中小企業の経営診断/異常値の見つけ方|異常値は衰退リスクそのものである

中小企業の経営診断/異常値の見つけ方

 

経営診断の目的は、会社経営の異常を見つけるところにある。

 

当然ながら、経営診断で会社経営の異常を見逃すと、会社の衰退リスクが高まる。(経営診断で明らかになった異常を見過ごした場合も同様だ)

 

この記事では、中小企業の経営診断の肝になる異常値の見つけ方について、詳しく解説する。

 

 

経営診断は数字力で決まる

 

経営診断の目的は、会社経営の異常を見つけるところにある。

 

そして、経営診断結果から異常を的確に見つけ出すには、数字力が欠かせない。

 

例えば、経営診断の異常はすべて数字に表れるが、数字を読み解く能力に劣っていると、正常/異常の判定を見誤る。

 

人間には感情があるので、身体の異常を自分で感知し、更には、その異常を声に出して第三者に伝えることができるが、会社には、それができない。

 

経営診断で明らかになった会社の異常値は、誰かが正しく感知しなければ、一生、表面化することはないので、経営診断の運用効果は、数字力で決まるといっても過言ではない。

 

 

経営診断の異常は「数字」に表れる

 

中小企業において、経営診断の異常値を感知する役割りは経営者になる。

 

当然ながら、経営診断の異常値を経営者が見過ごすと、会社の業績は悪化する。

 

経営診断の異常値を的確に感知するには数字力が必須スキルになり、例えば、利益減少や現金減少といった衰退リスクを見逃すと、会社は危険な経営状況に陥る。

 

経営者の数字力次第で異常値を見逃す結果を招き、場合によっては会社の破たんリスクを高めることもあり得る。つまり、経営者の数字力によって、会社経営の破たんリスクが大きく変わるのだ。

 

中小企業は、経営者が数字に強くなるほど、会社経営の破たんリスクが低くなるので、外国語等の語学能力よりも優先して、数字力を磨くことをおススメする。

 

 

経営診断は継続性が重要

 

経営診断の異常値を的確に感知するには、継続的な経営診断が欠かせない。

 

なぜなら、経営診断を継続的に行わないと、正常/異常の判定精度が低下するからだ。

 

経営診断の継続性なくして会社経営の異常を的確に見つけることは不可能といっても過言ではなく、経営診断の継続が長期にわたるほど会社経営の正常/異常の判定精度が高まり、会社経営が安定する。

 

また、財務諸表のデータだけでなく、その他の経営データ(顧客毎の収益・動向等)など、拾えるデータをすべて活用した経営診断を実施することも大切だ。

 

例えば、顧客毎の売上推移や来店推移は、会社全体の売上に連動していて、売掛金や在庫金額の推移は、現金残高(資金繰り)に連動している。

 

会社経営に関連する診断範囲が広がるほど会社経営の正常/異常の判定精度が上がり、会社の衰退リスクが一段と低下する。