10年後に潰れる会社というテーマは、いつの時代であっても興味の対象になり得る。
なぜ、10年後に潰れる会社に興味が集まるのかというと、将来の変化に対する大きな不安を、多くの経営者が普遍的に抱いているからだ。
将来の変化に対応できなければ会社が潰れるということは、多くの経営者が感覚的に理解しているにも関わらず、将来の不安を抱え、会社が潰れるリスクに怯える経営者は決して少なくない。
この記事では、10年後に潰れる会社の3つの特徴を詳しく解説する。
一つでも該当する特徴があれば、そこが原因で10年後に会社が潰れる可能性があるので、冷静かつ客観的に会社の現状を分析してみてほしい。
ひとつ目の10年後に潰れる会社の特徴は「変化に鈍感な会社」だ。
会社経営を取り巻く環境は絶えず変化しており、一日として同じ環境はない。
経済、世間、テクノロジーは日々刻々と変化しているし、技術の進歩は日進月歩である。
従って、あらゆる変化に対応し、或いは、変化に順応するために顧客を創造し、更に商品の付加価値を研鑽しなければ、時を待たずして企業価値が陳腐化し、あっという間に会社倒産のリスクが高まってしまう。
10年後に会社を潰さないためには、小さな変化を捉えて、成功体験(成功ノウハウ)を進化させる、顧客を発掘する、商品付加価値を磨く、コスト構造を改善する、事業(ビジネスモデル)を再構築する、といった弛まぬ経営改善が欠かせない。
当然ながら、変化に鈍感な会社には継続的な経営改善ができないので、時が経過するにつれ、会社が潰れるリスクが高まるという残念な結果が待っている。
ふたつ目の10年後に潰れる会社の特徴は「数値目標がない会社」だ。
会社の成長発展は目標に対して動くことから始まり、なかでも絶対目標を示す数値目標は会社の成長発展と安定経営に欠かせない要素である。
潰れる会社の多くは数値目標がなく、たとえ黒字経営であっても、売上・利益・現金など会社の成長発展に欠かせない要素の数値目標がない会社は衰退リスクが非常に高い。
事実、ある年の倒産企業の半数は黒字経営だったというデータも残っており、一定の売上や利益があっても、会社の存続に不可欠な現金残高の数値目標がない会社は、突発的な経営環境の悪化に対応することができず潰れるケースが多い。
10年後に会社を潰さないためには、然るべき数値目標を掲げ、適正水準をキープする努力が欠かせないのだ。
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みっつ目の10年後に潰れる会社の特徴は「後継者がいない会社」だ。
経営者の命は有限なので、後継者なくして会社経営の継続は不可能である。
また、後継者には、それ相応の経営能力が求められ、後継者の経営力如何によって、せっかく承継した会社が潰れることもあり得る。
後継者を一端の経営者に育てるには、10年はかかる。
つまり、10年後に会社を潰さないためには、今すぐに後継者育成に着手しなければならないのだ。
なお、後継者育成は、会社の業績が良く、なお且つ、経営者自身の気力体力が後継者に劣らないうちに始めるのが正攻法になる。
会社の業績が下降気味、或いは、経営者の気力体力が下降気味になってから後継者育成に着手したのでは、時すでに遅しであり、会社が潰れるリスクが高まるばかりとなるので気を付けてほしい。
変化・数値目標・後継者の注意点について解説しましたが、10年後に会社を潰さない為に大切なのは、衰退を予見し先手を打つ会社経営を実践し続けることです。多くの会社がこの部分の意識が弱く、多少、業績が上向くと手を緩めがちです。儲かっている時ほど、油断と怠惰を排除することが成功の秘訣です。