会社の利益を上げる5つの方法|すぐに実践できる中小企業の利益拡大策

会社の利益を上げる3つの方法

 

企業は利益を生み出すことによって生存が保証される。

 

当然ながら、利益がゼロ、あるいは、利益がマイナスであれば発展性のない会社経営に陥り、何れ衰退する。

 

この記事では、利益を上げる前に理解すべき注意点、並びに、すぐに実践できる中小企業の利益を上げる5つの方法について詳しく解説する。

 

 

なぜ、利益が重要なのか?

 

なぜ、利益を上げることが重要なのか。

 

それは、会社の利益は、会社のお金(現預金)の唯一の供給源になるからだ。

 

会社はお金が無くなった瞬間に経営破たんするので、お金を生み出す利益は、企業の存続を保障する唯一無二の要素といっても過言ではない。

 

また、利益を上げることで現預金が増加すると、自然と成長投資も加速するので、繁栄の基礎が盤石になる。

 

つまり、利益を生み出し続けている限りは、会社の経営が破たんすることはない、とも言えるのだ。

 

とは言っても、利益はただ単に上げれば良いというものではない。利益は、顧客が同意する範囲でしか上げることができず、顧客の同意なしの利益増加策は危険極まりない。

 

恒常的に利益を上げ続けるには、利益を上げる際の注意点、利益を上げるための目標指標、中小企業に適した利益を上げる方法論等を深く理解する必要があるのだ。

 

 

利益を上げる際の注意点

 

会社の利益を上げる方法は沢山あるが、利益を上げる前に理解すべき注意点が二つある。

 

ひとつは「見るべき利益を理解すること」、もう一つは「目標の利益水準を理解すること」だ。

 

衰退する会社の経営者は往々にして見るべき利益を理解していない、或いは、然るべき目標利益水準を理解していないことが多い。

 

見るべき利益や目標利益水準を見失うと、利益を上げるための行動が行き当たりバッタリになり、すべての行動がムダな努力に終わることもある。

 

会社経営において、努力すれば報われる、という事はあり得ない。然るべき目的に向かって、正しく努力しない限り努力が報われることはなく、これは、利益を上げる方法も例外ではない。

 

利益を上げる前に、見るべき利益と目標利益水準を最低限理解しなければ、すべてが無駄な努力に終わってしまうのだ。

 

 

利益を上げるための目標指標

 

会社の利益を上げるために外せない目標指標は、本業の儲けを示す「営業利益になる。

 

そして、営業利益の目標水準は「売上総利益高営業利益率20%が優良ラインになる。【売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益)×100】

 

売上拡大と共に営業利益が目標水準に達していれば、成長投資のサイクルが良好に回り始めるので、よほどのことがない限り、会社が衰退することはない。

 

逆に、売上が拡大傾向にあっても、営業利益が目標水準以下、或いは、マイナス(赤字経営)に転じると、あっという間に会社が衰退する。

 

会社の利益を上げることは容易ではないが、然るべき利益目標に向かって利益を上げる取り組みを実践すると、比較的容易に利益を上げることができる。

 

ここからは、すぐに実践できる「中小企業の利益を上げる5つの方法」を順を追って詳しく解説する。

 

 

中間マージンを排除して利益を上げる

 

最終ユーザが個人や家庭で消費される消費財的な商品を扱っている中小企業の場合は、徹底して中間マージンを排除する取り組みを推進すると、利益を上げることができる。

 

例えば、卸売りや小売りに頼った商流しか保有していない中小企業(生産者・メーカー等)の場合、直接、消費者に販売できる消費財を独自開発し、自前の販売ルートで売上を作ると大きな利益を獲得することができる。

 

自前で小売販売する手間やアイテム数の少なさといったデメリットはあるものの、卸売りと小売りに支払う中間マージンが無くなるので、手元に残る利益は大きくなるケースが多い。

 

また、生産者(メーカー)と末端消費者の絆が育つと、さまざまな手段で生産者の想いを直接届けることができるので、会社のオンリーワン要素を強くすることができる。

 

なお、中間マージンの排除は製造業に限らず、あらゆる業態で可能である。

 

小売業であれば卸売りを飛ばして直接生産者から仕入れる、卸売業であれば小売りを飛ばして直接自前で販売する、飲食業であれば加工業者を飛ばして直接生産者から仕入れる、など等、工夫次第でいかようにも取り組むことができる。

 

 

高利益の商品を拡充して利益を上げる

 

中小企業の商品やサービスの利益構造を分析すると、必ず、儲かっているものと、儲かっていないものが混在している。

 

当然ながら、儲かっているものを増やせば、簡単に利益を上げることができる。

 

具体的には、儲かっていないものへの経営資源の投資を止めて、儲かっているものへ経営資源の投資を集中させると、自ずと利益が上がる。

 

例えば、法則的に、売上を構成する下位20%は、利益に貢献していないと云われている。

 

こうした薄利、或いは、赤字取引への経営資源の投下を止めて、売上を構成する上位20%へ経営資源を集中させると、比較的、短期間で利益を上げることができる。

 

また、高利益の商品やサービスの関連品の開発や投入、高利益の商品やサービスの営業強化なども利益を上げる有効な方法だ。当たり前だが、儲かる商品やサービスが増えるほど、利益もどんどん上がる。

 

 

付加価値を高めて利益を上げる

 

世の中はモノで溢れている。

 

そして、それらのモノは常に選択の脅威にさらされている。

 

このような状況下で、商品やサービスを売り続けるには、付加価値を上げ続けるしかない。

 

なぜなら、その商品やサービスの付加価値が低下すると、たちまち消費者からの選択の対象から除外され、売れなくなってしまうからだ。

 

こうなってしまうと安値販売で処分せざる得なくなり、本来得られるはずの利益が手元に残らず、最悪、赤字処分ということにもなりかねない。

 

中小企業が競合他社よりも多くの利益を獲得するためには、商品やサービスの付加価値を上げることが欠かせない。

 

そして、付加価値を上げて、尚且つ、利益を上げるには、量の多寡に頼らず、品質やサービスを上げる方法を選択しなければならない。

 

例えば、100gの商品を150gに増やして価格を上げたとしても、仕入れも増えるので手元に残る利益は大して上がらない。

 

価格を上げて、尚且つ、利益を上げるには、100gの商品の品質をさほどのコストをかけずに上げ、そのモノ自体の付加価値をつり上げることが必要なのだ。

 

付加価値の追求は、利益を上げる最善の方法であると共に、会社存続を支える必要不可欠な取り組みといっても過言ではない。

 

 

数字に強くなって利益を上げる

 

経営者自身が数字に強くなって利益を上げる方法も有効だ。

 

会社経営と数字は、切っても切れない関係性にあり、数字を無視した会社経営に成功はない。

 

事実、大きな利益を上げている会社の経営者は数字に強く、利益が少ない会社の経営者は数字に弱い傾向にある。

 

経営者が数字に強くなると、組織全体の利益意識が高まり、なおかつ、客観性と論理性の高い戦略展開が可能になるので、利益を上げる取り組みが定着しやすくなる。

 

また、業績結果の利益検証精度が上がるので、利益を上げる活動の効率も上がる。

 

損得勘定だけ会社経営はできるものではないが、やはり、経営者の数字力は、利益を上げる上で必須のスキルといっても過言ではない。

 

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コストを削減して利益を上げる

 

コスト削減は、即、利益を上げる効果を生み出す。

 

コスト削減は、企業成長の足を引っ張るという論調を見かけるが、それは誤っている。

 

なぜなら、競合他社よりも低コストで、より良い商品やサービスを提供することができなければ、時を待たずして、市場競争からはじき出されてしまうからだ。

 

また、コスト削減の意識が薄れると、利益意識も同様に低下し、仕事や在庫のムダムラを生み出し、利益を上げることが困難な環境に陥ってしまう。

 

利益を効率よく上げるには、コスト意識を強く持つことが欠かせないのだ。

 

なお、コストを削減して利益を上げるには、不要な経費をカットする方法よりも、効率を改善してコストを削減する方法の方が効果的である。

 

なぜなら、不要な経費をカットする方法では何れ限界点が訪れ、継続性のあるコスト削減活動ができなくなるからだ。

 

生産性や経営課題を解消してムダムラを解消する、目標を設定して効率的に目的を達成する、などのコスト削減が、賢く利益を上げる方法である。

 

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会社の利益を上げる5つの方法のまとめ

 

会社の利益は企業存続を保証する大切な要素だ。

 

利益度返しの会社経営は必ず破綻するし、利益を上げることなくして会社の存続はあり得ない。

 

この記事では、「中間マージンを排除して利益を上げる」、「高利益の商品を拡充して利益を上げる」、「付加価値を高めて利益を上げる」、「数字に強くなって利益を上げる」、「コストを削減して利益を上げる」の5つの利益を上げる方法について、詳しく解説した。

 

この他にも、利益を上げる具体的方法論や利益を上げるヒントを、当サイト内で広く解説しているので隅々までご覧頂くことをお薦めする。

 

(この記事は2016年6月に執筆掲載しました)