社長の器を大きくする方法|会社の大きさは社長の器の大きさで決まる

社長の器を大きくする方法


会社は社長の器で決まると、良く言われる。


これまで、数百名を超える中小企業の社長にお会いしてきた私の経験からも「会社は社長の器で決まる」とつくづく思う。


事実、社長の器以上の人材は集まらない、或いは、社長の器以上のブレーンは集まらない、というように、社長の器次第で会社の発展性が決まることは良くあることだ。


この記事では、社長の器の測定方法から社長の器を大きくする方法に至るまで、詳しく解説する。



社長の器の測定ツール

社長の器を大きくする方法


社長の器を測定するうえで便利なツール(下図参照)がある。



上の図の通り、社長の器を構成するスキルは大別して3つに分類することができる。


ひとつはワークスキル、ふたつ目はビジネススキル、最後は、ヒューマンスキルである。


ワークスキルとは、社員がすべき仕事や作業をこなすための技能的なスキルのことである。


社長の器を構成するスキルとしては、最も小さい要素であり、環境が変わると使い物にならなくなるスキルでもある。つまり、ワークスキルを磨いても、社長の器は大して大きくならないということだ。


ビジネススキルとは、思考力や実行力といった環境が変わっても通用する万能的なスキルのことである。ビジネスの構想力や人を動かす行動力に深く関わるスキルなので、経営者の器を大きくするには一定レベルまで磨く必要がある。


ヒューマンスキルとは、哲学や価値観、信念やスタンス、器量や度量、審美眼や芸術性(職人技)といった、その人間の有様や人間力を表すスキルのことである。


他者への影響力に大きく関わるスキルなので、社長の器を大きくするための必須スキルといっても過言ではない。



社長の器を磨けば、会社は大きくなる


社長の器を磨けば、会社は間違いなく大きくなる。


社長の器を磨く方法は簡単で、一定のビジネススキルを身につけたうえで、ひたすら、ヒューマンスキルを磨くことである。


そのために必要なことは本質を追求するために「無知の知」を徹底的に実践することだ。


無知の知の実践とは、自分が知らないことを知っている、ということを自覚し、素直に教えを乞う姿勢を持つことである。


論語にも「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」という類似した言葉があるが、これは、無知であることを自覚することで、新たな学びを行うことを促進し、その結果無知を克服し成長する、ということを意味している。


社長であっても驕ることなく素直な気持ちで無知の知を実践していくと、物事を本質的に捉えることができるようになり、ブレない哲学や信念が身についていく。


また、ヒトの苦労やモノの価値も正確に理解できるようになるので、器量や度量も高まっていく。


さらに、手足を動かして無知の知を実践すると、審美眼や芸術性(職人技)も高まり、ヒューマンスキルがますます盤石なものになる。


ヒューマンスキルが大きくなると自然と社長の器も大きくなり、社長の器が大きくなるほど、優れたワークスキルやビジネススキルを持つ人材が社長の周りにたくさん集まるようになる。


社長の器を大きくするために第一に磨くべきスキルは、ワークスキルでもビジネススキルでもない。ヒューマンスキルを磨くことが、社長の器を大きくする確かな方法なのだ。



私欲をなくせば社長の器が大きくなる


社長の器を大きくするうえで、私欲をなくすことも重要だ。


例えば、江戸時代に米沢藩を立て直した名君”上杉鷹山公”が残したといわれる言葉に「働き一両、考え五両、知恵借り十両、コツ借り五十両、ひらめき百両、人知り三百両、歴史に学ぶ五百両、見切り千両、無欲万両」という名言があるが、「無欲」が一等上に挙がっている。


事実、器の大きい社長ほど、我欲を満たすよりも先に他者の欲を満たすことを優先しているし、成功している社長ほど、無欲である。


自己研鑽のための向上欲や貢献欲を除いて、極力、私欲を無くすことも、社長の器を大きくする秘訣になる。


伊藤のワンポイント
 

人間力を磨きつつ私欲を無くしていくと自然と社長の器が大きくなります。社長の器が大きくなると、それにつられて良い人財も集まります。社長の威厳や風格も器次第で決まります。謙虚な姿勢で無知の知を実践することが人間力を磨く確かな方法です。そして、決して奢らず、私欲を上手にコントロールすることも大切です。