コストダウン・経費削減の正しい手法は順番と対象が肝になる

コストダウン・経費削減の正しい手法は順番と対象が肝になる

 

コストダウン(経費削減)は、企業の生命線になる。

 

なぜなら、コストダウンは企業の存続を支える利益を生み出し、なお且つ、競争の優位性を高めるからだ。

 

この記事では、コストダウン・経費削減の正しい手法、順番、対象について、詳しく解説する。

 

 

コストダウン・経費削減の正しい手法

 

コストダウン・経費削減の正しい手法は、順番と対象が肝になる。

 

なぜなら、コストダウンの順番と対象を誤ると、コストダウンがきっかけで業績悪化のリスクが高まるからだ。

 

例えば、社員の安心安全やヤル気を損なうコストダウン、商品・サービスの品質や顧客のメリットを損なうコストダウン、顧客や取引先に無理を押し付けるコストダウンなどは誤ったコストダウンの典型になる。

 

こうした、企業の成長発展を支えるベースや経営資源の価値を棄損するコストダウンは、手を付けた瞬間に業績悪化のリスクが生まれる。

 

従って、コストダウン・経費削減の正しい手法は、正しい順番と対象を抑えることが不可欠で、ココの認識が甘くなると、必ずコストダウンが仇となって業績が悪化する。

 

 

コストダウン・経費削減の正しい順番と対象

 

コストダウン・経費削減の正しい順番と対象について解説する。

 

コストダウンは、第一に「生産性改善」、第二に「直接経費低減」の順番で、生産性は「全ての業務」、経費削減は「上位コストと惰性コスト」を対象にすると効果が大きい。それぞれのコストダウン手法について詳しく解説する。

 

経費削減の順番と対象「生産性改善」

コストダウン・経費削減は、第一に生産性の改善(対象は全ての業務)に取り組むことが正攻法になる。生産性の改善は業務効率化を推進することで実現されるが、業務効率化は、世の中の進歩(社会インフラ充実、技術革新、意識改革等)と共にチャンスが広がるので終わりがない。生産性が改善されると、人件費、変動費、固定費など、すべてのコストが削減される。成長企業ほど、生産性改善によるコストダウンが定着している。

 

経費削減の順番と対象「直接経費の低減」

コストダウン・経費削減は、第二に直接経費の低減(対象は上位コストと惰性コスト)に取り組むことが正攻法になる。上位コストを抑えることができれば、その業界内での競争優位性が高まるので、重要課題として取り組むことが大切になる。惰性コストは、売上貢献度の低いコストが対象になるが、一度削減しても、時間の経過と共に絶えず生まれるので、常にムダムラの排除を意識することが大切になる。

 

 

絶対にやってはいけないコストダウン・経費削減

 

最後に、絶対にやってはいけないコストダウン・経費削減について、解説する。

 

中小企業において、最後まで避けるべきコストダウンの対象は「社員のリストラ」である。

 

人員が限られている中小企業においては、社員の定着が組織力に直結し、組織力がそのまま業績に跳ね返る。

 

しかも、社員の生活の糧(生計)を脅かすリストラは、社員にとってみれば最悪の方法であり、リストラを免れて会社に残る社員にとってもモチベーションを下げるきっかけになり得る。

 

リストラをすることで一時のコストダウンはできるかも知れないが、リストラがきっかけで組織力と共に業績が低下すれば、コストを賄う売上そのものが減少し、業績悪化のスパイラルからますます抜け出せなくなる。

 

コストダウン・経費削減は、企業の成長発展を支えるベースや経営資源の価値をキープ、或いは、強化しながら推進するのが正しい方法になる。