会社経営には、基本の原則がある。
経営の基本原則から外れた行動は失敗を早めるだけであり、大きな失敗を避けるには、基本の原則に則った会社経営を実践することが大切だ。
この記事では、会社経営の基本原則、並びに、経営者が理解すべき経営の基本について、詳しく解説する。
会社経営の基本原則は、経営の本質を理解すると見えてくるが、経営の本質が何であるか、考えたことがあるだろうか?
家業を守る為、社会に貢献する為、ヒトを育てる為など、経営者によって色々な考えがあると思うが、突き詰めて考えると一つの結論に行き当たる。
経営とは「営みを経ける(続ける)」ということだ。経営という仕事の意味を鍋で煮詰めると、最後に残るのは、この一点に尽きる。
当然ながら、会社の営みが止まると、家業も社会貢献も人材育成もすべての活動がその瞬間に破綻する。
営みを経ける(続ける)こと、つまり企業の永続性の確立こそが、会社経営の本質であり、経営者の使命なのだ。
ひとつの物事を続けることは大変に難しい。物心がついて現在に至るまで、ひとつの物事(趣味・取組み)を続けている人は殆どいないだろう。。。会社を経営するということは、並大抵の仕事ではないということだ。
会社の営みを続けるための基本原則、即ち、会社経営の基本原則は「お金を増やし続ける」ところにある。
なぜなら、会社経営は、事業活動の成果如何に関わらず、お金が無くなると破たんし、お金さえあれば永遠に続くからだ。
会社のお金をキープする、或いは増やすための最低条件は二つある。一つは「黒字経営」、もう一つは「利益拡大」だ。(上場企業の場合は市場からの資金調達等のファイナンスが条件に加わる)
黒字経営とは収入よりも支出が少ない状態を表し、モノを売ったら、1円以上儲かるというのが黒字経営の基本原則になる。
収入よりも支出が下回っている以上、資金繰りを見誤らない限り、会社が倒産することはない。
しかし、黒字経営であっても毎年一定の収入と支出では、会社の利益も一定になり、成長投資の規模も経営者や社員の生活レベルも一定ということになる。
何もかもボチボチの水準で満足するという考え方もあるかも知れないが、やはり、将来に向かった成長志向がないと、経済環境や取引先の経営状況等から端を発するマイナスの影響を受けやすくなる。
つまり、経営者が成長志向を放棄すると、会社衰退のリスクが高まるのだ。(ちなみに、ボチボチの黒字経営から一転して会社が衰退した中小企業の実例は数多にある)
会社が衰退するということは、収入が減少するということだ。万が一、収入よりも支出が上回ると黒字経営が破たんする。ひとたび黒字経営から赤字経営に転落すると、会社のお金が減りはじめ、事業の衰退スピードは一段と加速する。
未来永劫に亘って経営を続けるには、ただ単に黒字経営を続けるだけでは物足りない。
やはり、黒字経営に満足することなく成長投資の規模拡大のため、或いは、経営者や社員の生活レベル向上のために、利益の拡大を考えなければならない。それが、中小企業が経営を続けるための基本原則なのだ。
経営の基本原則に続いて、経営者の基本的立場についても解説する。
経営者は自分の判断を他人事にできない唯一の立場にいる。なぜなら、経営者には、副社長以下とは違い、自身の経営判断を委ねる相手がいないからだ。
会社の業績は経営判断の繰り返しで形作られていくので、経営者の業績責任は非常に重い。(経営者の孤独感、時おり背筋を正される重圧の正体は、この辺にあるのではないかと思う)
また、経営者にとって「経営」と「人生」は、一心同体である。
どういうことかというと、会社の経営が発展すれば経営者の人生も発展するが、会社の経営が行き詰れば経営者の人生も行き詰るということだ。
行き詰った人生ほど惨めなものはない。できることなら発展のある人生を歩みたい、誰もがそう思うのではないだろうか?
少なくとも、わたしはそう思う。
会社の存続と発展なくして、経営者の幸せはない。そして、経営者が幸せを掴むには、経営の基本原則に則った会社経営を心掛けることが欠かせない。
逆に言えば、会社が存続すれば、経営者だけでなく、家族や社員、あるいは、取引先や社会等、すべてのステークホルダーが幸せになる。企業の存続が自他の幸せの源泉になると思えば、これほど尊いことはないと思う。
経営の基本原則は、売上・利益・現金、この3つの数字を拡大することです。売上拡大に躍起になっている経営者は多いですが、大切なのは、利益と現金の拡大です。業績が低迷している中小企業ほど、利益と現金の拡大を見落としています。利益と現金の拡大なくして、会社経営の成功はあり得ないと思ってください。
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ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」
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