有能な社員とは、経営者の右腕、創業からの古株社員、次期後継者候補、など等、様々だが、有能な社員が辞める会社は、倒産のリスクが高まっている可能性が高い。
特に、会社を辞める理由が独立等ではなく、経営者に対する不満から会社を辞める場合は、倒産のリスクが高いといえる。
この記事では、有能な社員が辞める会社の倒産リスクについて、詳しく解説する。
有能な社員が、経営者に対する不満から会社を辞める場合は、倒産のリスクが高いといえる。
経営者に対する社員の不満は様々あるが、倒産リスクが高い主な例を挙げると下記の通りである。
☑創業の精神を大事にしなくなった
☑会社の経営方針が変わってきた
☑経営者とのコミュニケーションが希薄になった
☑昔からの社員を重宝せず、外部の人材を重宝している
☑取引先に対する態度が変わってきた(取引先を大事にしなくなった)
上記例を要約すると下記の問題点が浮かび上がる。
☑経営者の経営方針のブレに伴う、社員との信頼関係の破綻
☑経営者の言動に起因した会社内外、或いは、社員との信頼関係の破綻
何れも、会社経営並びに業績に大きな影響を及ぼし、倒産リスクを引き上げる危険な要因である。
経営者自身が手塩にかけて育てた有能な社員が会社を辞めるということは、会社にとって大きな損失になる。
そして、その原因が経営者との信頼関係の破綻であれば、それ以上に計り知れない損失を被る可能性がある。
経営者は、真摯な姿勢で会社に尽くしている有能な社員に対して、信頼関係を壊すような振る舞いを自らすべきではない。
なぜなら、有能な社員が辞めるようなことになれば、その社員を慕う社員も連鎖的に会社を辞めることがあるからだ。
例えば、会社の歴史の結晶である企業文化に影響を及ぼすような社員が著しく減ってしまったら、会社の行く末はどうなるだろうか?
長い年月をかけて作り上げた企業文化は、経営者と社員の努力の賜物であり、決して、経営者がひとりで作り上げたものではない。
万が一、企業文化が著しく崩壊してしまうと、顧客の離脱が加速し、修復するのに膨大な時間と労力を費やす羽目になる。
有能な社員ひとりが辞める代償は、決して小さいものではないのだ。
有能な社員が辞める事態は、会社の成長期や成熟期に起こりやすい。
そして、経営者の言動が変化する最たる要因として挙げられるのは「地位と名声」だ。
経営者もヒトなので、地位と名声に伴い、良く変わるヒトもいれば、悪く変わるヒトもいる。
経営の神様と謳われた松下幸之助氏は、最後まで良いヒトで経営者を務めあげたが、悪く変わってしまう経営者も少なくない。
経営者は孤独な稼業である。
社内はおろか、社外であっても本音で助言をしてくれる人間は滅多にいない。
良き人格を維持するには、自分自身を客観的な目で見つめて、自身の言動を正す機会を意識的に持たなければならない。
例えば、次のような自問自答は、有能な社員との信頼関係を深める言動を自然と生み出す。
☑社員に感謝しているか?
☑取引先に感謝しているか?
☑創業の精神を忘れていないか?
経営者と社員の信頼関係は、そのまま業績に表れる。つまり、社員を大切にしない会社に、明るい未来はないのだ。
もしも、取引先の会社で有能な社員が辞める事態が生じていたら、倒産リスクが高いと思った方がいいだろう。
倒産リスクの深刻度を確認する手段は、その会社に出入りしている取引先同士の情報交換が一番確かである。
取引先同士の情報交換から、どんな原因で誰が辞めて、どんな影響が及んでいるのかを確認することができる。
当然ながら、社員が辞める理由が倒産リスクを引き上げるものであるならば、事前にリスクに備えることができる。
例えば、倒産リスクが高いと判断したのであれば、取引額に制限を設けたり、信用取引の上限額を引き下げたり、様々なリスク対策を講ずることができる。
取引先の倒産は、資本力の乏しい中小企業の経営に大きなダメージを与える。
経営者は日頃から社員からの情報収集を密に行い、リスクの芽を見つけることが大切だ。
企業は人なり、と言いますがその通りで、組織力と業績は比例関係にあります。ですから、有能な社員の離職は業績に大きな影響を及ぼします。社員の離職は、社長と社員のコミュニケーション不足が原因です。社長が率先して何でも話し合える軽快な空気感を作ることが、有能な社員を育て、定着させる秘訣です。