経営者の孤独感を解消する5つの方法|社長が孤独に陥る原因・理由・対策

経営者の孤独は解消できるか?

 

経営者は孤独である。

 

経営者には、社内に本音を打ち明けられる相手は殆どおらず、孤独感を解消してくれる相談相手を社外に求めるのも難しい。

 

この記事では、社長が孤独に陥る原因から孤独から抜け出せない理由、並びに、経営者の孤独感を解消する5つの方法について、詳しく解説する。

 

 

社長業は孤独な稼業

 

社長業ほど孤独な稼業はない。

 

経営者は会社の頂点に君臨する立場にあり、全ての決断の最終執行者であり、最終責任者でもある。

 

決断や執行の終着点にいる以上、経営者は必然的に孤独な立場に置かれる。

 

実際に、経営者には社内に本音を打ち明けられる相手は殆どおらず、孤独感を解消してくれる相談相手を社外に求めるのも難しい。

 

場合によっては家族でさえ、心から理解してくれることはなく、このような状況下で社員全員の生活を保証し、独りで業績に責任を持たなくてはならない。

 

業績が不安定だと、独りで不安と向き合うことも課せられ、ここまでくると、社長業ほど割に合わない職業はないのではないか、とも思えてくる。

 

はたして、経営者の孤独感を解消する方法はあるのだろうか?

 

 

経営者が孤独に陥る原因・理由

 

経営者が孤独に陥る最たる原因・理由は、社長という絶対的な立場にある。

 

社長の立場は理屈上は組織のトップ、さらに社長の肩書は周囲に威圧的な感情を与えるので、社内において双方向性の関係性を築くのが難しい。

 

社員が社長に遠慮するのは当たり前の事であり、指示待ち社員や保身に走る上司が多いほど、社長は組織内で孤立する。

 

また、多くの中小企業はトップダウンのワンマン構造にあるので、そうした事情も経営者の孤独を助長している。

 

経営感覚のズレ視点の違いなども、社長が孤独に陥る原因・理由として挙げられる。

 

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経営者が孤独から抜け出せない理由

 

経営者が孤独から抜け出せない最大の理由は「立場の違い」にある。

 

経営者の心情としては、会社のことや自分の気持ちをもっと理解して欲しいと周囲に対して思うのが自然なことかも知れないが、そもそも、経営者の立場になっていない人には、経営者の気持ちは分らないものだ。

 

 

上の図は、坂に立つ位置が変われば見解が変わる例を表したもので、同じ坂でも、上の立場の人から見たら「下り坂」、下の立場の人から見たら「上り坂」と見解が変わる。

 

立場が変われば見解が変わる良い例だが、経営者の立場も同じようなもので、その立場に立ってみないと理解できないことが沢山ある。

 

また社員に言えないこと、家族に言えないことを抱えるのも経営者の辛いところだ。つくづく経営者は孤独な稼業といえる。

 

 

経営者の孤独感を解消する5の方法

 

経営者の孤独感は、立場の違いからくるギャップ(立場の相違・意見の相違・見解の相違等々)を埋める関係性を構築することで解消できる。

 

例えば、経営者の孤独感を解消するために経営者仲間を作る、趣味仲間を作る、経営コンサルを活用する等の方法は一般的だ。

 

以下に、経営者の孤独感を解消する5つの方法と効果について、順を追って詳しく解説する。

 

経営者の孤独感の解消法「経営者仲間」

 

経営者仲間の場合、お互い同じ立場にいても、同業だったり、地元が一緒だったり、利害関係があったりするので、腹を割って話せる相手や機会に巡りあえないことが多い。

 

また、経営基盤が区々な中小企業の場合は、経営者仲間から成功体験を聞いたり、有益なアドバイスを受けたとしても、そのまま自分の会社に導入出来ないことが殆どだ。

 

例えば、中小企業の経営者であれば、他社の成功ノウハウや知り合いの社長から聞いた成功ノウハウを導入しても、自社ではなかなかうまく機能しなかった、という経験をお持ちではないかと思う。

 

お互い共通の話題で理解し合える部分が多いかも知れないが、孤独感が紛れるのは一時だけになる。

 

経営者の孤独感の解消法「趣味仲間」

 

趣味仲間の場合、社会的な立場は関係なく、基本的には平等な立場で付き合うことが殆どかと思うので、精神衛生上、居心地がよく、経営者の孤独感は和らぐだろう。

 

しかも、利害関係がないので、お互い腹を割って言いたいことがいえるだろうし、経営のヒントになるアドバイスに巡り合うこともある。何より、自分の好きな趣味の世界なので、会社に問題が生じたり、会社で嫌なことがあっても、心が落ち着く。

 

具体的な会社経営の相談はできないにしても、ストレスなく心がリラックスするので、経営者が孤独感を解消する手立てとして、趣味の時間を持つことはとても良いことだ。

 

但し、経営者仲間同様、趣味仲間との付き合いも孤独感が紛れるのは一時だけである。

 

経営者の孤独感の解消法「経営コンサル」

 

経営全般を相談できる経営コンサルを抱える方法は、経営者の孤独感を解消する有効な手段といえる。

 

困ったことや、悩んだとがあれば直ぐに相談すれば不安が解消されるし、常に経営のプロに相談できるという安心感から経営者の孤独感はだいぶ和らぐ。

 

経営者の孤独を解消するために経営のプロである経営コンサルを抱える方法は、費用対効果と精神衛生上からみて、最も効果的な方法だと思う。

 

但し、業績(利益)に貢献する経営コンサルであれば問題ないが、業績(利益)に貢献しない経営コンサルは、ただの話し相手に過ぎない。

 

逆に、会社を食い物にされて、会社経営の弊害になることもあり得るので、経営者の孤独感を解消するための経営コンサル選びは慎重に進める必要がある。

 

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経営者の孤独感の解消法「恋愛や結婚」

 

経営者の孤独感を解消する方法として、恋愛や結婚という選択肢も挙げられる。

 

恋愛や結婚で経営者の孤独感を解消する方法の効果は、前章で解説した「趣味仲間」に近く、精神衛生上、居心地がよく、仕事や立場のストレスからも解放されるので、経営者の孤独感はだいぶ和らぐ。

 

しかし、経営者という立場の違いからくるギャップがすべて解消されることはないので、孤独感が紛れるのは一時だけになる。

 

但し、恋愛や結婚のパートナーが会社経営に役立つ専門家(経営コンサル、会計士、税理士等)の場合は、苦手分野を補完してくれる大きな存在になり得るので、経営者の孤独感が大幅に解消されるケースもある。

 

経営者の孤独感の解消法「マインドセット」

 

経営者の孤独感を解消する方法として、マインドセットも有効になる。

 

例えば、何をやってもうまくいかない、或いは、どんなに努力を続けてもなかなか結果が表れない状況に直面し、孤独に押しつぶされそうになることがあると思うが、こういう時こそマインドが重要になる。

 

孤独を解消するマインドとしてお薦めするのは周囲に「感謝すること」だ。

 

結果を出すために努力している社員、取引先、関係者、或いは、会社を支えている顧客、仕入先等に改めて感謝すると、自分が独りではないことに気が付かされるはずだ。

 

孤独で苦しい時ほどマインドが重要になるので、実践してみてほしい。

 

 

経営者は孤独と向き合う覚悟が必要

 

経営者の孤独感を解消することは容易ではない。

 

例えば、年間自殺者の15%前後は経営者と云われているが、このことからも、巷の経営者が、日夜、いかに孤独と戦っているのかが伺える。

 

経営者は常に孤独と向き合い、全責任を一身に背負って会社を経営し、経営の結果責任を全て負わなければならないので、甘い考えでは経営者は務まらない。

 

つまり、厳しい覚悟を持って、孤独と向き合わざる得ないのが経営者の立場なのだ。

 

しかし、会社の成長発展をけん引する経営者が、孤独に押しつぶされてしまっては元も子もない。時には、利害関係のない家族や恋人、或いは、趣味仲間に本音を吐いて、孤独と上手に付き合うことも大切だ。

 

伊藤のワンポイント
 

経営者には大なり小なりプライドがついて回るので、会社の事(不安や不調)となると、家族に対しても、なかなか本音をさらけ出せなくなります。本文で解説した通り、経営者の孤独ストレスは半端ありませんので、時には、家族や信頼できる第三者(経営コンサル等)に本音をさらけ出して、上手にストレスをコントロールすることが大切です。