キャッシュフロー経営で利益を劇的改善|資金繰り改善の成功事例

キャッシュフロー経営で利益を劇的改善|キャッシュフロー重視の改善事例


会社のお金の流れのことを、キャッシュフローという。


キャッシュフロー重視の経営は、会社のお金の動きを可視化し、経営者に明快な損得基準を与えるので、会社の利益を押し上げる効果がある。


この記事では、キャッシュフロー経営で利益を劇的改善できる理由、並びに、資金繰り改善の成功事例について、詳しく解説する。



キャッシュフロー経営とは?


キャッシュフローを経営用語に変換すると、現金の流入と流出を意味する。


キャッシュフロー重視の経営とは、キャッシュフローのプラス、つまり現金のプラス(黒字)を常に意識する経営スタイルのことだ。


現金の流入より流出が少ないとキャッシュフローがプラスで黒字、現金の流入より流出が多いとキャッシュフローがマイナスで赤字となる。


会社はお金で始まりお金で終わる。つまり、会社のお金が底をつくと会社は倒産する。


お金の源泉は利益になるので、利益拡大を助けるキャッシュフロー重視の経営は、会社の永続性を高める優れた経営手法と言える。


当然、キャッシュフロー重視の経営を推進するほど、キャッシュフローのマイナスリスクは少なくなる。


なお、次に挙げる営業活動は何れもキャッシュフロー(Cash Flow:CF)のマイナスリスクが高いので、キャッシュフロー重視の経営を優先するのであれば避けた方が良い。


CFのマイナスリスク例

☑投資から1年経っても黒字化できない営業活動


☑売上金の回収前に、仕入れ代金を支払う


☑付加価値を追求しないで値引き販売に走る


☑赤字商品や赤字取引を容認する


☑利益率の低い商品を増やす、低価格路線に舵を切る


☑事業に関係のない土地・建物を購入する。本業に関係のない多角化に走る


キャッシュフロー重視の経営で利益改善


資金に余裕がある大企業は別として、


資金調達の手段に限りのある中小企業は、キャッシュフロー重視の経営が企業の盛衰を分かつ。


以下、キャッシュフロー軽視から重視に転換した企業事例を一つご紹介する。


わたしの経営指導先に、お金を使うのが大好きな経営者がいた。


お金に余裕ができると、備品や設備を購入したり、接待や社員旅行に行ったりと、何かしらにお金を投じてしまう。投じたお金がプラスのキャッシュフローを生み出し、会社の利益に貢献していれば問題ないが、どうも、さほどのキャッシュフローを生み出しているわけではない。


お金を使うのが好きなのと、お金を使うのが上手なのは、天と地ほどの違いがある。この経営者の頭の中には、キャッシュフロー重視の意識が欠けていた。


▶利益よりも、売上が好き


▶お金を使った後の収益は、あまり気にしない


▶遠い将来、収益を生み出せばオッケーという安易なところがある


経営指導に入って真っ先に改善指導したのは、お金の使い方だ。


「お金を使うのは良いことです。しかし、お金の使い方ひとつで会社は良くも悪くもなります。今後は、お金の使い方に気を付けて、キャッシュフロー重視の経営を心掛けましょう。」と。その後、キャッシュフロー重視の経営を実践することで、この会社の利益は劇的に改善された。


キャッシュフロー経営の劇的効果(実績)


前章のキャッシュフロー重視の企業事例の


会社の利益改善(CF改善)の実績を、主だった経営指標で以下に解説する。


売上総利益高営業利益率

売上総利益高営業利益率は、利益水準を示す経営指標で、10%以下は要改善水準、20%まで達すると超優良水準になる。キャッシュフローを重視しない経営者は、利益よりも売上の拡大に躍起になるケースが多いが、この経営者も例外ではなかった。キャッシュフロー重視の経営に移行し、経営者の意識を売上から利益にシフトすると、一気に収益性が改善し利益が増加した。


指導開始半年前:8.7%

指導開始半年後:28.6%


当座比率

当座比率は、支払余力の安全性を示す経営指標で、100%以下は要改善水準になる。キャッシュフロー重視の経営で利益が増えた結果、現金も増加し、更に、不要不急の負債を長期債務に振り分けることで、一気に安全性が改善した。1,000%超は、1年以内に支払うべきお金の10倍の資金を保有していることを示すので、銀行が喜んでお金を貸してくれる水準である。


指導開始半年前:99.5%

指導開始半年後:1084.6%


固定比率

固定比率は、投資効率を示した経営指標で、100%超は他人資本(銀行借入等)に頼っていることを意味する。キャッシュフロー重視の経営に移行した後は、利益増加が自己資本を押し上げ、尚且つ、投資効率の悪い設備投資を控えた結果、一気に数字が改善した。


指導開始半年前:268.0%

指導開始半年後:96.6%


自己資本比率

自己資本比率は、会社の総資本に占める自己資本の割合を示す経営指標で、自己資本が多いほど会社の倒産リスクが小さくなる。キャッシュフロー重視の経営に移行する前は、会社の利益水準が低く、更に効率の悪い投資を推し進めていた為に危険水準に陥っていた。キャッシュフロー重視の経営に移行した後は、会社の利益水準が上がると共に、効率の良い投資を推し進めるようになったので、一気に危険水準を脱することができた。


指導開始半年前:9.9%

指導開始半年後:24.2%


伊藤のワンポイント
 

キャッシュフローがマイナスになることで衰退する企業は実に多いです。(ある年の倒産企業の半数が黒字倒産というデータもあります)。ですから、キャッシュフロー重視は安定経営の正攻法です。成長投資が利益を生み出しているか、或いは、生み出した利益が在庫や売掛金に消えてていないか等、キャッシュの流れを絶えず注視しましょう。


(この記事は2016年6月に執筆掲載しました)