組織崩壊のプロセス|内部崩壊が招く会社衰退の原理

組織崩壊のプロセス|内部崩壊が招く会社衰退の原理

 

組織崩壊とは、組織本来のパフォーマンスが低下することだ。

 

会社経営において、組織が崩壊すると業績が悪化し、簡単に倒産の危機に瀕する。

 

この記事では、組織崩壊のプロセスから内部崩壊が招く会社衰退の原理に至るまで、詳しく解説する。

 

 

組織崩壊とは

 

組織崩壊とは、組織本来のパフォーマンスが低下することだ。

 

事業は人なりの言葉通り、人の集合体である組織が崩壊すると、事業活動の様々な領域に障害が表れ、円滑な経営活動が出来なくなる。

 

組織崩壊が深刻化すると、経営者が多大なストレスを抱えるだけでなく、働く社員、とりわけ、やる気のある社員にも悪影響を及ぼし、加速度的に組織が崩壊する。

 

組織崩壊が末期状態になると、顧客に尽くす真っ当な仕事が不完全燃焼に陥るため、業績悪化と共に、徐々に倒産の危機が近づく。

 

 

組織崩壊の前兆

 

組織崩壊の前兆は様々な部分に表れる。

 

とりわけ、会社の業績、会社の雰囲気、社員の質の3つの領域には、組織崩壊の前兆が如実に表れる。それぞれの領域で表れる組織崩壊の前兆について詳しく解説する。

 

会社の業績

組織崩壊の前兆は会社の業績に表れる。最も注視すべき前兆は業績の伸びが鈍化した瞬間になる。組織全体が顧客のために尽くす仕事が全うできていれば業績が鈍化することはない。逆に、外向きの顧客志向が低下し、内向きの組織内への不平不満等が溜まると、組織の崩壊が進行し業績が悪化する。

 

会社の雰囲気

組織崩壊の前兆は会社の雰囲気に表れる。例えば、顧客や取引先に対する応対が雑、暗い、遅い、高圧的、覇気がない等々の兆し、或いは、職場が暗い、汚い、声掛けが少ない等々の兆しは、典型的な組織崩壊の前兆といえる。こうした雰囲気の悪化を小さな段階で捉えることが組織を崩壊させない秘訣になる。

 

社員の質

組織崩壊の前兆は社員の質に表れる。例えば、社長や上司に反発する問題社員(社長の反対分子)、イエスマンや保身に走る無責任社員、モチベーションの低い社員などの存在は組織崩壊の前兆といえる。こうした社員を見つけたら放置せずに、すぐに教育なり指導することが組織を崩壊させない秘訣になる。

 

 

組織崩壊の原因

 

組織崩壊の原因はさまざまあるが、その殆ど社長の言動に起因している。

 

ここでは組織崩壊の原因になり得る最もよくある5つの失敗パターンを紹介する。それぞれの組織崩壊の原因について、詳しく解説する。

 

経営力の低下

経営力の低下は組織崩壊の原因になる。なぜなら、経営力の低下は業績悪化を招くからだ。業績と組織力は比例関係にあり、業績が悪化すると、決まって組織力も低下する(逆もまた然り)。

 

責任感の欠如

責任感の欠如は組織崩壊の原因になり得る。なぜなら、経営者が無責任な言動に終始していると、それが組織(一人ひとりの社員)に伝播し、組織全体が無責任集団になるからだ。そして、働く喜びや挑戦の意欲など、業績を押し上げる要因がことごとく低下する。

 

ワンマン経営の失敗

ワンマン経営の失敗は組織崩壊の原因になり得る。組織崩壊に繋がるイエスマンの増殖、モチベーションの低下、ナンバーツー不在等は、ワンマン経営失敗の典型になる。

 

リーダーシップの欠如

リーダーシップの欠如は組織崩壊の原因になり得る。なぜなら、経営者が先頭に立って、強い信念、理念、哲学、熱意、度量等を持ってリーダーシップを発揮しなければ、組織力が高まらないからだ。リーダーとしての立ち振る舞いを間違えると、あっという間に組織が崩壊するので、くれぐれも注意してほしい。

 

コミュニケーションの不足

コミュニケーション不足は組織崩壊の原因になり得る。なぜなら、社員が離職する最大の理由は社長や上司との関係悪化だからだ。社員に感謝し、折にふれ社員を労うコミュニケーションなくして、組織力の向上はない。社長のコミュニケーションが不足すると、あっという間に組織が崩壊するので、くれぐれも注意してほしい。

 

 

組織崩壊のプロセス

 

組織崩壊は、根本原因となり得る組織崩壊の前兆を見逃した瞬間に始まる。

 

そして、組織崩壊の前兆(原因)を放置するほど、組織の崩壊が進行し、末期状態になると、最早、業績回復の見通しが立たなくなるほど会社経営が壊滅的になる。

 

組織崩壊が始まると会社の雰囲気や社員の質が悪くなり、責任のなすり合い、不平不満の爆発、愚痴や足の引っ張り合い等々、会社組織本来の目的である顧客に尽くす仕事が全く手に付かなくなる。

 

こうなると、組織崩壊が加速度的に進行し、業績悪化と共に倒産の危機に近づいていく。組織崩壊を未然に防ぐには、最初のプロセスである組織崩壊の前兆をいち早く捉えて、対処することが最善の策になる。

 

 

内部崩壊が招く会社衰退の原理

 

内部崩壊が招く会社衰退の原理は簡単だ。

 

内部崩壊が進行すると、顧客志向や顧客意識が低下するので、顧客に尽くす仕事の精度が著しく低下する。

 

商品やサービスの購入選択権は常に顧客が握っているので、顧客に対する仕事の精度が低下すると次第に顧客からの信頼を失い、商品等が売れなくなる。次第に、売上低迷や業績悪化を招き、会社の衰退が更に加速する。

 

内部崩壊が招く会社衰退の原理は概ねこのようなもので、事実、業績好調な会社ほど組織力が高く、業績不調な会社ほど組織力が低く、内部崩壊が深刻化している。