ビジネスリスク・事業リスクのトップ3を見逃すな!|中小零細企業編

 

ビジネスリスクとは、事業の存続を阻害する事業リスクのことである。

 

ビジネスにリスクはつきものではあるが、リスクの取り方やリスクの交わし方を誤ると、簡単に事業運営が行き詰る。

 

この記事では、中小零細企業におけるビジネスリスク・事業リスクのトップ3の事例、並びに、リスクの解決方法について詳しく解説する。

 

 

ビジネスリスク「変化・進化」

 

ビジネスにおける最大の事業リスクは「変化を拒み、進化しない」ことである。

 

ビジネスを取り巻く環境や顧客や市場の動きは絶えず変化している。その状況下で、変化を拒み、進化しないことほど大きな事業リスクはない。

 

変化を拒むと経営基盤や商品サービスの進化が停滞(後退)し、周囲から後れを取る一方になる。また、少しのきっかけで既存ビジネスが通用しなくなり、経営が破たんすることもあり得る。

 

こうしたビジネスリスクを払拭するには、日頃から最新技術やノウハウに目を光らせて、先手必勝でそうした技術なりノウハウを取り込む姿勢が欠かせない。

 

自らが進んで変化を巻き起こし、商品やサービスの魅力を引き上げる、或いは、事業コストを引き下げる努力を続けると、既存ビジネスの進化のスピードが上がり、自然と事業リスクが軽減される。

 

また、経営者自身も、新たな知見・視座・考え方・ノウハウ等を絶えず学び、変化と進化を推進し続けることも、ビジネスリスクを解消する大切な姿勢になる。

 

安定というノーリスクにしがみつく姿勢は衰退リスクを引き上げるだけだ。不安定(変化・進化・挑戦・努力・苦難等)というリスクを取る姿勢が安定を引き寄せるのだ。

 

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ビジネスリスク「本業・多角化」

 

次に注意すべきビジネスリスクは「本業が中途半端で、本業関連の多角化が乏しい状態」である。

 

本業は会社を支える大黒柱であり、ライバル企業に差を付ける強みでもある。その本業の収益性や事業価値が中途半端な状態ほど危険な事業リスクはない。また、本業関連の多角化が乏しい状態も危険な事業リスクと言える。

 

例えば、本業の販路が実店舗しかない会社は、天災や不可抗力等で実店舗の集客力を失った瞬間に、事業運営がとん挫する。本業の商品がいかに素晴らしいものであっても、販路が無ければ手の打ちようがないからだ。

 

この手のビジネスリスクは、ネットショップ等の立ち上げなど、新たな販路の多角化で解消することができるが、販路に限らず、一極集中の分散(多角化)が不十分だと、その部分が事業リスクとして残ることになる。

 

本業の収益性や事業価値を極めつつ、既存顧客に新たな商品を投入する、或いは、既存商品を新たな顧客に投入する多角化を創意工夫で積極展開することが、事業リスクを軽減する有効な策になる。

 

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ビジネスリスク「信用・人財」

 

最後に紹介するビジネスリスクは「信用と人財の不足」である。

 

信用と人財は新たな仕事を生み出す絶対条件であり、事業存続に欠かせない要素でもある。その信用と人財が不足している状態ほど危険な事業リスクはない。

 

ビジネスの信用は、相手の利益を徹底的に優先することで盤石になる。具体的には、相手の期待を超える仕事を常に提供することだ。

 

我がことを優先する、一所懸命さが薄れる、不誠実な言動やモラルに欠けた言動が少しでも見え隠れすると、瞬間的に相手からの信用を失い、仕事が無くなるリスクが大きくなるので、くれぐれも留意してほしい。

 

人財を育てることも、事業リスクを引き下げる絶対条件になる。特に、求人募集力に劣る中小零細企業は人財の力がそのままビジネスの成功に直結するので、極めて重要な要素になる。

 

なお、事業リスクを引き下げるための人財育成ノウハウに関しては、こちらのカテゴリー「強い組織を作り上げる人財育成の戦術戦略」で詳しく紹介しているので、一読することをお薦めする。

 

大概のビジネスリスクは、信用と人財さえあれば払拭することができる。また、小が大に勝つ原動力やピンチをチャンスに変える起点も信用と人財である。

 

信用と人財は日々の積み重ね次第で誰でも獲得できる。しかも、一度獲得してしまえば、ビジネスの事業リスクを抑え続けることができる。リスクマネジメントの観点から言えば、最優先すべき要素と言っても過言ではない。