業績を安定させる見通しの立て方|会社の未来は見通しで決まる

見通しを立てれば経営が安定する

 

確かな見通しを立てれば、会社の業績は自ずと安定する。

 

なぜなら、確かな見通しという将来基準をベースに、今すべきことを決断・実践している限りは、会社経営に失敗しないからだ。

 

この記事では、見通しの重要性、並びに、業績を安定させる見通しの立て方について、詳しく解説する。

 

 

会社の未来は見通しで決まる

 

見通しは、会社経営のみならず、人生にも深く関わりがある。

 

例えば、人の言動の大部分は、未来の見通しを起点に今(現在)が決まる。合格ラインに達していないから勉強する、遅刻しそうだから走る、雨が降りそうだから傘を持っていく、など等、未来の見通しをもとに今の行動を正しく選択している限り、大きな失敗をすることはない。

 

農耕、狩猟、生活、仕事、そして、会社経営に至るまで、見通しが無ければ、物事がうまく成り立たないのは容易に想像できるだろう。

 

会社を経営していると、様々な領域の見通しが気になるものだ。

 

創業期であれば、創業後の計画の見通し。日常の会社経営であれば、売上の見通し、資金繰りの見通し、お金の見通し、業績の見通し、人材育成の見通し、設備投資の見通し、など等、挙げたらキリがない。

 

当然ながら、見通しに甘さが出ると、会社の衰退リスクは上がる。

 

例えば、見通しの甘さが原因で、創業後、間もなく業績が悪化する、或いは、資金繰りが行き詰る、人が育たない、設備が老朽化する、会社が倒産する、など等といった状況は見通しの甘さが原因で引き起こされる。

 

予定は未定なので、起こりもしない未来のことばかりを考えていては気持ちが疲れるが、たかが見通し、されど見通しである。

 

やはり、日頃から確かな見通しを持っていた方が経営悪化のリスクは減るし、大きな失敗をかわす経験値が高まるのも事実である。

 

 

見通しの中で最も大切なもの

 

安定経営の実現に不可欠な見通しは「お金の見通し」である。

 

なぜなら、会社のお金が無くなると、会社が倒産するからだ。

 

お金の見通しとひと言にいっても、正確な見通しを立てるのは単純ではない。会社のお金に関連する要素は広範囲にわたり、更に、お金の動きは複雑だからだ。

 

会社のお金に関連する要素は、売上、経費、利益、借金、利息、だけではない。顧客動向、市場動向、人材計画、設備計画、開発計画、資金繰り、など等、挙げたらキリがない。

 

これらの要素の見通しが一つでも甘くなると、必然的にお金の見通しも甘くなる。例えば、利益減少、赤字経営、返済苦、資金繰り悪化などの経営の失敗は、お金の見通しの甘さからくる症状になる。

 

このような症状を放置すると、会社が倒産するのは時間の問題になる。つまり、経営の失敗を避けるには、確かなお金の見通しを立てることが絶対条件になるのだ。

 

 

業績を安定させる見通しの立て方

 

より正確にお金の見通しを立てるには秘訣がある。

 

それは、お金に関連するすべての要素の過去と現在に目を配ることである。

 

例えば、過去24か月分の財務諸表を見れば、今後1年のお金の見通しを予測をすることが可能になる。

 

過去の行いが現在を作り、未来はその延長線上にあるので、過去と現在を正しく捉えることが、正しい未来(見通し)を捉える秘訣になるのだ。

 

正しい見通しを捉える秘訣はもう一つある。それは、理論的且つ技術的に見通しを立てることだ。

 

理論も技術もない、ただの思い込みや勘で立てた見通しは外れる可能性が大きいし、当たり外れを気にするあまり気持ちが疲弊するので、精神衛生上もおススメできない。

 

思い込みや勘に頼らず、理論と技術を活用することが確かな見通しを立てる秘訣で、例えば、会社の数字、経済環境、景気動向など等、理論的に説明できる情報をもとに作られた見通しは、大きく外れることがない。

 

万が一、見通しが外れたとしても、外れた原因を理論化できるので、容易に挽回策を見つけ出すことができる。

 

好調な業績を維持している中小企業の経営者ほど、正しい見通しを持っている。

 

正しい見通しがあれば、会社の安定経営を支える正しい決断を次々と下すことができる。また、様々な経営判断をタイミングよく実行に移すこともできる。

 

その見通しは万全か?

 

そもそも、確かな見通しを持っているか?

 

確かな見通しは経営を助けるが、誤った見通しは経営の足を引っ張る。冷静な眼で見通しを見直すことも、時には必要だ。

 

伊藤のワンポイント
 

安定経営は、見通しで決まるといっても過言ではありません。安定経営の先にある企業の永続性は、衰退を予見し先手を打つ会社経営を実践することで確立されるからです。衰退する企業は、決まって見通しが甘いです。逆に、元気よく成長している企業ほど、確かな見通しを元に、先手先手の会社経営を実践しています。