商品が売れる環境を整える仕事をマーケティングと言うが、顧客心理を読む作業はマーケティングの肝と言って過言ではない。
なぜなら、顧客の真理が読めれば、どんなお客様に対しても商品を売ることができるからだ。
この記事では、顧客心理を読むマーケティングで売れる化を加速する方法について、詳しく解説する。
顧客の心理を読むことほど難しい作業は無い。
商品を売る仕事の難しさ、更には、商品を売り続けることの難しさを考えれば、このことがご理解できるだろう。
顧客心理を読むための理論は様々あるが、昨今は、STP理論等を活用して顧客の属性を分類し、顧客の居場所を明らかにするマーケティング手法が一般的だ。
例えば、
以上3つのプロセスを経て、顧客の属性を明らかにして、その顧客に対して価値情報を発信し、売れる環境を整える手法はSTP理論の典型になる。
昨今はAI技術やビックデータの活用もあり、理論の進化が見られるが、こうした理論を駆使して顧客心理を読んだとしても、独り勝ちの企業は未だに現れていない。
つまり、顧客の属性を分類し、顧客の居場所を突き止めたとしても、顧客の深層心理にたどり着くのは難しいということだ。
前章の解説から分かる通り、顧客心理を読む理論や技術を駆使してお客様の深層心理に近づくには限界がある。
この限界を突破するには、商品を購入するお客様の身(立場)になって、顧客心理を考えるのが一番確実で効率的だ。つまり、顧客の本音(実態)にアクセスするのだ。
例えば、ターゲット顧客が女子高生であれば、実際の女子高生になり切って、或いは、実際にインタビューして思考・生活観・人生観・言葉遣い・趣味趣向等を理解するほど、本音の顧客心理に近づく。
中小企業の町工場がターゲット顧客であれば、実際の町工場の社長になり切って、思考・悩み・言葉遣い・人生の夢や目標等を理解するほど、本音の顧客心理に近づく。
生身のお客様の深層心理に辿りつけば、自ずとお客様にフィットする商品設計、デザイン、販売戦略、営業トーク、キャッチコピー等が見つかるので、商品やサービスの売れる化が加速する。
深層心理のことを「心」というが、心ほど非合理な存在はない。
商品の中身は一緒でもブランドの見せ方ひとつで値段が高くても売れたり、今すぐ使わない商品を衝動買いしてみたりと、心は非合理の連続で動いている。
なぜ心が非合理な動きをするのかというと、9割以上の深層心理は本人もよく分かっていないからだ。
だからこそ、生身のお客様になり切って、本当の購入する理由(深層心理)を探求する姿勢が大切なのだ。
繰り返すが、顧客の属性を分類し、顧客の居場所を特定しただけでは商品は売れない。
お客様の心に果敢にアクセス(非合理な行動分析を経て本音に触れる)して、初めて商品が売れるチャンスが生まれるのだ。