売上低迷の原因を捉え売上を上げる方法|売上低迷の効果的防御法

売上低迷の原因を捉え売上を上げる方法

 

経営者が売上低迷の原因を捉えるには、日頃から現場の動きに目を光らせる必要がある。

 

しかし、都合よく売上低迷の原因をキャッチすることは容易ではない。なぜなら、経営者の耳には良い情報は上がってきても、売上低迷等の悪い情報はなかなか入ってこないからだ。

 

この記事では、売上低迷の原因を捉え、売上を上げる方法について、詳しく解説する。

 

 

売上低迷の原因を見逃すな!!

 

トップダウン構造にある中小企業において、経営者は絶大な権限を持つ絶対君主的な立場にある。

 

こうした会社の経営者の耳には、良い情報は入ってきても、売上低迷に繋がるような悪い情報はなかなか入ってこない。

 

例えば、

 

☑営業の失敗

 

☑設備や機械の故障

 

☑取引先とのトラブル

 

☑お客様からのクレーム

 

☑社内の人間関係トラブル

 

など等、会社の売上低迷に直結する原因は数知れないが、これからの悪い情報が経営者の耳にタイムリーに届くことは殆どない。

 

また、会社の数字に疎い経営者の場合は、管理職の保身から売上低迷の原因や赤字経営の実態が隠蔽されることもある。

 

このような原因を経営者が見逃すと、時を待たずして売上の低迷が現実のものとなる。

 

じつは、中小企業に限っていえば、売上低迷に直結する殆どの原因が、すでに経営者の目の前(現場)に表面化している。

 

つまり、経営者が日頃から売上低迷に繋がる原因を見逃さないことが、売上低迷を防ぐ最大の防御策になるのだ。

 

 

売上低迷の原因を捉える方法(現場の情報)

 

経営者が、売上低迷の原因を捉えるために意識すべきことは難しくない。

 

例えば、経営者に向上心と謙虚さ、そして度量があれば社員は自然と心を開き、売上低迷のサインを教えてくれる。

 

また、悪い情報が社員から上がってくるのを待つのではなく、常に経営者の側から社員に歩み寄って、意見や状況を聞く謙虚な姿勢を持つことも大切だ。

 

たとえ売上が上昇中であっても、売上低迷に直結する原因を探る努力を緩めてはならない。

 

なぜなら、売上が低迷する原因は、低迷の予兆を見逃すところに第一の原因があるからだ。

 

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売上低迷の原因を捉える方法(会社の数字)

 

売上低迷の原因を捉えるためには、売上の推移を見逃さないことも大切になる。

 

売上の推移は「上昇・横ばい・下降」の三つの傾向しかない。多くの経営者は売上が下降し始めてから慌てて売上低迷の原因と対策を考えるが、これでは手遅れである。

 

売上低迷を未然に防止するには、売上が上昇傾向から横ばい傾向に変わった瞬間(もしくは鈍化した瞬間)を捉えなければならない。

 

ある日突然、売上が急激に下降することはなく、殆どの会社の売上は、上昇から横ばい傾向、そして一定の横ばい傾向を経て下降傾向へ転じる。

 

当然ながら、売上が横ばい傾向のうちに売上低迷の原因を特定し、待ったなしで売上回復のための経営改善を講じないと、売上が回復しないまま業績悪化のスパイラルに陥るリスクが高まるばかりとなる。

 

売上低迷の原因特定と対策が遅れると、売上が加速度的に低迷し始め、利益減少と共に成長投資の手が狭まるので、売上を上げることが益々困難になる。

 

売上推移を常に注視し、日頃から売上低迷の原因を探る努力が、売上を上げる有効策にもなるのだ。

 

 

売上を上げる方法

 

売上を上げる方法は簡単だ。

 

売上の傾向に合わせた経営を心掛けるだけでよい。

 

▶売上上昇時は積極投資

 

▶売上横ばい時は堅実経営

 

▶売上下降時は抜本的経営改革

 

売上の傾向に合わせた経営を心掛けている限り、会社が大きく傾くことはない。

 

例えば、売上が低迷しているにも関わらず、強引な成長投資を推し進める経営者がいるが、殆どは失敗する。

 

なぜなら、今までの成長投資の方法が売上低迷の根本原因になっている可能性が高いからだ。

 

売上低迷の根本原因になっているかも知れない従来の経営手法を省みず突進してもドツボにハマるだけだ。

 

売上が低迷した時は一度立ち止まって、これまでの経営を見直す絶好のチャンスになる。

 

そして、売上が横ばいになった時は堅実経営、売上が下降に転じたときは抜本的経営改革というように売上の傾向に合わせた経営を心掛けることが、売上を上げる(売上を回復させる)、最も有効な手段になる。

 

売上を上げる経営手法の例

積極的成長投資

本業深掘り(品質・市場・営業の強化)、本業の横展開(新商品・新規事業)

堅実経営

本業深掘り(品質・市場・営業の強化)、コスト削減、生産性改善

抜本的経営改革

事業のリストラクチャリング(赤字事業撤退・赤字取引解消)

 

【関連記事】堅実経営の見分け方と作り方

 

 

売上低迷を見逃すと会社が衰退する

 

最後に、わたしの経験からこれだけは伝えておきたい。

 

それは、倒産の危機に瀕するような会社であっても、必ず過去に「儲かった時代(成長期)があった」ということだ。

 

つまり、どんなに儲かっている会社であっても、売上低迷の原因を見逃すと、会社はあっけなく倒産の危機に瀕するということだ。

 

特別な経営能力がなくても、売上低迷の原因は見抜ける。

 

これは、売上を上げる方法も同様である。

 

売上低迷の原因

 

・売上の低迷に直結する原因を見逃していないか?

 

・売上が上昇から横ばいに転じた瞬間を見逃していないか?

 

 

売上を上げる方法

 

・売上の傾向に合わせた経営を心掛けているか?

 

伊藤のワンポイント
 

売上低迷の根本原因は、売上低迷の原因を見逃したまま、従来の会社経営を続けているところにあります。売上低迷のサインは目の前にあります。ですから、売上が低迷している時ほど、顧客や現場の声に耳を傾けてください。そして、堅実経営や経営改革をしっかり推進してください。