万円残すという数値目標を加えると、目標達成のプロセスと成果結果が大きく変わる。
具体的には、売上を増やすという意欲に加えて、適正利益を確保する意欲と現金回収の意欲も高まり、コスト意識と利益意識が強化される。当然ながら、こうした数値目標を活用するほど、事業活動の収益性と生産性は高まる。
複合的な数値目標は、目標達成後の理想像を明確にイメージすることで見えてくるので、数値目標を設定する際は、何よりも優先して目指すべきゴールをしっかり見定めることをお薦めする。
なお、事業活動を最適化するための数値目標は、金額ベースの他にも、営業件数、引合い件数、成約率、客数、購入単価、購入回数、サイトアクセス数、電話応対時間、製造能力、歩留まり率、クレーム件数等、沢山のアイデアがある。
また、粗利率、経費率、営業利益率、売上成長率、売上占有率、労働分配率、本部経費率などの経営指標を多角的に活用する方法もお薦めする。
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数値目標の危険なデメリットは一つである。
それは、行き過ぎた「数字至上主義」の定着である。
例えば、数字必達のためなら手段は構わない。数字でしか社員を評価しない。数字のためなら他者に犠牲を強いる、などの経営姿勢は典型例と言える。
数字至上主義のデメリットが色濃くなると、社員や顧客からの信用を失うリスクが極めて高くなるので、たとえ成功したとしても短命で終わり易い。
社員あっての数字、顧客あっての数字という原理原則を忘れず、社員と顧客に感謝し、社員と顧客に尽くす姿勢が、良い数字を作り出す。
この理を無視すると、数字に翻弄される行き当たりバッタリの会社経営に陥るので、くれぐれも注意してほしい。
数字はあくまで結果に過ぎない。数字が悪いという事は、社員と顧客への感謝、或いは、社員と顧客に尽くす姿勢が不足している表れでもある。