
経営者が経営判断を誤らないためには、
経営判断に然るべき根拠を与えることが重要になる。
根拠のない経営判断は、行き当たりバッタリの会社経営を助長し、会社の衰退リスクを高めるからだ。
経営判断に根拠を与えるには、会社の数字が不可欠になる。経営活動には必ず会社の数字がついて回り、経営活動の良し悪しは必ず数字に表れるからだ。
会社の数字を経営判断の根拠に活用しなければ、まともな経営判断など出来るものではない。
なお、会社の数字には、良い数字と悪い数字がある。
良い数字とは収益が出る黒字収支のこと、悪い数字は損失が出る赤字収支のことだが、すべての経営判断に、会社の数字を元にした根拠があれば、経営判断を誤るリスクはグッと低くなる。
例えば、Aの行動が黒字収支と根拠付けられていて、Bの行動が赤字収支と根拠付けられていれば、経営者はどのような経営判断を下すだろうか?
恐らく、収益を生み出すAの行動を推進し、損失を生み出すBの行動は即刻改善するだろう。
このように、会社の数字は、誤った経営判断を未然に防ぐ正しい根拠になり得る。
経営判断の根拠が多いほど、判断を誤るリスクが低下する。そして、経営判断の根拠を重厚にするには緻密な損益分析が欠かせない。
財務諸表の分析に加えて、商品毎の収支分析、取引先毎の売上分析、商品在庫の分析、生産性分析など等、緻密な損益分析が経営判断の正しい根拠を生み出すのだ。

根拠のない経営判断ほど怖いものはない。
たとえ会社経営の経験が豊富で、勘が鋭い百戦錬磨の社長であっても、根拠のない経営判断ばかりを繰り返せば、必ず過ちを犯す。
会社の数字を重要視しない経営者は意外と多いが、資本力に乏しい中小企業ほど、たった一つの経営判断の誤りが、倒産の危機を招くことがある。
また、根拠のない経営判断は会社の衰退リスクを高めるだけでなく、社員の反発も招きやすい。万が一、経営者の経営判断に猜疑心をもつ社員が現れると、組織の不協和音は簡単に蔓延する。
組織力が低下すると業績も低下するので、根拠のない経営判断は会社経営の至るところに弊害を及ぼすのだ。
ちなみに、数字を重要視しない経営者の特徴として挙げられるのは「数字に弱い」ことだ。
事実、過去に再建調査に入った全ての中小企業経営者は数字に弱かった。
経営者が数字の弱さを放置し、根拠のない経営判断を続けると、何れ会社の経営は行き詰る。
会社の未来は、社長の経営判断の連続で形作られるので、経営判断の精度を高める努力は社長の使命と言っても過言ではない。
数字に強くなることは決して難しいことではない。コツとポイントさえ押さえれば誰でも数字に強くなれる。また、数字に強い参謀役を抱えて自身の弱みをカバーする手もある。
経営判断を誤らない為には然るべき根拠を持つことが大切で、その代表格が会社の数字です。事業活動の良し悪しは会社の数字に表れるので、数字をベースとした根拠付けは判断の精度と共に、判断の検証精度も高めます。根拠の厚みが増すほど経営判断を誤るリスクが低下するので、まずは会社の数字の理解を深めてみましょう。
(この記事は2016年6月に執筆掲載しました)