
利益は企業存続に欠かせない重要なピースになる。
事実、利益が縮小し衰退する企業は後を絶たない。その一方で、景気や環境の変化に関わらず、利益を出し続ける企業もいる。
この記事では、利益が残る会社の共通点と題して、儲かる構造をつくる経営の原理原則について詳しく解説する。

儲かる会社のビジネスモデルの特徴について解説する。
儲かる会社、いわゆる事業の永続性が確立している会社は、企業存続を決定づける「顧客の創造・数字の拡大・強みの研鑽」の3つの取り組みが定着している。
顧客の創造はピーター・F・ドラッカーが提唱したことでも有名だが、儲かる会社は今の顧客に対するサービスを充実させると同時に、未来の顧客を開拓する成長投資にも余念がない。
数字の拡大は、具体的には売上・利益・現金の拡大になるが、儲かる会社は数字の拡大をしっかり実践している。とくに、成長投資の原資になる利益の拡大と事業の永続性を決定づける現金の拡大に余念がない。
強みの研鑽は、顧客創造と数字拡大を後押しする重要な取り組みになるが、儲かる会社は商品やサービスの強みだけでなく、企業の重要な経営資源・リソース(ヒト・モノ・カネ・情報・コスト・モラル・テクノロジー等)の強みもしっかり研鑽している。
業種業態やビジネスモデルを問わず儲かっている会社は共通して「顧客の創造・数字の拡大・強みの研鑽」をしっかり実践し、ライバルとの差を1歩1歩広げている。
逆に、儲からないビジネスモデルに陥っている会社は「顧客の創造・数字の拡大・強みの研鑽」の実践が不十分、もしくは、実践できる余地がない斜陽産業に陥っている可能性が高い。
とはいえ、ブレークスルーでビジネスモデルを再構築すれば、儲かる会社に生まれ変われるので諦める必要はない。詳しいやり方は、以下の関連記事で解説しているので、ご参考にしてほしい。
【関連記事】業界の常識を疑え。そこにブレークスルーの突破口がある

利益と生産性の黄金バランスについて解説する。
会社の利益・生産性の黄金バランスは「売上総利益高営業利益率20%超」がひとつの基準になる。
(営業利益÷売上総利益高)×100
例えば、営業利益が2億円で、売上総利益高が10億円だった場合、売上総利益高営業利益率は〔(営業利益2億円÷売上総利益高10億円)×100〕=20%になる。
この水準を超えてくると、あらゆる利益指標だけでなく、現預金水準や自己資本比率も良好になり、前章で解説した儲かる会社のビジネスモデルをキープし易くなる。
当然、儲からなくなるリスクも小さくなり、会社経営に対する社長の心身的負担や社員にかかるストレス負荷も和らぐ。まさに、利益と生産性の黄金バランスである。

利益が残らない典型パターンについて解説する。
売上は変わっていないのに、あるいは、売上が増えているのに利益が残らない会社が稀にある。
こうした状況に陥る大きな原因は「杜撰なコスト管理」にある。
例えば、
顧客創造の過程で、新しい売上以上にコストがかかっている。
数字拡大の過程で、売上至上主義に偏り、利益が軽視されている。
強みの研鑽の過程で、費用対効果の低い取り組みが紛れ込んでいる、などの状況は失敗パターンの典型だ。
コスト意識は、その瞬間に利益意識に直結するので、いかにして組織にコスト意識を浸透させるかが、利益を残すうえでの重要なポイントになる。

最後に、利益体質への改善ステップについて解説する。
利益体質への改善で最初の重要なステップは「利益のモニタリング」だ。
まずは、前章の売上総利益高営業利益率の年計推移を毎月確認することをルーティンにする。
そのうえで、儲かる会社を創る「顧客の創造・数字の拡大・強みの研鑽」の自社の強みと弱みを分析する。
あとは、強みを伸ばし、弱みを正す行動目標を組織全体で共有し、実践し、結果(売上総利益高営業利益率20%超)を追求する。
結果を見て、言動を変え、新しい戦術・戦略を実践し、また結果を見る。この繰り返しが定着するほど、利益体質が改善され、売上拡大と共に、利益が沢山残る会社に変貌していく。
なお、初期分析は過去1-2年分の利益推移を確認することをお薦めする。そうすると改善ポイント(行動目標)が明快になり、利益改善の成果が大きくなり易い。
(この記事は2026年1月に執筆掲載しました)
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」