業務を標準化すると、業務パフォーマンスが上がり、事業活動の生産性が改善される。
業務標準化は、営業・管理・製造・教育・投資等、すべての経営分野が対象となり、業務標準化の余地が無くなる事はない。
この記事では、業務を標準化して生産性を改善する方法について、詳しく解説する。
業務の標準化とは、社員の力量に関係なく、一定レベルの業務パフォーマンスを獲得・維持するために、業務の手順や方法をルール化・均一化・平準化することだ。
業務を標準化すると、社員の力量が底上げされて、事業活動の生産性が向上するので、生産性改善の肝と言っても過言ではない。
例えば、お菓子の型(型・レシピ・手順書等)があれば、その型に生地を流し込むだけで、職人達の力量差に関係なく、一定レベルのお菓子を作ることができる。
逆に、お菓子の型が無ければ、職人達の力量差がそのままお菓子の出来栄えに直結するので、売り物にならないお菓子が増え、生産性が著しく悪化する。
お菓子の型は、言ってみれば業務標準化の精度と一緒で、型の良し悪しが、そのまま作業の生産性に直結する。つまり、業務標準化の精度如何で、事業活動の生産性が大きく変わるのだ。
業務標準化は、営業・管理・製造・教育等、すべての経営分野が対象になる。
業務の標準化は、誰がやっても同じ結果が生まれる再現率が高いやり方を明文化(映像化)し、全社員で共有・研鑽する方法が基本セオリーになる。
営業業務の標準化は、トップ営業マンのスキルの標準化、ヒアリング項目の標準化、営業プロセスの標準化等が主な対象で、標準化の精度が上がるほど会社の営業力が底上げされ、営業活動の生産性が向上する。
管理業務の標準化は、在庫管理や材料発注の標準化、仕訳作業や経理ルールの標準化等が主な対象で、標準化の精度が上がるほど事務処理能力が底上げされ、社内業務の生産性が向上する。
製造業務の標準化は、製造ライン毎の作業工程の標準化、製造設備の保守点検の標準化、トラブル対応の標準化等が主な対象で、標準化の精度が上がるほど会社の技術力が底上げされ、製造活動の生産性が向上する。
そして、標準化の対象と範囲が広がるほど、標準化分野の教育効率が上がり、生産性改善と組織力強化のスピードが加速する。
業務の標準化は、マニュアルを作って終わりではない。
なぜなら、世の中の進化と共に、業務標準化の改良余地が生まれるからだ。
例えば、営業活動の生産性を高めるツールが進化したら、すぐさまそのツールを取り込み、業務標準化の内容をアップデートしなければならない。
製造活動の生産性を高める技術や設備が進化したら、すぐさまそのノウハウを取り込み、業務標準化の内容をアップデートしなければならない。
このように、世の中の進化と共に標準化の内容を常に進化させることが、業務標準化の本質になる。
また、業務の標準化を起点に、常にベストパフォーマンスが発揮できるよう、顧客・社員・取引先等の反応を注視し、周囲の反応に応じて標準化の内容を絶えず進化させることも大切だ。