企業の成長は顧客の創造で決まる。
なぜなら、新たな顧客なくして売上の拡大はなく、顧客創造のない未来に、企業の成長発展はないからだ。
この記事では、顧客創造の意味から成功事例、並びに、顧客創造の実践ノウハウについて、詳しく解説する。
顧客創造とは、新たに顧客を創造する活動のことである。
当然ながら、今いる目の前の顧客の存在に満足しているだけでは顧客創造にはならない。
顧客創造の本来の活動は、既存顧客を満足させつつ、潜在顧客に対して商品やサービスを認知してもらい、さらに購入してもらうことだ。
顧客創造という言葉の意味は、経営マネジメントの発明者であるピーター・ドラッカーが提唱したことで知られている。
ドラッカーは「利益がなければ事業は存続できない。そして、利益の源泉は顧客である」という考えで、顧客創造を経営マネジメントの重要な核に位置づけ、経営の目的は「顧客創造にあり」という考えを強く提唱した。
つまり、顧客創造の意味は、経営そのものであり、顧客創造こそが、経営の真の目的なのだ。
一説では、毎年2割の顧客は常に脱落(離脱)していると云われているので、顧客創造がいかに重要な取り組みかお分かり頂けると思う。
顧客創造の成功事例として有名なのは、アマゾン、ユニクロ、デル、この3社の顧客創造戦略である。
何れの企業も独自の戦略で顧客創造に成功しており、小さなベンチャー企業から世界的企業にまで成長している。中小企業であっても有効に機能するお薦めの顧客創造の戦略論なので、ぜひ参考にしてほしい。
アマゾンは、ワンtoワンマーケティングの実践で、顧客創造に成功にしている。ワンtoワンマーケティングとは、顧客一人ひとりの要望に合わせた商品やサービスを提供して、顧客満足度を上げる戦略だが、アマゾンはこのマーケティング戦略を徹底して顧客創造に成功している。
ユニクロは、洋服や肌着の機能性を再定義し、顧客創造に成功している。機能性の再定義とは、商品付加価値を高める(再定義する)戦略だが、ユニクロはこのマーケティング戦略を徹底して顧客創造に成功している。
デル・コンピューターは、アクセスを改善して、顧客創造に成功している。アクセス改善とは、駅から近い、コンビニで買える、ネット購入の利便性が高い、ネット検索で上位に表示される、など等といった、顧客の利便性を高めるアクセス改善を推進する戦略のことだが、デル社はこのマーケティング戦略を徹底して、顧客創造に成功している。
最後に、顧客創造の実践ノウハウについて、詳しく解説する。
顧客創造を実践するうえで、最も重要な作業は自社の顧客を定義し、潜在顧客を発掘することである。
そのためにすべきことは、自社の顧客は誰で、その顧客に対する提供価値は何で、その提供価値を高めるために今の事業は将来どうあるべきか、という3つのポイントを明快にすること。
そして、ライバルは誰で、ライバルとの差別化は何で、その差別化によって創造できる理想の顧客は誰か、という3つのポイントを徹底的に議論し、掘り下げることである。
このプロセスを経て、しっかり顧客を定義付けできると、自社の顧客が明確になり、潜在顧客へのアプローチが鮮明になる。
潜在顧客へのアプローチは前章で解説した成功事例を参考に、自社に適した戦略を検討することが重要で、この戦略がマッチすると、顧客創造と共に、企業の成長が一段と加速する。
なお、顧客創造を加速する営業ノウハウに関しては当サイト内の「売上を拡大する営業戦略の実践ノウハウ」で詳しく解説しているので、是非とも参考にしてほしい。
顧客創造は会社経営の根幹です。この活動が充実している会社ほど成長します。顧客創造で最も大切なことはターゲット顧客を明確に定義付けることです。ここが曖昧だと、全ての行動が失敗に終わります。成功の秘訣は、周囲の変化を冷静かつ客観的に捉えて「顧客は誰で、どこにいるのか?」を常に問い続けることです。
(この記事は2019年1月に執筆掲載しました)