古い体質の会社は少なくない。
たとえ先端の会社であっても、時の経過と共に古い体質の会社になることも珍しくない。
この記事では、古い体質の会社を変える方法、並びに、時代遅れの会社が先端に追い付くやり方について詳しく解説する。
古い体質の会社とは昔ながらのやり方を踏襲している保守的な会社のことである。
古い体質の会社は、先端的な会社に比べて組織の役割や仕事の方法が硬直化しているので、変化に疎く、進化のスピードが極めて遅い特徴がある。
例えば、企業間決済の手法の一つである手形決済の使用実績は、30年前(1990年)のピーク時に比べて97%減少している。
経済産業省は2026年をめどに約束手形の利用廃止を目指す方針を打ち出しているが、この古い決済慣習が残っている会社などは、古い体質の会社の典型と言える。
また、男性と女性の差別や線引き、雑用=新人・女性といった価値観、デジタル化や先端ノウハウの未活用、官僚化や縦割り組織、固定観念や一般常識に固執する企業なども、古い体質の会社の特徴といえる。
古い体質の会社は進化のスピードが極めて遅いので、時代が変わると一気に衰退することが往々にある。
いつの時代もより元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤を確立するのは、古い体質からの脱却が絶対条件になる。
古い体質から脱却するための絶対条件は二つある。
ひとつは「自分達の会社は古い体質にある」ということを強く自覚すること。もう一つは、「顧客志向を徹底する」ことである。
この自覚が持てると進化するための行動や顧客のための当たり前の仕事がし易くなり、時の経過と共に周囲から必要とされる会社に変貌し、古い体質が無くなっていく。
たとえ先端的な会社であっても、この自覚が弱まると、すぐに古い体質の会社に転落するので、折にふれ自己診断することをお薦めする。
時代遅れの会社が先端に追い付く確実な方法は「新しい常識を作る」ことである。
常識にしがみつくのではなく、顧客や業界を進化させるために、絶えず常識をアップデートし、自らの力で新しい常識を作るのである。
常識はいつの世も影響力のある人間や企業が作っている。そして、そうした影響力は、自分の正しさを捨てて、新しい変化や多様な考え方を受入れるほど強くなる。
具体的には、新しい知見やノウハウ、最先端の技術や設備、多様なバックグランドを持った人財を活用するほど影響力が高まり、新たな常識を生み出す経営基盤が盤石になる。
昔からの常識が非常識に転換するのは一瞬で、新しい常識の波に乗り遅れると会社は簡単に衰退する。
元気な会社ほど新しい常識を沢山生み出して、社会に楽しさや喜びを与えている。また、そうした企業が世の中の進化をけん引し続けている。
(この記事は2021年9月に執筆掲載しました)