社長の決断力は会社経営の成功を決定づける重要な要素だ。
社長の決断の連続で会社の盛衰が決まり、事業活動のスピードも決断ひとつで決まるからだ。
この記事では、会社経営の成功に欠かせない社長の決断力を高める3つのポイントについて、詳しく解説する。
情報の偏りを正すと、決断の精度が上がる。
情報に偏りがあると、こうだろう、こうに違いない、という決めつけを招き、決断を誤ることがある。
社員、お客様、世間様、生きた時代や立場が違えば、価値観、道徳観、倫理観、趣味趣向、好き嫌い、大切にすべきこと、何れもさまざまだ。真実は人の数だけあるので、一人の意見だけでなく、多くの意見に耳を傾けないと、納得のいく答えは見つからない。
諍いがあれば被害者と加害者。商売を始める時は、作る人と売る人と買う人。会社であれば、社員と社長、一般職と管理職、新人と中堅と幹部など、立場の違うたくさんの人々の意見に耳を傾けるほど、情報の偏りが正され、決断の精度が上がる。
もちろん、たくさんの意見を聞き過ぎて、どれもが正しく、どれもが正解に思えてくることもあるだろう。そういう時は焦って答えを出したり、決断したりするのではなく、納得のいく答えが見つかるまで待てば良い。何事も決めつけない、他人の意見を自分の主観でジャッチしない、時には納得できるまで待つことが、良き決断を引き寄せる秘訣だ。
自分の直観を信じる。
社長の仕事は決断することと言われるように、日々、膨大な数の決断に迫られる。考える時間と有益な情報がたっぷりあれば決断に困らないが、時には、時間も情報もない中で、決断を迫られる時がある。
どうしても勘に頼らざる得ない時は、自分の直観を信じて即座に決断を下すしかない。当然、直観に頼った結果、失敗することもあるだろうが、責任を自分に帰結し、失敗を分析し、次に活かせば、直観力は確実に鍛えられる。
また、本物と言われるものをたくさん見るほど、直観力は鍛えられる。本物に触れる機会はいかようにも作れる。例えば、美術館などはお手頃でお薦めだ。わずかな費用と時間で、たくさんの本物に出会える。本物を知るほどに、直観が分析に勝るようになるので、日々の決断疲れも相当軽減される。
迷いが生じたら、あえて大変な方を選ぶ。
人の幸せは、苦労をした分だけ大きくなる。初めてだったけど、大変だったけど、一時はどうなるかと思ったけど、といった、多くの苦難を乗り越えるほど、苦労はしたけど、今にして思えば本当に良かった、自分は幸せだったと思えるものだ。
確かに、大変さを避けて、毎日、楽な方を選び続けることで、幸せを得る方法もある。しかし、変化、挑戦、困難、苦悩、ストレスなどの大変さを避けていると、次第に「楽だったけど、もっと何かできたのではないか?」という苦しさにじわじわと追いかけられることになる。
やはり、日々を楽に暮らす幸せを求めるよりも、あとで振り返った時に「あの時は大変だったけど、良い経験だった」と思える少し大変な体験をたくさん積み重ねた方が、幸せは大きくなるし、幸せの持続性も増す。毎日、無難に生きるのではなく、少し大変な体験を求めることが、結果として後悔のない決断に繋がり、巡り巡って、会社人生に充実をもたらすのだ。