会社の生産性を上げる方法|生産性向上の正しい方法と間違った方法

会社の生産性を上げる方法

 

生産性とは、労働の投下に対する収益性の評価基準の一種である。

 

例えば、生産性の高い仕事を提供すれば、少ない労力で大きな収益を得ることができる。逆に、生産性の低い仕事を提供すれば、大きな労力にも関わらず少ない収益しか得られない。

 

この記事では、会社の生産性を上げる方法、並びに、生産性向上の正しい方法と間違った方法について、詳しく解説する。

 

 

生産性向上の基本姿勢

 

中小企業は、あらゆる領域の経営資源が脆弱なので、生産性の高さが企業の生命線になる。

 

また、企業の存続は、ライバルよりも低コストでより良い商品やサービスを提供することで確立されるので、少ない労力で大きな収益を生み出す生産性の高い経営環境の構築が成功の条件になる。

 

生産性の高い仕事を要約すると「少ない労力で最大の利益を実現する」ということだが、これは「楽して儲けよ」ということではない。

 

生産性の高い仕事を提供するには、決して「楽」はできない。

 

むしろ、生産性の高い仕事は「苦労の先に成り立つ」という表現の方がピッタリくる。

 

 

楽して生産性を上げるとどうなるのか?

 

企業の競争原理は、すべて顧客が握っている。

 

なぜなら、企業が提供する商品の購入権は顧客が握っているからだ。

 

経営者は、どんなに良い商品、どんなに良いサービスであっても、「常に顧客からの選択の脅威にさらされている」事実を忘れてはならない。

 

このような競争原理のなかで、楽して生産性を上げるために仕事の質を下げると、時を待たずに競争からはじき出されることになる。

 

楽して労力を減らしても生産性の高い仕事は生まれず、逆に、競争からはじき出されて、企業存続の危機にさらされる事態を招いてしまう。

 

例えば、次に挙げる改善策は、生産性の高い仕事に結びつかない典型例になる。

 

☑安値販売(付加価値低下、利益低下)

 

☑重要作業のアルバイト化(技術力低下)

 

☑チェック人数を減らす(品質低下リスク拡大)

 

☑内製品から外注完成品にシフトする(独自性の低下)

 

☑安価な外国原料への切替え(国産ブランド力の低下・独自調達力の低下)

 

一時は少ない労力で売上が上がり、利益も上昇するかも知れないが、長期的な収益効果は殆ど望めない。

 

むしろ、これまで苦労を重ねて蓄積してきた独自ノウハウが無に帰してしまい、生産性が低下する可能性が高まる。

 

生産性の高い仕事を作り上げるには、それ相応の苦労と時間が必要なのだ。

 

 

生産性を上げるためにすべきこと

 

生産性を上げるには、独自ノウハウを蓄積するための「創意工夫」と「成長投資」が必要だ。

 

☑生産性を上げるために徹底した創意工夫をしているか?

 

☑生産性を上げるために徹底した成長投資を行っているか?

 

この問いかけに対しての答えが「NO」であれば、生産性を上げるためにやるべきことが残ってるということだ。

 

創意工夫とは、現状の品質をキープ、或いは、高めるために行う経営改善のことで、この経営改善を推進するために投じるお金が成長投資になる。

 

経営改善を推進すると、独自ノウハウが一層蓄積され、自ずと生産性と共に、企業の競争力と優位性が高まる。例えば、次に挙げる経営改善は、生産性が高い仕事に結びつく典型例になる。

 

☑経営課題を解消する(独自性の向上)

 

☑社員教育の水準を高める(技術力の向上)

 

☑機械導入で無人化する(品質キープで人件費減)

 

☑完全内製化商品を拡充する(独自性の向上)

 

☑現状の経営資源を最大化する(収益性の向上)

 

☑現状の経営環境を最適化する(収益性の向上)

 

生産性を判定する計算式はあるのか?

 

企業の生産性の良し悪しを、合理的な数値基準でモニタリングすることは非常に効果的だ。(生産性は当サイト内の「労働生産性の計算方法」で解説している)

 

なぜなら、数値基準をモニタリングしていれば、生産性を高めるために行っている経営改善の正否をオンタイムで検証することができるからだ。

 

正しい経営改善であれば継続、或いは、誤った経営改善であれば修正、というように先手先手で経営改善を進めることができるので、効率的に生産性を高めることができる。