財務諸表の読み方|初心者でも簡単に分かる財務会計の見方

財務諸表の読み方|初心者でも簡単に分かる財務の見方

 

財務諸表とは、会社の経営成績が記録された会計資料のことである。

 

財務諸表は会社経営の判断基準データとして、あるいは、金融機関等との交渉データとして幅広く活用できる。

 

この記事では、初心者でも分かる財務諸表の読み方・見方について、詳しく解説する。

 

 

財務諸表の読み方

 

財務諸表の読み方について、詳しく解説する。

 

財務諸表は会社経営の精度を左右する重要なデータになるので、財務諸表を読み込むスキルは、経営者の必須スキルといって過言ではない。

 

わたし自身、財務諸表のデータを重要な判断基準の一つとして大いに活用しているし、財務諸表を読み込み、有効に活用している企業ほど業績好調を維持している。

 

財務諸表に苦手意識を持っている経営者やビジネスパーソンは少なくないが、難しく考える必要はなく、財務諸表の読み方はいたってシンプルである。

 

例えば、車の運転はスピードメーターとガソリンメーターの2つの数字だけを見ていれば、老若男女問わず、誰でも上手に運転できるが、会社経営も一緒である。見るべき数字を絞り、その数字だけを読み込むだけで上手に運営できる。

 

しかも、財務諸表は、資産状況が分かる貸借対照表と損益状況が分かる損益計算書の二つしかない。この二つの財務諸表に記載されている数字は膨大だが、見るべき数字は2~3つ程度に絞り込むことができる。

 

つまり、わずか2~3つの重要な数字の読み方さえ分かれば、初心者であっても財務諸表を読み解くことができ、そのスキルをベースに会社経営を上手に運営することが出来るのだ。

 

 

貸借対照表の読み方

 

資産状況が分かる財務諸表「貸借対照表の読み方」について、詳しく解説する。

 

貸借対照表は、一定時点の会社の財産状況(資産・負債・資本等)が分かる財務諸表で、会社経営の観点で最も重要な財務諸表になる。

 

貸借対照表が読めないと、資金繰り悪化、借金過多、投資判断ミスなど等の失敗リスクが噴出し、高確率で会社経営に失敗する。逆に、貸借対照表さえ読めれば、会社経営の失敗リスクは著しく低下する。

 

貸借対照表は借方と貸方に分かれていて、例えば、資本金1,000万円で会社を創業した場合は、借方(現金1,000万円)|貸方(資本金1,000万円)」というように、必ず左右のバランスが取れる仕組みになっている。

 

貸借対照表のことをバランスシート(Balance/sheet)、略してB/S(ビーエス)と云う所以はココにある。

 

貸借対照表の読むべき数字は「現金・純資産・負債」の3つに絞り込める。

 

会社は現金が無くなった瞬間に破綻するので現金は最も重要で沢山あるほど良い。純資産は利益の累積なので多いほど良い。負債は、簡単に言えば他人からの借金なので少ないほど良い。

 

つまり、現預金と純資産は増加傾向、かつ、負債は減少傾向が業績好調、逆の傾向は業績不調と考えて貸借対照表を毎月読み込むと、会社経営に役立つ読み方が簡単に習得できる。また、読み込むほど、数字の探求心が旺盛になるので、継続するほど読み込むスキルが高まる。

 

ちなみに、純資産が資本金よりも少ない場合は「資本欠損」となり、純資産がマイナスの場合は「債務超過」となり経営破たん懸念状態となる。何れも、経営改革のギアを数段上げなければならない状態を示唆しているので、財務諸表からこうしたサインを読み取るスキルも重要になる。

 

 

損益計算書の読み方

 

損益状況が分かる財務諸表「損益計算書の読み方」について、詳しく解説する。

 

損益計算書は、一定期間の会社の損益状況(売上・コスト・利益等)が分かる財務諸表で、会社経営の観点で重要な財務諸表になる。

 

損益計算書は簡単に言えば会社の儲かり具合の成績表のようなもので、収入(売上)からコスト(原価と販売管理費)を引くことで利益が計算される。利益がプラスであれば黒字経営、利益がマイナスであれば赤字経営になる。

 

損益計算書の読むべき数字は「売上・営業利益」の2つに絞られる。

 

売上と営業利益、共に増加傾向が業績好調、逆の傾向は業績不調と考えて、損益計算書を毎月読み込むと、会社経営に役立つ読み方が簡単に習得できる。

 

また、単月の数字だけでなく、年計の数字の推移を必ず読み込むようにすると、損益状況の理解が更に深まる。会社は1年単位という期間でしか評価されないので、年計の損益把握は損益計算書を読み込む最重要スキルといって過言ではない。

 

財務諸表の読み方は難しくない。読み込むポイントを絞って、読み続けるだけで簡単に習得できる。また、財務諸表の参考書や問題集を読んでもあまり意味はなく、自分の会社の財務諸表を読むことが最も早く財務諸表の読み方を習得するコツになる。