
業界の常識を覆す新しい商品が世に出ると、それが次第に新しい常識にとって代わり、その商品が支持され続ける。
つまり、業界の常識を疑い、その常識を覆す新たな常識(新商品・新感覚・新体験・新技術等)の創造にこそ、ブレークスルーの突破口がある。
業界の衰退や斜陽産業化等に直面するほどブレークスルー(困難な状況を打破すること)が求められるが、そういう時ほど、常識の延長線上ではなく、常識そのものを疑うことが重要になる。
正しい常識に従うのではなく、その常識の正しさを問いただす姿勢、あるいは、誰かが作った常識を覆す姿勢が、会社の繫栄を引き寄せるということだ。
幸い、お金がなかろうが、人財が不足していようが、能力が劣っていようが、常識という凝り固まった思考の枠さえ外せば、誰にでも自由な発想でビジネスを再点検することができる。
もっと楽しい常識はないか、もっと面白い常識はないか、もっと社会に役立つ常識はないかと、今の常識を疑い、新しい常識を創造するプロセスの先に、次の時代が待機している。
前例がないからこそ挑戦する価値があり、皆が反対するからこそ新しい常識になる可能性が広がる。常識の前に立ち止まるのではなく、常識を乗り越えた先にブレークスルーが待っているのだ。

業界の常識に対応する商品を投入しているだけだと、
業界の限界が会社の限界点になってしまい、業界が衰退期に入ると、会社も同様に衰退してしまう。
業界のニーズや顧客のニーズに対応しているだけの会社が、需要の縮小と共に衰退するケースは典型だ。
こうした衰退リスクを解消するのは、業界に新しい常識(新商品・新感覚・新体験・新技術等)を提供する、あるいは、既存の商品やサービスを新しい市場や顧客に提供するしかない。
アメリカの巨大IT企業のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)、あるいは、資産を持たず独自のプラットフォームでサービスを提供しているメルカリ、アスクル、ラクスル、ウーバー、一休.comなど、新しい常識で成功してきた企業は数多にある。
資産を持たない企業の成功事例があるように、重要なのは会社の体力や資産ではなく、常識を疑う力(発想力・創造力)である。
常識の外からナゼを繰り返すブレーンストーミング(自由な雑談)、突拍子もない地点から出るアイデアを受け入れる組織風土、異業種・外国企業・ベンチャー等の事例に学ぶなど、常識を疑う力を磨く方法はいくらでもある。
常識を疑い続けると、時には自分たちの仕事を否定することになる場合もあるが、未来のお客様を先取りする作業だと思えば、否定の抵抗もなくなるものだ。とにかく、業界の常識を疑う先にブレークスルーがあることを忘れないでほしい。
(この記事は2026年1月に執筆掲載しました)
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」