企業は、経営課題を見逃した瞬間から衰退する。
この衰退の法則は、私の長年の経験と体験から導き出したものだが、逆に言えば、経営課題さえ上手に解決さえすれば、企業は繁栄し続ける。
この記事では、企業の繁栄を後押しする課題解決のプロセスとアプローチについて、詳しく解説する。
課題解決のアプローチで最も重要なプロセスは、組織に「判断基準を定着」させることだ。
組織に基準が定着すると、課題の発掘が容易になり、将来の成長を阻害する種々の経営課題にアプローチし易くなるからだ。
課題解決のアプローチは「基準定着」に始まり、課題の認知・共有、課題の対応・検証へと続くが、最初の基準が曖昧だと、課題の見逃しが多発するので、最も重要なプロセスと言える。
課題の発掘に役立つ判断基準は沢山ある。
例えば、企業ビジョン、顧客満足に繋がる数値目標・行動目標・品質基準、社内の業績目標・業務目標・スキル目標などは典型例になる。
これらの基準が定着すると、課題解決のアプローチ精度を高まり、常に基準超えがキープできる良好な経営環境が整う。
次に重要な課題解決のアプローチは「発掘・共有」である。
課題を効率的に発掘し、その課題を全社員で共有すると、課題解決のスピードが速まると同時に、課題解決のアプローチ手法が磨かれるからだ。
課題を効率的に発掘するには、判断基準を組織の隅々までしっかり定着させた上で、社長自らが現場や社員の動きをよく観察することが大切だ。
下からの報告を待つのではなく、トップ自らが情報を取りに行く姿勢が、課題の早期発掘に役立つからだ。
また、課題を発掘したら間髪入れずに全社員で共有し、全員の問題意識を高めて、全員で課題解決にアプローチすることも欠かせない。
全員参加で課題解決にアプローチすると、課題解決の方法論がブラッシュアップされる、同じ課題が生まれ難くなり再発防止になる等のメリットが享受できるだけでなく、顧客に尽くす企業文化が一段と定着する。
課題解決の最後の重要なアプローチは「対応・検証」である。
課題解決は対応を誤ると状況が悪化する。また、未来を100%当てることは不可能なので、ベストな対応であっても失敗リスクはゼロにならない。つまり、検証なくして、成功はあり得ないのだ。
課題の解決は、社内で解決できる課題なのか、あるいは、社外の専門家を頼るべき課題なのかの二者択一で分類すると対応策が明快になる。
社外の専門家を頼るべき課題の場合は、即刻、適任者を探して課題解決を依頼すれば良い。
社内で解決する場合は、社員の能力不足と仕組み不足の二者択一で原因を分類すると、解決方法が明快になり、課題解決のスピードが速まる。
そして、課題解決の検証は、会社の数字、現場の声、顧客の評判を絶えずモニタリングすることが絶対条件になる。
課題解決のアプローチに誤りがあると、数字・現場・顧客の何れかに必ず異変が現れるからだ。
検証作業は課題解決アプローチの「基準定着」と同じくらい重要なプロセスになるので、決して疎かにしないことをお薦めする。