社員をコントロールしたいと考える経営者はあまりいないと思う。
実際は、社員をコントロールするのではなく、自発的に責任感を持って仕事をしてほしいと考える経営者の方が圧倒的に多いだろう。
この記事では、社員をコントロールすることのマイナスポイント、並びに、社員をコントロールしない方法論について、詳しく解説する。
社員をコントロールしたいと思っている経営者は少なく、実際は、社員の自主性を望んでいる経営者が多い。
しかし、業績を上げるために、ついつい社長が社員に細かく指図してしまい、結果として社員をコントロールしている社長は少なくない。
じつは、社員をコントロールすればするほど、社員の自主性は失われる。
そして、社長と社員の間にある見えない壁が一段と高くなり、信頼関係だけでなくモチベーションも著しく低下する。
さらに、社員が会社を辞める最大の原因は社長(上司)との関係悪化なので、コントロールの度が過ぎると離職率を引き上げる結果を招くこともあり得る。
社員をコントロールしたくないと考える経営者が多いのは、本能的にこうしたデメリットを肌で感じているからに他ならない。
社員はコントロールできない。
社員は道具ではないし、社長の家来でもない。会社の発展を支える大切な人財であり、仲間だ。
そもそも、性格も経歴もまちまちの社員を好き勝手にコントロールできるほど、人間は単純ではない。また、他人に細かく指図されるほどヤル気が損なわれることは誰でも経験があると思うが、コントロールの度が過ぎるほど社員の生産性は低下する。
従って、社員をコントロールするのではなく、社員の自主性を尊重した方が、よほど生産性が上がるし、組織力も底上げされる。
社員の自主性を高めるには、社長が率先して社員に判断基準を与えること、社員と情報を共有すること、社員教育を推進すること、社員満足度を追求すること、社員とコミュニケーションを取ること、この5つの取り組みが必須になる。
特に、社長のコミュニケーションは最重要で、社長と社員のコミュニケーションが不足すると間違いなく社員の自主性やモチベーションは低下する。
言うことを聞かない社員は誰のせいか?
結論から言うと、言うことを聞かない社員を生み出した「社長のせい」ということになる。
社員はコントロールできないので、言うことを聞かせようと躍起になっても意味がない。せいぜい、イエスマンを生み出すか、裸の王様になるのがオチである。
よく「他人に影響を与える人間になるのが本物のリーダー」と云うが、指図やコントロールをせずとも、社長の影響力が大きければ社員はついてくるものだ。
社長の影響力は一朝一夕では身に付かないが、やはり、すべての経営責任を自分に帰結できる社長は割かし早く優れた影響力を身につけることができる。
失敗やミスを社員のせいにせず、すべてを自分の責任として受け止められるか否か、そのマインドが、言うことを聞かない社員を生み出さない秘訣であり、社員の自主性と責任感を高める秘訣になる。