予算の立て方と管理方法を徹底解説

中小企業の経営者を支える経営ノウハウ情報局

中小企業に適した予算の作成方法

 

会社の予算は、経営管理の根幹を司る重要なツールである。

 

例えば、中小企業の事業活動は、経営計画(Plan)、行動(Do)、実績検証(Check)、計画改善立案(Action)のPDCAサイクルで回っているが、PDCAサイクルの中の経営計画(Plan)、並びに、実績検証(Check)の比較基準になるデータは、会社の予算になる。

 

つまり、会社の予算は、事業活動(PDCAサイクル)の重要なキーでもあるのだ。

 

当然ながら、会社の予算がないと事業活動(PDCAサイクル)が十分に機能せず、会社の成長が鈍化、或いは、衰退するリスクが高まってしまう。

 

会社の予算が、経営管理の根幹を司っていると云われる所以は、ここにあるのだ。

 

会社の予算は立て方や管理方法を誤ると、会社衰退のきっかけを作る場合がある。

 

例えば、中小企業の一般的な予算の立て方は、現場の営業担当者、経営幹部等、各階層の目標数値を積算して予算を作成する方法が多いと思う。

 

このような目標数値を積算した予算には期待値が多く含まれているので、実際に運用を開始すると実績とのかい離が大きくなり、使い物にならないことが往々にしてある。

 

売上が未達でも、経費だけは予算通り消化されてしまい、結果として営業利益が計画を大幅に下回るといった事態も珍しくない。

 

このように、会社の予算は、立て方や管理方法ひとつで会社経営の足を引っ張ることが起こり得る。

 

 

中小企業に適した予算の立て方と管理方法

 

実効性に乏しい予算は、会社経営に様々な弊害をもたらし、成長発展に少しも貢献することはない。

 

予算作成の手間が無駄になるし、損益管理も困難になる。場合によっては予算管理者(社長)と現場の対立も招きかねない。

 

やはり、中小企業に適した予算の立て方と管理方法を抑えたうえで予算運用しないと、予算の効果は十分に発揮されない。

 

中小企業に適した実行性の高い予算作りは、4つのパーツに分けて予算を立てる方法がお薦めである。

 

4つのパーツとは、「ベース予算」、「売上成長率」、「加算要因」、「減算要因」である。

 

それぞれの概要と、予算の立て方は以下の通りである。

 

 

ベース予算

 

予算を作成するには、土台となるベース値が必要である。いわゆるベース予算である。

 

ベース予算には前年実績を採用するのが良い。前年実績は、動かし難い事実の羅列なのでベース予算に最も適している。このベース予算に、様々な要因を積み重ねて最終予算を仕上げいく。

 

 

売上成長率

 

直近の売上成長率を採用して、ベース予算の売上、売上原価(売上増減に対応する原価のみ)、販売管理費(売上増減に対応する変動費のみ)を調整する。

 

売上成長率は、(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高〕×100で求めることができる。

 

例えば、売上成長率が3%であれば、ベース予算の売上×1.03分の売上を加算し、売上増加に対応している売上原価と販売管理費の変動費のみを同様に加算する。

 

 

加算要因

 

新年度の加算要因を洗い出して、ベース予算に加算していく。

 

新規取引先の開拓、新商品の投入等々、新年度の売上を増加させる加算要因の収支を算定して、ベース予算に加算する。

 

加算要因の収支は確度評価(確率分析)を必ず行う。確度評価に基づいた加算収支を採用すると、期待値が除外されて、より実効性の高い予算に仕上がる。

 

 

減算要因

 

新年度の減算要因を洗い出して、ベース予算に減算していく。

 

既存取引先の消滅、既存商品の終売、製造コストの上昇等々、新年度の売上等を減少させる減算要因の収支を算定して、ベース予算に減算する。

 

減算要因の収支も、加算要因と同じように確度評価(確率分析)を必ず行う。確度評価に基づいた減算収支を採用すると、期待値が除外されて、より実効性の高い予算に仕上がる。

 

 

中小企業に適した予算の運用効果とは?

 

ベース予算 → 売上成長率 → 加算要因 → 減算要因と、4つの調整を経て立てられた予算には、期待値が殆ど含まれていない。

 

従って、実績とのかい離も小さく済み、中小企業に適した、運用しやすい予算管理が実現できる。

 

なお、期待値を高く見積もる予算を積極的予算といい、期待値を低く見積もる予算を消極的予算というが、中小企業の予算作りは、売上は消極的予算で作成し、売上原価と販売管理費は積極的予算で作成した方が利益の管理がしやすくなる。

 

また、会社の予算は、事業活動を支えるPDCAサイクルの中の、経営計画(Plan)、並びに、実績検証(Check)の比較基準データに該当し、期中で修正された予算は、補正予算として、計画改善立案(Action)を補完する根拠データになる。

 

予算管理は会社経営の基本である。決して疎かに管理してはいけない。

 

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