営業力を強化する7つの効果的方法|売る力が会社を大きくする

営業力を強化する7つの効果的方法|売る力が会社を大きくする

 

営業力は企業の存続を左右する。

 

商品やサービスが売れなければ商売が成り立たないからだ。

 

この記事では、営業力を強化する7つの効果的方法について、詳しく解説する。

 

 

営業力の強化は難易度が高い仕事

 

売上の規模は営業力で決まるので、営業力の強化は企業の永続性を確立する上で欠かせないが、営業力を強化する仕事ほど難しいことはない。

 

なぜなら、営業職(ものを売る仕事)は、あらゆる職種の中で最も難易度の高い仕事だからだ。

 

モノを売る仕事ほど難しいことはなく、更に言えば、モノを売り続けることほど難しいことはない。

 

衰退する企業の殆どは売上の低迷、つまり、ものが売れなくなることで窮地に陥っている。

 

また、売上拡大に悩む中小企業、或いは、営業力がないために廃業を余儀なくされる中小企業も少なくない。

 

営業力を強化するには確かな目標とスキームが必要であり、宣伝や人的投下に頼った闇雲な営業力強化はかえって衰退リスクを高める場合もある。

 

営業力を強化する7つの効果的方法について、順を追って詳しく解説する。

 

 

営業力強化1「意識改革」

 

営業力強化の第一は、意識改革が肝になる。

 

営業のパフォーマンスは、営業マンの自信と誇り等のマインドで決まるからだ。

 

営業力を強化するための意識改革は、営業が最重要業務、会社のエースが営業を務める等々の意識を定着させることが重要で、営業社員に、エースの自覚、必達の執念、営業職の誇り等々の意識が定着すると、営業力が自然と強化される。

 

また、営業部署だけでなく、管理部署や製造部署などの全部署の社員が営業の自覚を持つ「全員営業の意識」を定着させることも欠かせない。

 

この他にも、有望な人材は他部門であっても営業職に抜擢する、製造と営業の人事交流を定着させる等の施策も営業力を強化する意識改革に役立つ。

 

 

営業力強化2「組織改革」

 

営業力は個人能力を強化するよりも、組織力を強化した方が手っ取り早い。

 

営業スキルを特定の社員に頼ると、会社から当該社員が流出した瞬間、或いは、当該社員のモチベーションが下がった瞬間に営業力が低下するからだ。

 

従って、売上の安定成長を確立したければ、エース級の営業社員をひとり育成するよりも、営業部門全体の組織力を上げた方が会社全体の営業力が強化される。

 

営業成果を上げる組織力は、正しい目標、戦術、フォロー、生産性、教育等の施策が定着すると自ずと強化される。

 

 

営業力強化3「数値目標の活用」

 

営業力を強化するには、数値目標の活用が不可欠だ。

 

なぜなら、すべての営業成果は目標に対して動くことで初めて上がるからだ。

 

営業の数値目標は、人海戦術と非人海戦術で変わるが、人海戦術の場合は、訪問件数一人100件/月以上、新規訪問率30%等が効果的な数値目標になり、訪問件数を上げ、さらに、引合い率(引合い件数÷訪問件数)を上げる努力が営業力の強化に繋がる。

 

非人海戦術(IT活用・ネット集客)の場合は、客数×客単価×購入回数の3要素を上げ、さらに、サイトアクセス数を上げる努力が営業力の強化に繋がる。

 

 

営業力強化4「営業戦術の確立」

 

営業社員の意識が変わり、営業組織の土台が整い、確かな目標を掲げたら、あとは営業戦術の展開が営業力強化の肝になる。

 

なぜなら、間違った戦術を展開しても売上は上がらず、営業力も強化されないからだ。

 

営業戦術は、ターゲット顧客を明確にすることが第一になる。ターゲット顧客が曖昧だと営業活動の効率が極端に落ちるからだ。

 

ターゲット顧客は、売上と粗利の貢献度、顧客企業や顧客の業界の成長率等に重点を置いて決めると良い。

 

また、商品やサービスの付加価値(強み)を明快にして、ライバル企業よりも優れたポイントを一言(30秒以内)で提案できる営業資料も必須ツールになる。

 

営業戦術は企業の数ほど方法論があるといっても過言ではない。従って、いかにして自社にマッチした営業戦術を確立するかが、営業力強化の結末を分かつ。

 

 

営業力強化5「フォロー体制の確立」

 

営業力を強化し、売上を増やすには、最前線で戦術を展開している営業マンのフォローが不可欠だ。

 

営業フォローは社長と部課長が責任もって行う必要があり、経営幹部が積極的にフォローするほど営業組織全体のパフォーマンスが磨かれ営業力が強化される。

 

営業フォローは下記マトリックスを基準に行うと効率が良い。社長と部課長のフォローが営業力強化の成果を決定づけるので、真剣に取り組んでほしい。

 

営業フォローマトリックス
フォロー 行動 結果 解説
褒める 〇(戦術達成) 〇(目標達成) エース級の働き
励ます 〇(戦術達成) ×(目標未達) もう一息
戒める ×(戦術未達) 〇(目標達成) 特需・ラッキーパンチ
育てる ×(戦術未達) ×(目標未達) 一から育てる

 

営業力強化6「生産性の向上」

 

営業はどんな手段を使ってでも売上を増やせばそれで良しというものではない。

 

ライバル企業よりも少ないコスト、なお且つ、ライバルよりも優れた商品やサービスを顧客に提供することが営業本来の仕事であり、そうした営業が収益性の高い売上を生み出す基本姿勢になる。

 

そのために欠かせないことが生産性の向上で、人的投下や広告宣伝に頼らずとも売上を上げる営業力を確立するには、生産性を上げるほかない。

 

営業の生産性を上げる効果的な方法について、それぞれ詳しく解説する。

 

集客の最適化

営業が安定的に売上を上げ続けるには集客の仕組みが必要になる。集客のターゲットは、既存顧客と潜在顧客の二つに分かれ、目の前の既存顧客の満足度を高めて口コミ効果を最大化しながら、まだ見ぬ潜在顧客を如何に集客するかが営業の生産性を高めるポイントになる。潜在顧客の集客は、ホームページ上の会社情報充実、工場のネット見学、アクセス環境の向上(検索順位、電話呼出時間、見積提示日数、情報発信等々)、集客用ポータル/メディアサイトの運営、SNSの活用など等の方法があり、会社と潜在顧客の接点が増えるほど、集客の効果が上がる。

 

情報共有

情報の共有は営業力の強化に不可欠だ。顧客、目標、過程、状況、結果、方針、戦略、戦術等の営業情報の共有は不可欠で、この他にも、暗黙知を共有し属人化を未然に防ぐ取り組みも営業力の強化に繋がる。

 

業務効率化

顧客接点を最大化するための業務効率化は営業力強化に欠かせない。特に、顧客接点に関わりのない社内業務や社内手続きの効率化を推進し、顧客接点を一段と増やす活動は営業力強化に不可欠だ。

 

アクセス環境改善

アクセス環境の改善は営業力強化に有効だ。例えば、短い移動時間でたくさん顧客訪問ができるアクセス環境をチーム全体で考え、常に最適化することは有効な策になる。また、電話呼出し時間の短縮、電話応対時間の短縮、見積提示日数の短縮等のアクセス環境の改善も営業力強化に繋がる。

 

顧客分析(ABC分析・パレート分析)

売上別、粗利別、顧客の成長率別など等、重要指標を基準とした顧客分析は、営業力の強化に繋がる。より大きな売上や利益を獲得するには、営業攻勢をかける顧客の分析が不可欠だからだ。顧客分析はABC分析やパレート分析が基本になるが、詳しくは、当サイト内の「販売効率と貢献度分析に用いるABC分析・パレート分析」を参照してほしい。

 

 

営業力強化7「人財育成の継続」

 

営業力を強化するうえで人財育成ほど重要な活動はない。

 

営業マン一人ひとりの能力向上なくして、組織全体の能力向上はないからだ。

 

人財を育成するうえで重要になるのが人事評価の基準になる。明快な人事評価の基準があれば、社員自身がその基準に自分の能力を照らし合わせて何をすべきかを考え、自主的に能力開発に努めるようになるからだ。

 

例えば、下図のようなレーダーチャートで社員と職場のスキルを評価すると現状のスキルレベルが明快に視覚化される。(青線が職場でオレンジ線が社員)

 

 

スキルが明確になったら、あとは定期的に社員面談を行い、職場と社員のスキル状態に応じて社員教育を継続的に行い、組織全体のスキルレベルを底上げする。これを繰り返すほど、営業力が強化される。

 

 

売る力が会社を大きくする

 

営業力を強化する効果的方法として「意識改革・組織改革・数値目標の活用・営業戦術の確立・フォロー体制の確立・生産性の向上・人財育成の継続」、以上7つの方法を詳しく解説した。

 

営業力の強化は企業の永続性を確立する上で欠かせない取り組みであり、営業力が会社の成長をけん引する原動力になる。

 

会社の営業力は、十人十色、会社によって無数の方法があるが、この記事で解説した7つの方法は、多くの企業に通用する正攻法でもある。実践できているか否かを自己診断頂き、営業力の強化に役立てることをお薦めする。