コストプラス法(原価加算法・原価積算法)とは、商品やサービスの提供コストを積み重ねて価格を決定する計算手法のことである。
ビジネスはコスト以上の価格で商品やサービスを提供することで成立するので、コストプラス法はビジネスの存続に役立つ計算方法と言える。
この記事では、コストプラス法の計算方法、並びに、CP法(コストプラス法)のメリット・デメリットについて、詳しく解説する。
コストプラス法(原価加算法・原価積算法)の計算方法について、詳しく解説する。
コストプラス法の計算は、商品やサービスの提供コストを全て積算し、価格を決定する手法が基本になる。
提供コストの中には、製造原価や販売管理費の他にも企業が必要とする利益も含まれる。
例えば、商品1個当たりの製造原価が50円、販売管理費が40円、必要利益が10円だった場合のコストプラス法の計算式は50円+40円+10円=100円となり、適正価格100円となる。
なお、コストプラス法で商品価格を計算する上で大切なことは、提供コストの正確性と加算利益の妥当性だ。
提供コストの正確性は日頃の会計精度で決まるので、適正・公正・正確な会計処理を実践することに尽きる。
加算利益の妥当性は会社や業種業態によって適正ラインが変わるが、一般的には粗利の1~2割以上の営業利益水準が優良と言える。
コストプラス法のメリットについて、詳しく解説する。
コストプラス法の主たるメリットは、提供コストを上回る適正価格が明らかになることだ。
ビジネスはコスト以上の価格で商品やサービスを販売することで初めて成立するので、最大のメリットと言っても過言ではない。
また、コストプラス法で価格を決定する計算過程において、コスト構造や必要利益が明快になるので、コストダウンを効率的に推進できるメリットもある。
市場調査や競合比較をすることなく、比較的シンプルな計算方法で価格が決められるメリットもあるが、このメリットに関しては、競争優位性の高い商品やサービスという限定条件がつく。
コストプラス法のデメリットについて、詳しく解説する。
コストプラス法の主たるデメリットは、顧客の意向やライバルの動向が一切考慮されないことだ。
たとえ提供コストを上回る適正価格で商品やサービスを提供できたとしても、その価格が顧客にとっての適正価格になるわけではない。
当然ながら、独りよがりな価格決定がきっかけで顧客の反発を招けば、顧客離れや売上減少等のマイナスリスクが表面化する。
このコストプラス法最大のデメリットを回避するには、利益の根拠となる付加価値(会社や商品の強み)を徹底的に磨き、その付加価値を顧客にしっかり伝達する必要がある。
商品価格の利益部分に相当する付加価値が大きくなれば、顧客がコストとして容認する利益金額も大きくなるので、提供コストを大きく上回る価格でも商品が売れるようになる。