経営数値のバランスが崩れると会社が倒産する|経営数値とは何か?

経営数値のバランスが崩れると会社が倒産する|経営数値とは何か?

 

経営数値のバランスが崩れると会社が倒産する。

 

なぜなら、会社の衰退を加速させる赤字経営、借金過多、顧客離脱、社員離職などの現象は、経営数値のバランスが崩れることで誘発されるからだ。

 

経営数値とは、会社の経営状態を可視化するために活用される経営指標の実績値のことで、資産状態であれば当座比率や自己資本比率、損益状態であれば売上総利益率(粗利率)や営業利益率といった経営指標がある。

 

経営数値のバランスが崩れた状態とは、これらの経営指標の実績値が適正値から乖離している状態のことで、例えば、下のグラフのように黒字経営であっても経営数値のバランスが崩れていると、会社は間違いなく衰退する。

 

 

上のグラフは私が実際に経営サポートに入った会社のサポート開始一年前の主な経営数値の実績である。

 

グラフ最上段が適正値を示す基準ラインで、経営数値は上から売上総利益率、現金水準、当座比率、自己資本比率、営業利益率の順に並べてある。

 

この会社は黒字経営ではあったが、すべての経営数値が適正値から乖離しており、特に、営業利益率が適正値に比べて著しく低いのが特徴的だった。

 

営業利益率が低いと何が問題かというと、まず、現金水準がなかなか上がってこない。従って、当座比率も自己資本比率も適正値を維持するのが難しくなる。成長投資も減速し、事業拡大のペースも鈍化する。

 

また、利益が少ないと、経済環境の悪化など、周囲の些細な変化についていけず、あっさり赤字経営に転落する恐れもある。場合によっては、それがきっかけで資金繰りが悪化し危機的経営状況に陥る事もある。

 

このように、黒字経営であっても経営数値が適正値にないと、会社の衰退リスクが高まる一方になるのだ。(なお、経営サポート後の経営数値の変化については「中小企業の経営改善事例」を参照のこと)

 

 

経営数値のバランス悪化を放置すると倒産リスクが高まる

 

経営数値のバランス悪化を放置すると、間違いなく会社倒産のリスクが高まる。

 

特に、黒字経営のうちに経営数値のバランスを整える努力をしなければ、会社倒産のリスクは高まる一方になる。

 

この部分のケアが不十分だと、経営課題が山積して、経営数値が更に悪化し、結果、会社の成長が鈍化し、何れ、会社が衰退する。

 

企業の持続的成長を確立するには黒字経営であっても一切油断することなく、常に高みを目指し、適正な経営数値を維持する努力が欠かせない。

 

この理はプロスポーツの世界でも同じで、例えば、プロの世界で長く活躍しているスポーツ選手ほど、常に、最高のパフォーマンスが発揮できるように、ベストな状態を維持する努力を継続している。

 

会社経営も同じで、常に最高の経営数値を維持する努力が成長の下地を作るのだ。

 

赤字経営や借金過多など、誰の目から見ても明らかに経営数値が悪化している状態から努力を始めても、時すでに遅しで、衰退から抜け出すのが困難になる。再建の道筋が見えたとしても、リストラという大きな痛みを伴う方法を選択せざる得ないこともある。

 

黒字経営という、多少でも儲かっている状態から経営数値を整える努力を始めることが何よりも大切で、この要所を抑えた会社経営が安定をもたらすのだ。

 

そして、経営数値が崩れる原因は、儲かっている時にこそ作られるという事を強く意識することも忘れないでほしい。

 

伊藤のワンポイント
 

経営数値のバランスが崩れている中小企業はじつに多いです。アンバランスな状態を放置するほど、衰退リスクが高まりますので、早い段階でバランスを修正することが成功の秘訣です。また、絶えず最高のバランスを追求する努力なくして、企業の永続性を確立することは不可能で、その努力が緩むと必ず企業が衰退します。