会社の強みは、絶えず分析しなければならない。
なぜなら、会社を取り巻く経営環境の変化に伴い、会社の強みが刻々と変化するからだ。
当然ながら、会社の強みの分析をおざなりにしていると、いつしか会社の強みを見失い、会社衰退のきっかけを作りかねない。
例えば、ライバルの台頭や商品やサービスの陳腐化などは、会社の強みを弱体化させる由々しき変化である。
会社を取り巻く経営環境の変化を捉えるためには、会社の強みの定期分析が欠かせない。
会社の強みの分析方法はスワット分析が有名だが、その他にも日常業務をひと工夫するだけで会社の強みを分析できる方法がある。
それは、顧客の認知経路と購買動機を探る方法だ。
認知経路は、どうやって当社を知ったのかを明らかにすることで判明する。
認知経路には、広告、DM、チラシ、ホームページ、インターネット検索、口コミ、SNS、など等、様々あるが、一番強い認知経路を強化すれば、その部分が会社の強みとしてさらに補強される。
購買動機は、なぜ当社を選んだのかを明らかにすることで判明する。
購買動機には、品質、立地、安心感、社員の応対、サービス内容、特典、など等、様々あるが、認知経路同様、一番強い購買動機を強化すれば、その部分が会社の強みとしてさらに補強される。
なお、認知経路と購買動機は新規顧客の電話対応時や既存顧客への営業対応時などに簡単に探ることができる。
顧客の認知経路と購買動機が分かると、会社の強みが整理されるので、経営資源の投入先が明快になり、会社の強みの補強スピードが一段と加速する。
会社の強みを分析した結果を事業拡大に活かすには、強みをさらに伸ばすための戦略展開が欠かせない。
例えば、「経営資源を集中させる・事業カテゴリーの焦点を絞る・顧客ターゲットを明確にする」の3つは、会社の強みをさらに伸ばす優れた戦略展開になる。
会社の強みをさらに伸ばすそれぞれの戦略展開について、順を追って詳しい解説する。
会社の強みになり得る領域に経営資源を集中させると、会社の強みが一段と伸びる。例えば、一番強い認知経路や購買動機に対して経営資源を集中させると、会社の強みが益々強化される。或いは、大きな利益をもたらす優良顧客の要望に対して経営資源を集中させると、会社の強みが益々強化される。
事業カテゴリーの焦点をひとつに絞ると、会社の強みが一段と伸びる。例えば、中華料理店というカテゴリーよりも、餃子専門店やおかゆ専門店というように事業カテゴリーの焦点をひとつに絞った方が、会社の強みが強化される。また、事業カテゴリーの焦点をひとつに絞ると、会社の強みを効率的に伸ばせるだけでなく、オペレーションコストが低下するので、事業効率も高まる。
顧客ターゲットを明確にすると、会社の強みが一段と伸びる。例えば、顧客ターゲットが明らかになっていれば、その顧客ターゲットに合わせて会社の強みを強化できるので、成約率の高い商品作りや提案書作りが可能になる。さらに、成約率の高い商品作りや提案書は顧客満足度を高める効果を生み出すので、ますます会社の強みが伸びるというプラスのスパイラルが作り出される。事実、「誰に売るのか」という顧客ターゲットが明確になっている会社の強みは、じつに強固に仕上がっている。
企業競争は「強み」でしか勝ち抜くことが出来ません。ですから、強みのない会社は衰退あるのみとなります。強みを磨くには、購買経路や動機を明らかにする事と、強みを磨くための戦略展開を推進する事が不可欠です。そして、事業や商品の付加価値を研鑽することを永遠に継続することも欠かせません。