キャッシュフローを重視しない中小企業の衰退リスクは実に高い。
なぜなら、キャッシュフローを重視しないと現金収支がマイナスに傾き、最悪、黒字倒産という残念な結果を招くこともあり得るからだ。
この記事では、キャッシュフローを重視しない会社の弊害と末路、並びに、キャッシュフロー重視の実践ポイントについて、詳しく解説する。
キャッシュフローとは、会社の現金の流れのことをいい、経営用語で「現金の流入と流出」を意味する。
現金の流入より流出が少ないと、キャッシュフローがプラスで黒字、現金の流入より流出が多いと、キャッシュフローがマイナスで赤字になる。
キャッシュフローを重視するとは、キャッシュフローのプラス、つまり現金のプラスを常に意識するということだ。
会社は現金で始まり、現金で終わる。つまり、会社は、現金が底をつくと倒産する。
従って、たとえ黒字経営であっても、キャッシュフローを重視しないと、会社の現金が底をつき、会社が倒産してしまうことがある。
また、キャッシュフローを重視しないために資金繰りが悪化する中小企業も実に多い。
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キャッシュフロー重視から外れる弊害は、現金の流れを見失うことだ。
現金の流れを見失うと、経営判断を誤るリスクが高まり、万が一、経営判断を誤ると、会社の成長が鈍化する。
会社の現金の流れ、つまり、会社のキャッシュフローは、個人の財布と比べると若干複雑になる。
例えば、会社の代金決済は、商品やサービスを提供したのちに代金を後払いで授受する信用取引が一般的だ。
信用のうえに成り立つ取引なので信用取引と云うが、信用取引は売上や仕入れの発生と現金収支のタイミングが一致しない。
例えば、現金取引であれば、商品を50円で仕入、その商品を100円で売り、手元に利益が50円残る、というように、取引内容と現金収支が一致する。
一方、信用取引では、商品50円の仕入代金が1ヵ月先の後払い、商品100円の売上代金が2ヵ月先の入金というように、取引内容と現金収支のタイミングが一致しない。
タイミングによっては、一時的にキャッシュフローが(現金収支)がマイナスになることも往々にしてある。
キャッシュフローを重視しないために現金収支が一時的にマイナスになると、支払いに充当する現金が底をつき、黒字倒産することも起こり得る。
このように、経営者がキャッシュフローを重視しないと現金の流れを見失い、会社の倒産リスクが高まる一方になるのだ。
それでは一体、キャッシュフロー重視の経営を実践するには、どのような点に注意する必要があるのだろうか?
中小企業経営者が気をつけるべきキャッシュフロー重視の実践ポイントを詳しく解説する。
キャッシュフロー重視の信用取引を行う場合は、入金優先、支出後回しの法則が鉄則になる。
例えば、商品を50円で仕入れ、その商品を100円で販売する場合は、売上代金100円を受け取った後に仕入代金50円を支払う、というキャッシュフロー重視の采配が基本になる。
また、現金化するまでに時間のかかる受取手形等の信用取引を控えることもキャッシュフロー重視の采配になる。現金販売、売掛金の早期回収、前金決済などを基本とした取引がキャッシュフロー重視の経営に繋がり、結果、現金増加のスピードを加速させる。
利益優先も、キャッシュフロー重視の経営に繋がる。なぜなら、現金の源泉は、会社の利益だからだ。
例えば、売上拡大を狙って売上を超える経費を投入すると、キャッシュフローはマイナスになる。
従って、売上拡大と共に利益拡大の意識を強く持つことが、キャッシュフロー重視の基本になる。また、新規事業等の特殊事情を除いて、利益の出ない赤字取引を全て排除することも、キャッシュフロー重視の基本になる。
キャッシュフローを重視した投資戦略とは、言い換えれば、「短期的に利益の出る投資活動を重視する」ということだ。
例えば、将来値上がりが期待できる資源への投資、資金回収まで2年超かかる投資、用途未定の土地建物等々、短期的に利益の出ない投資活動はすべきではない。
何れも、短期的にキャッシュフローが出ない投資活動なので、キャッシュフローを重視するのであれば、会社としては見送った方が良い投資活動となる。
また、キャッシュフローが多いか少ないかによって、次の投資活動までの時間に大きな差が生じてしまう。資金力の乏しい中小企業は、キャッシュフローを重視した投資活動を展開した方が、会社の成長スピードが加速しやすい。
資金調達の手段に限りのある中小企業はキャッシュフロー重視の経営が生命線になります。いかに利益を増やし現金を残すか、というキャッシュフロー重視の経営を実践しないと、少しのきっかけで衰退スパイラルにハマってしまうからです。衰退スパイラルを回避するにはキャッシュフロー重視の経営を定着させることです。