経営環境の変化は、絶えることがない。
時間の経過とともに刻一刻と変わるのが経営環境なので、変化を見落とし、経営環境についていけなくなると、会社は簡単に衰退する。
当然ながら、経営環境の変化を目の前にして「今のままで良い」という考えは成り立たない。
経営環境の変化に対応する経営采配なくして会社の成長発展はなく、資本力のない中小企業は、経営環境の変化への対応力がなければ衰退は必至といっても過言ではない。
例えば、老舗料理屋のなかには、世間や顧客の嗜好といった経営環境の変化に応じて、味を微妙に変えながら人気を保っている店が数多にある。
求められるものが変わっているにも関わらず、提供するものが変わっていないという極めてリスキーな事実は、冷静に考えれば理解できそうなものだが、経営環境の変化に対応できていない中小企業は決して少なくない。
経営環境の変化に応じて「守るべきものと変えるべきもの」を瞬時に判断し、経営環境の変化に対応する力は、会社の成長発展に欠かせない経営者の必須スキルだ。
事業構造の再構築、顧客の創造、付加価値の創造、商品提供の仕組み構築、販売戦略の発想転換、など等、会社の成長発展に欠かせない取り組みの殆どは、経営環境の変化に対応する力で成果が決まる。
経営環境の変化に対応できているか否か、一度、点検してみてほしい。
経営環境の変化を捉える方法は様々あるが、最低限必要なことは業績把握を欠かさないことだ。
なぜなら、実際の事業活動と経営環境の変化の間にギャップが生じると、必ず業績に危険サインが表れるからだ。
当然ながら、業績に表れた些細な危険サインを見落とすと、先手先手で経営環境の変化に対応することが出来なくなるので、最悪、赤字転落や資金繰り悪化といった末期状態に陥ってしまうこともあり得る。
また、顧客目線や顧客志向といった、顧客第一の意識を強く持つことも、経営環境の変化を正しく捉える秘訣になる。
商品やサービスの購入選択権は、常に、顧客が握っており、顧客を無視したビジネスに将来はないからだ。
顧客の要望や意見、或いは、顧客の喜びを最大化するアイデアを重要な経営課題と位置づけ、その課題解消に真摯に取り組んでいる限りは、経営環境の変化に置いていかれることはない。
経済環境の多様化は加速度的に進んでいるので、会社を取り巻く経営環境は一段と複雑化し、すでに予測困難な時代に突入している。
このような時代を生き抜くには、経験や勘を当てにした中途半端な経営姿勢から一刻も早く抜け出し、経営環境の変化を的確に捉え、変化を進んで受け入れる経営姿勢への転換が求められる。
厳しい経営環境の変化を「従来の経営姿勢で乗り切るのか」、或いは「新しい経営姿勢で乗り切るのか」によって、会社の成長が決まるのだ。
経営環境の変化に鈍感な会社は生き残るのが難しいです。企業には変えてはならない部分があるのも事実ですが、そうしたストロングポイント(不変価値)の伝え方なり、売り方は、やはり経営環境の変化に応じて柔軟に対処することが重要で、そうした変化に対応しなければ企業は間違いなく衰退します。