成長しない会社の低迷原因はひとつに絞られる。
中小企業において、業績の低迷に伴う企業成長の鈍化原因は、経営力の低下である。
この記事では、成長しない会社の低迷原因、並びに、企業成長の仕組みについて、詳しく解説する。
成長しない会社の低迷原因は、企業成長の仕組みを理解すると見えてくる。
企業成長の仕組みは簡単で、企業成長の成果(規模拡大・成長速度等)は「経営力×商品力」の掛け合わせで大きくなる。
経営力とは、企業成長をけん引する、経営マネジメント力、マーケティング力、戦略策定力、事業構想力など等、経営全般を支える能力のことである。
商品力とは、企業成長をけん引する、商品やビジネスモデルの強み、商品の独自性や希少性、或いは、付加価値など等、顧客に訴求できる商品の魅力のことである。
この経営力と商品力が盤石であれば会社は自然と成長し、経営力と商品力のどちらか一方でも低下すると、会社の成長が低迷し、次第に、成長しない会社に陥ってしまう。
企業成長は経営力×商品力の掛け合わせで決まり、どちらか一方でも低下すると、その瞬間に会社の成長に陰りがでる。
重要なのは、成長しない会社の殆どは、商品力の低下によって衰退するのではなく、経営力の低下によって衰退が決定付けられることである。
なぜなら、商品力を上げるための戦略展開やマーケティング力など等は経営力の範疇に入るからだ。
更に、中小企業において経営力と商品力を上げられる人間は、経営者をおいて他にはいないので、突き詰めると経営者の能力が経営力を決定し、強いては、会社の盛衰を決定付けるということになる。
よく経営者の能力以上に会社は大きくならないと云うが、全くその通りで、企業成長は、間違いなく経営者の能力で決まる。
つまり、景気悪化やライバルの台頭など、外部環境の悪化により商品が売れなくなることで会社の成長が低迷するのではなく、経営者の能力の低下が、会社が成長しない根本原因になるということだ…。
企業成長は経営者の能力と共に経営力を高めることで、自然と達成される。
中小企業においては、商品力が優れているにも関わらず、経営力が低いために業績が伸び悩んでいる会社が少なくないが、そうした会社であっても経営力さえ高めれば簡単に成長軌道に乗せることができる。
例えば、下のグラフは私が経営サポートした中小企業の指導開始1年前の主な経営指標のギャップを示したグラフになる。
ご覧の通り、すべての指標が目標(適正ライン)に達していないことが分かると思う。
この会社は、商品力が優れており、その証拠に、過去数年にわたって売上はプラス成長を維持していた。しかし、利益と現金が一向に増えず、成長投資や未来志向のある会社経営が実践できていなかった。
下のグラフは、経営サポート開始から1年後の主な経営指標のギャップを示したグラフになる。
ご覧の通り、わずか一年で利益水準が高まり、成長投資の原資に余裕ができたことが分かると思う。
商品力が優れているにも関わらず成長しない会社は、会社の経営力さえ高めれば飛躍的に成長させることができる。
会社の経営力と商品力の研鑽は経営者の重要な仕事になるが、この仕事さえ手を抜かなければ、会社は自然と成長する。