
社会は絶え間なく変化する。
その変化は、人財育成の方針、労働環境の整備、生産性改善の必要性など、あらゆる方面の経営采配に影響を及ぼす。
当然、社会の変化を拒絶すると、時代に合わない経営スタイルが定着し、社員の離職や生産性の悪化を招き、会社は衰退する。
逆に、社会の変化を受け入れると、時代にあった経営スタイルが確立され、社員の定着率、顧客の純増数、事業活動の生産性、経営資源の最適化等、あらゆる成績が好転し、会社は繁栄する。
企業の永続性を高めようと思ったら、社会に抵抗する力より、社会を受容する力の方が大切だ。
社会を変えてやる、といった社会の変化に抵抗する力は、新しい商品やサービスを生み出す原動力になるのである程度は必要だが、企業の永続性を高めるうえで必要になるのは、社会の変化を素直に受容する力だ。
社会に変化が生じると、不安や不快な感情が出てくるものだが、そうした感情を抑えて、変化を素直に受け入れると、多様な社員・顧客・環境・ビジネス等に対応する力が養われて、必然的に繁栄のチャンスやアイデアを引き寄せる。
抵抗力2:受容力8くらいの力配分で、社会の変化に対する抵抗は程々にして、変化を受容することにより多くのエネルギーを費やした方が、会社経営の障害は少なくなる。

恐れず、防御せず、自らがコントロールせず、
あるがままに社会と向き合い、変化を受容する姿勢が、どんな時代も生き抜く強さを育み、会社の未来を明るくする。
社会の正体は一人ひとりの人間だ。
今の社会はどういう人々の価値観の上に成り立っているのか、絶えず観察し、見極め、現実を受け入れることが肝要で、
社会の現実を正確にキャッチアップするほど、人々の意識の変化や新しい技術・ノウハウ・テクノロジー等の進化に敏感でいられる。
結果、社会の状況に応じて、その時々のベストパフォーマンスを発揮できるので、会社経営の質は格段に上がる。
世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)に悩むことも、経営戦略やテクノロジーの選定に悩むことも無くなるので、社会の進化と共に会社が進化する好循環が定着し、経営資源の価値は一段と拡大する。
皆さまもどうか、社会の変化を冷静に分析し、変化を受容し、新しい習慣、領域、仕組み等をどんどん取り込んで、繁栄を加速して頂ければと思う。
(この記事は2023年9月に執筆掲載しました)
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」