成功体験に固執するな。それは次の失敗の種になる


成功体験は、企業や人財の成長のカンフル剤になるが、極めて再現性が低い。


だから、成功体験に固執すると、大概はそれが次の失敗の種になり、成功を遠ざける要因を作ってしまう。


ビジネスの世界では、成功は偶然の賜物、失敗は必然の結果という法則があるように、成功に学ぶのではなく、失敗に学ぶことが成功の近道になる。


多くの成功者が、成功体験は一日で捨て去れと言っていることからも、説得力のある法則と言える。


また、新しいビジネスに関して言えば、十中八九は失敗するのだから、成功体験が如何に当てにならないかお分かり頂けると思う。


成功体験から学ぶのではなく、失敗から学び、同じ失敗をしない仕組みを作ることに全力を尽くすことが、成功への最短ルートになる。


自分の成功体験に固執する必要も、他人の成功を羨む必要もない。


自分の失敗体験だけでなく、他者の失敗にも目を向けることの方がよほど大切で、それが新たな成功体験を引き寄せる確かな法則だ。


成功体験を引き寄せる法則とは


成功を引き寄せる、


あるいは、失敗から抜け出すには、失敗から学ぶことが一番の近道になる。


失敗から素直に学ぶ姿勢は会社の衰退を防ぎ、失敗から学ぶ企業風土の醸成は次の成功体験を確実に引き寄せる。


真の失敗は、失敗から何も学ばないことだ。


言い換えれば、真の成功は、失敗から何かを学ぶことだ。


成功を成功とは思わず、どうしてもっと大きな成功に至らなかったのかをしっかり分析し、その失敗を正し、言動を改めることが大切だ。


小さな失敗を軽視してはならない。それが積もり積もって大きな失敗に繋がる恐れがあるからだ。


一人ひとりの社員が、成功ではなく、失敗から学ぶことに重きを置くようになると、


失敗を恐れる社員が少なくなり、新しい挑戦を楽しむ風土が生まれる。大きな変革や驚くイノベーションも生まれ易くなり、繁栄の基盤が一段と盤石になるスパイラルが回る。


ビジネスは結局自分次第だ。


なぜ自分は成功できないのか、なぜ自分は失敗ばかりしてしまうのか、その原因さえ分かれば、成功は向こうからやってくる。まさに失敗は成功の母だ。


成功体験に固執しない組織作り


最後に、成功体験に固執しない組織作りについて解説する。


じつは、会社の組織は、個人よりも圧倒的に成功体験に固執しやすい。


ある戦略、ある事業で一度成功すると、その成功体験者たちが組織の主流派になり、権威と権力を強めるからだ。


このような組織構造に一度陥ると、新たに入社する新人や管理部門のスタッフも主流派に忖度するようになるので、組織全体が成功体験に固執するようになる。


こうなると、大概の失敗を「運が悪かった。特殊事情が重なった」などの言い訳で片づけ、正論や現実に耳を傾けなくなる。


当然、失敗から学ぶことも、新しい発想もなくなり、衰退は加速する一方になる。


わたしの経験からも言えるが、成功体験に溺れる組織はじつにひ弱だ。


逆に、失敗体験に溺れて這い上がってくる組織はじつに強く、たくましい。成功は偶然の産物だ。成功体験はさっさと捨て去り、固執しない方が会社は着実に繁栄する


(この記事は2026年1月に執筆掲載しました)


筆者プロフィール

ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」