経営リスクとは、会社衰退のきっかけになり得る外的・内的要因のことである。
経営リスクを放置するほどに会社の衰退リスクが高まるので、リスクが小さな段階で速やかにリスクを解消することが、リスクマネジメントの基本になる。
この記事では、経営リスクのマネジメントの基本から経営リスクを上手に発掘・管理する具体的方法に至るまで詳しく解説する。
経営リスクとは、会社衰退のきっかけになり得る外的・内的要因のことである。
外的要因の経営リスクの代表例は、政治、経済、景気など等のリスクが挙げらる。
内的要因の経営リスクの代表例は、企業衰退の原因になり得る経営課題(経営力・組織力・資金力等の低下等)のリスクが挙げられる。
何れの経営リスクも、事前にキャッチし、しっかりリスク管理することが企業衰退を未然に防ぐ唯一の方法になる。
また、経営リスクは放置するほどに会社の衰退リスクが大きくなるので、リスクが小さい内にリスクヘッジすることが、リスクマネジメントの基本になる。
経営リスクは、至るところに潜んでいる。
なぜなら、全ての決断や行動の行く末を100%の確率で当てることは不可能だからだ。
未来を当てることができない以上、すべての決断や行動には、想定外というリスクがついて回る。
つまり、リスクがない決断や行動は、この世に存在しないのだ。
未来が一切変わることなく現状が維持される、という前提に立たない限りリスクのない世界が現れることはなく、現実的には、すべての企業に経営リスクが存在する。
当然ながら、経営リスクを見落とすと、そのリスクが顕在化した途端に企業が衰退するので、経営リスクの管理が杜撰な会社に明るい未来はないといっても過言ではない。
経営リスクは選び方や取り方ひとつで、企業の盛衰を分かつときがある。
例えば、台風上陸の一報が入り、その進路予想に基づいて台風リスクの対策をしたが、実際は、さほどの被害もなく台風が過ぎ去り、リスク対策がすべて無駄になった農家がいたとする。
翌週も同じような進路で台風が上陸する場合、この農家が取るべきリスクはどちらだろうか?
1.台風のリスク対策をせずに静観する
2.台風のリスク対策を前週と同じように行い台風被害に備える
農家が取るべき最善のリスク対策は、後者の方法だ。
なぜなら、前者のリスク対策は、万が一、台風被害が想定外に大きかった場合、作物が全滅するからである。
作物全滅という取り返しようのない大きなリスクを取るのか、はたまた、多少の労力が無駄になるという小さなリスク(機会損失)を取るのか、賢い経営者であれば、取るべき適切なリスクがどちらなのかはお分かりだろう。
経営リスクの上手な発掘方法を2つ紹介する。
ひとつは「未来を起点に経営リスクを発掘する方法」、もう一つは「経営バランスから経営リスクをから発掘する方法」である。それぞれの方法について、以下に詳しく解説する。
未来を起点に経営リスクを発掘する方法は、リスク発掘とリスク縮小に効果があるのでお薦めだ。例えば、「いまの事業は将来どうあるべきか?」、或いは「将来の顧客はどこにいるのか?」といった問いかけに対して、いまやるべき事を真剣に考えると、障壁となり得る経営リスクが浮き彫りになる。
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経営バランスから経営リスクをから発掘する方法も有効だ。経営バランスが崩れた状態は大別して二つに分類することができる。ひとつは「赤字経営、社員離職、顧客離脱、借金過多」など等、目に見えて経営バランスが崩れている状態、もう一つは「黒字経営であっても経営数値が適正水準にない状態」である。
前者は深刻な経営リスクを表しているが、小さな経営リスクを発掘するうえで重要なのは後者のケアーである。この部分のケアーが不十分だと、大きな経営リスクが山積し、簡単に企業が衰退する。
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経営リスクを管理するには、経営リスクを払しょくするための経営改善計画の作成と運用が欠かせない。
経営改善計画を作成・運用すると、経営リスク(やるべき事)が明快になるので、自ずと経営リスクの管理精度が上がる。
また、会社の数字、並びに、顧客や現場の声のモニタリングなど、日頃の経営活動の結果が如実に表れる領域をつぶさに観察して、経営リスクの芽を潰す検証作業も不可欠だ。
繰り返すが、リスクがない決断や行動は、この世に存在しない。
経営リスクを想定して、決断や行動の検証精度をいかに高めるかが、上手なリスク管理の秘訣になる。