モノは、事業収益の源泉となる商品(有形無形は問わない)と、
商品を生み出すための道具(土地、建物、工場、設備、機械、知財、特許、デジタル環境等)に分かれ、何れも事業活動を支える重要な経営資源になる。
モノ(商品と道具)の最適化(モノのマネジメントの最適化)は、古いモノを新しくすることで得られる。
さらに、古いモノを刷新し続けると、お客様の心を掴む強みが磨かれて未来が盤石になる。
例えば、
商品を通して新しい常識を社会に提供する。
前例がない商品やサービスを生み出す。豊かな発想を持ち、会社の隠れた魅力を存分に引き出す。
最先端の人財・情報・設備・技術・ノウハウ等を積極的に取り込む。収益のピークをキープするために設備を更新する。
作業導線やアクセス環境を改善して生産性を高めるなど、日々新たに、古いモノを刷新する努力は、未来を切り拓く原動力になる。
また、今後ますます、AI化、自動化、遠隔化、デジタル化、ロボット化が進むので、ヒトの仕事をモノに置き換える、あるいは、ヒトとモノ、モノとモノの連携を増やして、あらゆる事業分野の古い仕組みを新しくする取り組みも必要だ。
モノが活躍する場が増えるほど、人手不足と人財不足が軽減されるので、すべての業種において、大きな効果が得られる。
モノのマネジメントの基本について、解説する。
モノの最適化(モノのマネジメント)で重要なことは、商品は独自性を、道具は生産性を追求することだ。
事業の永続性は、商品の独自性から生まれる。商品づくりは、先行して成功している他者の商品を複製(真似)することが有効だが、独自性が無ければ、同質化を早めるだけで、長期的な売上の確保には繋がらない。
むしろ、競争が激化し、衰退リスクが高まる。他者の真似をする時は、なるべく早い段階で自社の経営環境に適したアレンジを加え、独自性を追求し、他社との同質化を遅らせる努力が欠かせない。
道具の生産性は、すべてのモノを一から自社で用意するのではなく、委託・特約・分業・賃貸・リース等を活用することで改善できる。外部資源の強みを上手に取り込むことで、商品を生み出す道具の生産性を効果的に高めることができる。
モノを持たざる経営のメリットは、初期投資・維持費用・設備更新コスト等を低く抑えながら、事業の付加価値を高める開発と販売に集中できることだ。
この先、あらゆる技術ノウハウのオープン化とビジネスマッチングの利便性向上が進むので、コア部分以外に関しては、外部資源を活用するスタイルの方が事業の創造性と永続性は高まるだろう。
モノのマネジメントの重要ポイントについて、解説する。
モノの最適化の過程で外部資源を活用する際は、提携先と課題を共有することが大切だ。
提携先に犠牲を強いる関係性は早晩に破綻する。提携先と共に課題を共有し、共に繁栄する経営姿勢が、飛躍のチャンスとイノベーションをたくさん増やすのだ。
厳しい市場競争の中で商品の独自性を追求することが難しくなることが出てくるかも知れないが、商品の独自性は、ヒトの力で高める方法もある。
例えば、人間味あふれる接客、オーダーメイドの接客、機動力を活かした顧客接点の拡大、定形文ではなく自分の言葉で伝えるなど、ヒトの手間と手仕事を加える工夫ひとつで独自性を高めることができる。
また、世界初・世界最速・世界最軽量等の優位的価値、一点モノ・一生モノ・限定品、あるいは、創業ヒストリーやオンリーワンエピソード等の心に響く価値、
古いモノ(商品と道具)を逆手にとった世界最古・伝統文化・伝統製法・骨董的美術品・レトロやヴィンテージ、歴史的建造物等の古き良きキーワードをお客様に伝えることで商品の独自性を高める方法もある。
この先、国内市場は縮小の一途を辿る。
国際市場に活路を見出すためには、古いモノを新しくする、あるいは、商品の独自性と道具の生産性を追求して、モノの最適化を推し進める必要がある。
小さな会社であっても、海外売上比率(外国人比率)を高めることが、生き抜く上での必須条件になる。国内外で通用するモノの価値を試行錯誤と創意工夫で磨くことが、企業の存続を大きく左右する要素になるのだ。
サクラダ・ファミリア等の独創的な建築を数多く生み出したアントニ・ガウディは「人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する」と言った。
古いモノを新しくする過程で最も重要なことは、謙虚な姿勢で新しい発見を積み重ねることだ。新しい発見は独創性の源泉となり、事業耐性を強化するモノの最適化を後押しする。
さらに、「あなたの会社から買いたい」といったオンリーワン要素が色濃くなるので、自分のペースとセンスでモノの価値を高めながら、楽しく豊かな心持ちで事業展開できるようになる。
楽しさと豊かさは未来の悲壮感を払しょくする強力な武器になる。モノの最適化は、世界の人々を魅了する価値を生み出し、巡り巡って会社の未来を明るくするのだ。
ぜひとも、今ある古いモノを新しいモノに刷新・最適化して、事業活動の成果を一段と拡大してほしい。
もし、やり方に迷ったり、悩んだりすることがあれば、いつでもご相談に来てほしい。懇切丁寧にアドバイスすることをお約束する。
次ページでは、事業活動を支える七大資源「ヒト・モノ・カネ・情報・コスト・モラル・テクノロジー」のうち、「カネの最適化」について、詳しく解説する。
次ページ⇒7大資源「カネ」を最適化する
(この記事は2023年9月に執筆掲載しました)
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」
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