足るを知る経営が富を生む理由|経営者が誤解しがちな知足の本質

足るを知る生き方が富を大きくする


足るを知る生き方が富を大きくする、という言い伝えがある。


しかし、経済は欲の塊であり、欲の不足を満たすことで経済は繁栄している。足るを知る生き方が、なぜ富を大きくするのか?


この記事では、足るを知る経営が富を生む理由、並びに、経営者が誤解しがちな知足の本質について、詳しく解説する。



足るを知るとは


足るを知る、という言葉がある。


今から2,500年位前に実在したと云われる中国の思想家「老子」の知足者富が語源になっている言葉で、足るを知る者は富む、という意味である。


身分相応に満足することを知って、あれこれ求めない心持ちで過ごす、といった意味で理解している方も多いと思う。


知足=質素・倹約とでも言おうか...、


何となく”わびさび”の世界観ともいえる。


確かに、質素に倹約すれば富は増えるかも知れないが、この言葉の本当の意味は少しニュアンスが違う。もっと、もっと、はるかに前向きな意味が込められている。


足るを知る本当の意味


足るを知るとは、もうすでに足りていること、


つまり、何ら不足なく、満ち足りていることを理解するということだ。


今この瞬間、身の回りにあるヒト、モノ、カネ、情報、環境など等、すべてが不足なく満ち足りていて、その全てに満足し、感謝すれば、自ずと道が拓け、心が更に豊かになるということである。


例えば、沢山の苦労があったとしても、その苦労を乗り越えることができれば、一段と成長できる。手持ちのお金がどんどん減っていたとしても、お金を増やすために真剣に働けば、一段とお金持ちになれる。


つまり、苦労があろうが、お金が無かろうが、それがマイナスの要素だとしても、更に飛躍するためのステージ(あるいは成功の起因)だと思えば、それは本人にとっては満ち足りた状況であり、その状況を受入れることで、前にも増して大きな富が獲得できるということだ。


しかも、満ち足りた状況は、ひとりとして同じものはなく、あなただけの、かけがえのないものになる。


従って、自分以外の誰をうらやんだり、他人のものを欲しがったりするのではなく、すでに満ち足りている自己を知り、その状況を受入れ、周囲に感謝することが、大きな富を獲得する確かな方法であり、足るを知る姿勢の本質になるのだ。


足るを知る生き方が富を生み出す


今を満足できる人は富み、今を満足できない人は貧する。


苦労や困難を受入れて、その環境に感謝すれば自ずと富はやってくる。とにかく、富みが得たければ、足るを知ることだ。


足るを知れば、今必要なことが起きていることに気が付くことができる。そして、その瞬間に、良いことも悪いことも、すべてが成長の肥やしになる。


わたしは、しんどい時や諦めかけたときほど、この言葉を胸に、今に満足し、今すべきことに全力を注いでいる。


(この記事は2020年9月に執筆掲載しました)


執筆者・監修者プロフィール

ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」