黒字経営を実現する6つの手法|中小企業の黒字経営ノウハウ

中小企業の黒字経営ノウハウ|黒字経営を実現する手法とは?

 

資本力に乏しいい中小企業は、黒字経営であっても些細な経営判断の誤りから簡単に赤字経営に転落することがある。

 

経営者が経営判断を誤る要因は様々だが、会社によっては黒字経営に浮上するきっかけがつかめないまま苦しんでいるケースも少なくない。

 

この記事では、普遍的に通用する6つの黒字経営ノウハウについて、詳しく解説する。

 

 

経営者の使命は黒字経営にあり

 

経営者の使命は、黒字経営を持続し、利益を拡大し続けるところにある。

 

当然ながら、黒字経営が実現できなければ、何れ経営が行き詰り、会社は倒産する。倒産するまでの期間が1年後か10年後かは分からないが、結末は変わらない。

 

昨今の情報社会を見渡すと会社経営の成功ノウハウが溢れんばかりに飛び交っているが、そのまま通用する成功ノウハウは多くない。会社を取り巻く経営環境によって、経営判断の基準が変わるからだ。

 

多様化が加速する経済環境において、最早、共通の成功ノウハウ等ないのかも知れないが、黒字経営のノウハウに関しては例外がある。

 

なぜなら、黒字経営は100円売ったら1円以上儲かるという理屈で考えられるからだ。理屈で考えられる以上、中小企業の黒字経営を実現する基本ノウハウは存在する。

 

 

黒字経営ノウハウ「数字をみる」

 

黒字経営ノウハウ1は「数字をみる」だ。

 

会社の数字を無視した経営に成功はなく、むしろ、失敗しか道がないといっても過言ではない。

 

会社の数字は、会社の業績にとどまらず、会社経営に関わるあらゆる数字を含み、その範囲は無限に広がる。

 

会社は人間とは違い、自分の体調が悪くても周囲に状況を伝えることができないので、会社の経営状況の良し悪しは、会社の数字を通して、経営者が感知するしかない。

 

当然ながら、会社の数字から経営状況の良し悪しを感知できなければ、黒字経営はもちろん、正しい会社経営など出来るものではない。

 

数字を見なければ黒字経営の実現は困難で、好調企業の経営者ほど数字に強い。

 

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黒字経営ノウハウ「利益をみる」

 

黒字経営ノウハウ2は「利益をみる」だ。

 

利益は黒字経営の絶対条件であり、目に見える経営成果でもある。

 

例えば、売上100円に対して利益が10円残れば、その10円を原資に成長投資を検討することができる。或いは、10円の利益を更に増やす経営改善を検討することもできる。

 

事業活動の結果、いくら利益が残っているのかを常に把握できていれば、投資活動や経営改善活動を計画的に進めることができる。

 

利益を見ずして売上だけ見ても、黒字経営はもちろん、正しい会社経営など出来るものではない。

 

当たり前だが、会社に利益を残さなければ、黒字から赤字経営に転落し、何れ会社は倒産する。

 

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黒字経営ノウハウ「キャッシュフローをみる」

 

黒字経営ノウハウ3は「キャッシュフローをみる」だ。

 

キャッシュフローをみるということは、常に現金のプラスを意識するということだが、現金にゆとりのない中小企業がキャッシュフローを重視しないと、簡単に資金繰りが悪化し、黒字経営であっても倒産リスクが高まる

 

例えば、法人間の商取引は、信用取引で行われるケースが多い。信用取引は、100円の売上代金を1ヵ月後に受け取る、100円の仕入代金を1ヵ月後に支払う、という具合に、商取引と現金の動きが一致しない。

 

従って、売上の回収は早急に、仕入れや経費の支払は売上回収よりも遅い時期に、という具合に、会社に現金が入ってから売上に対応した仕入や経費を支払うといったキャッシュフロー重視の意識を持たないと、簡単に資金繰りが悪化する。

 

投資活動においても、将来値上がりが期待できる資源への投資、資金回収まで2年超かかる投資、用途未定の土地建物等々、短期的に現金がプラスにならない投資は闇雲にすべきではない。

 

現金のプラスを意識することは黒字経営以前に、商売の鉄則でもある。

 

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黒字経営ノウハウ「組織をみる」

 

黒字経営ノウハウ4は「組織をみる」だ。

 

倒産する中小企業の100%は組織が崩壊している。会社の組織を形成しているのは一人ひとりの社員である。つまり、組織をみるとは、社員をみるということでもある。

 

社員の力は、経営者の活用次第で100%以上の力が発揮されることもあれば、0%以下のマイナスに陥り、経営の足を引っ張る存在になることもある。

 

社員の力を引き出すのは経営者の重要な仕事で、経験則的に、組織力が高まれば必ず業績も伸びる。つまり、組織力の向上なくして黒字経営はもちろん、会社の成長もないのだ。

 

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黒字経営ノウハウ「目標をみる」

 

黒字経営ノウハウ5は「目標をみる」だ。

 

経営者が経営目標を示さなければ、組織の力が一点に集中することはなく、せっかくの力が分散される。

 

つまり、経営目標がない状態で、効果的かつ効率的な会社経営はできず、行き当たりバッタリの会社経営に陥るリスクが高まるのだ。

 

例えば、100m走か10,000m走のどちらに出走しているのか分らずにスタートを切った選手が1位になることができるだろうか?

 

正しいゴールが見えなければ、トレーニング方法からレースのペース配分に至るまで、全ての前提が変わるが、会社経営も一緒である。

 

経営者が経営目標を示さなければ正しい会社経営は勿論のこと、黒字経営の実現も難しくなる。

 

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黒字経営ノウハウ「ライバルをみる」

 

黒字経営ノウハウ6は「ライバルをみる」だ。

 

経営者自身がライバルと競いあう気概を持ち、さらに、そのライバルに打ち克つ努力を継続しなければ、黒字経営はもちろん、会社の成長発展も望めない。

 

例えば、小さな中小企業から出発したマクドナルドの創業者であるレイ・クロックは自身の著書“成功はゴミ箱の中に”の中で、次のように語っている。

 

「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。私が深夜二時に競争相手のごみ箱を漁って前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したかを調べたことは一度や二度ではない。強みを鍛え、付加価値に力を入れれば我々についてくることができずに競争相手は消滅していくだろう。」

 

ライバルは競合他社である必要はない。

 

自分自身をライバルと捉え、昨日よりも今日、今日より明日、というように、高い目標に向かって経営努力を積み重ねる姿勢も立派な競争になる。